ブラジレイロン2005、ベストイレブン
まだまだ昨年の話題だが、2005年のブラジル国内事情の総括として興味深い。
CBFブラジルサッカー連盟がプロモートした「クラッキ・ブラジレイロン2005」?2005年ブラジル選手権のベスト・イレブンの選出結果を遅ればせながら記録しておきたい。
そしてブラジルで最も読者数が多いサッカー専門誌プラカール(Placar)が選出した「ボーラ・ジ・プラッタ」(銀色のボール)によるベスト・イレブンも選出された。
CBFのベスト・イレブンの選出は、FIFA方式に則って、現役またはOBの監督および選手によって行われた。最終選考には各ポジションに3人のプレーヤーが残り、12月5日、総勢33人の選手と監督、審判などが集まってリオで盛大なパーティーイベントが行われベスト・イレブンが賞を受けた。
一方、プラカールの選出方式は、毎節雑誌が行った点数評価(10点満点)を集計し、各ポジションで最も平均点の高い選手が選ばれた。こちらのイベントはサンパウロで行われた。
CBF「クラッキ・ブラジレイロン2005」は優勝チーム、コリンチャンスから5人、2位インテルナショナルから2人、5位フルミネンセから2人。また、ベスト・イレブンのうち4人が外国人選手であり、そのうちアルゼンチンのテヴェスが大会MVP「クラッキ・ジ・オウロ(金のクラッキ)」に選ばれた。
ブラジル・サッカー連盟のテイシェイラ会長とカルリート
ベスト・イレブン(各ポジションの1位、フォーメーション:4-2-2-2))
GK:
1位?Fabio Costa (Corinthians)、サントスに移籍
2位?Rogerio Ceni (Sao Paulo)、日本でもご存じ
3位?Harlei (Goias)
右SB:
1位?Gabriel (Fluminense)、マラガに移籍
2位?Cicinho (Sao Paulo)、レアルに移籍
3位?Paulo Baier (Goias)、パルメイラス移籍
CB右:
1位?Lugano (Sao Paulo)、ウルグァイ代表、日本でもご存じ
2位?Betao (Corinthians)
3位?Andre Dias (Goias)
CB左:
1位?Gamarra (Palmeiras)、パラグァイ代表
2位?Andre Leone (Goias)
3位?Marinho (Corinthians)
左SB:
1位?Gustavo Nery (Corinthians)、セレソン
2位?Michel Bastos (Figueirense)
3位?Jorge Wagner (Internacional)
ボランチ1:
1位?Marcelo Mattos (Corinthians)、なんとFC東京でプロデビュー
2位?Mineiro (Sao Paulo)、日本でもおなじみ
3位?Marcao (Fluminense)
ボランチ2(より攻撃的):
1位?Tinga (Internacional)、来たあ我がインテルの名ボランチ!元フロンターレ
2位?Rosinei (Corinthians)、新星アルマドールの誕生なるか?
3位?Arouca (Fluminense)、ワールドユースにも参加
MF右:
1位?Petkovic (Fluminense)、ブラジルの10番はセルビア人
2位?Juninho Paulista (Palmeiras)、元セレソン
3位?Carlos Alberto (Corinthians)、一番手ヒール役
MF左:
1位?Roger (Corinthians)、コリンチャンスのコンダクター
2位?Ricardinho (Santos)、セレソン
3位?Rodrigo Tabata (Goias)、日系ブラジル人の田畑さん
セカンドFW(ポンタ・ジ・ランサ)
1位?Carlos Tevez (Corinthians)、アルゼンチン代表、W杯で世界にその雄姿を見せるか?
2位?Fernandao (Internacional)
3位?Edmundo (Figueirense)、アニマウ健在!古巣パルメイラスに移籍
フォワード:
1位?Rafael Sobis (Internacional)、インテルの期待の星
2位?Robson (Paysandu)、“ホビゴール”ザ・ストライカー
3位?Alex Dias (Vasco)、ロマーリオの相棒。彼のおかげで、ロマーリオはごっつあん状態
監督:
1位?Muricy Ramalho (Internacional)、インテルを去り、サンパウロFCへ移籍
2位?Abel Braga (Fluminense)、我がインテルナショナルへ移籍
3位?Geninho (Goias)、Jリーグとは縁がない人
では、次にプラカール誌のベスト・イレブン:
GK:ファビオ・コスタ、右SB:シシーニョ、CB:ルガーノ、CB:ガマラ、左SB:ジャヂウソン(ゴアイス、元コンサドーレ)、マルセロ・マトス、ミネイロ、ペトコビッチ、ジュニーニョ・パウリスタ、ハファエル・ソビス、テヴェス。
大会MVPはテヴェス、得点王はローマリオ、22ゴール。テヴェスはブラジル・サッカーのすべての主タイトルを受賞した。その貢献度からして、貰ってしかるべき称賛だ。
こちらは、「プラカール(Placar)」誌のベスト・イレブン。真ん中でトロフィー持ってるのがカルリート。
左SBのジャヂウソン以外は、CBFが選出したメンツとプラカールのベスト・イレブンとは一致している。とくに、4人の外国人選手(ルガーノ、ガマラ、ペトコビッチ、テヴェス)は圧倒的な支持を得、MVP争いもテヴェスとペトコビッチに絞られた。ブラジルのスタジアムで最もファンを喜ばしたのは、ブラジル人選手ではなかった。これが現実。スペタクルなブラジル人選手はどれも、海外へ移籍してしまって国内には居ない。
ベテランでは、ジュニーニョ・パウリスタがパルメイラスで良いシーズンを送った。世界クラブ選手権でMVPだったサンパウロFCのGKホジェリオ・セニだが、国内ではコリンチャンスのファビオ・コスタに1位の座を譲っている。記憶に残るセーブの数だけでいえば、確かにファビオ・コスタの方が目立った。
個人的には、たった一年で、2部降格から1部へ昇格したグレミオから出てきたアンデルソンという17歳の選手(世界U17選手権MVP)が印象に残った。今年からポルトの選手になるアンデルソンはクラブの先輩のロナウジーニョの後継者と呼ばれそうだが、体がすごく強くて、ロナウジーニョとは違うタイプのMFだ。
何はともあれ、2005年はコンフェデ杯優勝、南米予選1位通過、リベルタドーレス杯・世界クラブ選手権優勝、世界最優秀選手受賞とブラジル・サッカー史上で最も国際タイトルの多かった年だった。
06年早々はオフの期間だが、それでも国内のクラブ事情は刻々と変化していて、新しい話題には事欠かない。まずは、今年前半の各州選手権、そしてリベルタドーレス杯枠のかかったホーム&アウェー方式のコパ・ド・ブラジルの2大会に注目が集まる。