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PostHeaderIcon ルシェンブルゴの選択

レアル・マドリード就任後はやくもチーム練習をはじめたルシェンブルゴ新監督。低迷を続けるチームをどのように立て直すのか、非常に見物である。はっきりいって、これほど関心を引く話題は他にない。
もちろんプロの監督、それもルシェンブルゴというブラジル・サッカーの頂点にいる名将のサッカーに対する知識はシロウトの推測の域を遙かに超えているに違いない。ただ彼について一番興味深いのはスター選手を使ったチームを作るのが非常に上手いということだ。


これまでブラジル選手権を制覇したチームでは、パルメイラスでリバウド、エジムンド、ジャウミーニャ、ロベルト・カルロスを要し、コリンチャンスではエジウソン(元柏レイソル)、マルセリーリョ・カリオカ(元ガンバ)やヒカルジーニョ、クルゼイロではアレックス、サントスではロビーニョなど、トップ・プレーヤーを非常に上手く使ってチームを無敵にしてきた。彼は「私のチームにはスターなどいない」といった奥ゆかしいことは言わない。
いまかれの元にはロナウド、ベッカム、フィーゴ、ジダン、ラウール、ロベルト・カルロス、オーウェン、モリエンテス、ミシェル・サルガド(彼もスーパー・プレーヤーだと思う)といった世界一豪華な面子がすでに揃っている。
そもそも、どんな人材が手元にあろうとも、ルーシャは臆すことなく「どのチームでもオレが一番のスターだ」と言い張るのだ。つまり、スターはスターの気持ちがわかる、と言いたいのだろう。唯一この言葉に反発したのがフラメンゴ時代のロマーリオで、その結果ルシェンブルゴがチームを去ることになった。とにかく巨大なエゴ同士の惑星衝突だったことは想像できる。
レアルのチームに関しては、シロウトだろうがクロウトだろうが、誰が見ようがチームの背骨の一つである本職のボランチが必要なのは明らかだ。いまマルカ紙にあがっている獲得候補はパルメイラスのマグラォンとエバートンのグラベセンだそうだ。レアルの最大の失敗はマケレレが抜けて以来、エルゲラやグティ、ベッカムなどをこのポジションに穴埋め的に起用したことだ。理想をいえば、ボランチは一人でなく二人獲得しローテションするべき。
このボランチの不在が、上手くいけば逆に功を奏じるかもしれない。ルシェンブルゴ流のボランチ、つまり守備面だけでなく、攻撃への移行の要となるピッチの中心部を支配できる選手を投入できればレアルはがらりと変わる気がする。ルシェンブルゴは必ず自分の思想をピッチで具現化できる選手を育てるはずだ。
ルシェンブルゴが優勝したチームでボランチに起用した選手はもれなくすべてトップ中のトップだった。ブラガンチーノではマウロ・シウバ(現デポルティーボ)、パルメイラスではセーザル・サンパイオ、フラビオ・コンセイサォン、コリンチャンスではリンコン、バンペッタ、ヒカルジーニョ、クルゼイロではマルドナード(チリ代表)、そして昨年のサントスではわざわざヒカルジーニョをサンパウロから引っこ抜いてチームの立て直しをまかせた。
ボランチが一人入ると言うことは、ベッカムやグティが中盤底を免除されるというこであり、つまりガラクティコの一人がベンチに残る可能性が出てくる。ここをどう上手く収めるかが、ルーシャのもう一つの見せ所だろう。この決断は不可避に思える。
しかし、初戦が爆弾騒動で延期された7分の試合(1月5日)とは、実に奇妙なデニューだ。

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