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サッカーの試合の録り貯めを消化しようと思ってね、立て続けに、欧州チャンピオンズと南米リベルタドーレスを一緒に観た。

 

「インテル・ミラノ×バルサ」を観た後に、「コリンチャンス×セロ・ポルテーニョ」、「フラメンゴ×カラカス」の順で。

 

ヨーロッパ最高峰の大会の準決勝の凄さを確認した後に、南米大会のグループステージを見て、正直、すごい差を感じたよ。チャンピオンズの試合にも南米の選手がかなりいたけど、やっぱ、ヨーロッパ・クラブの大会に挑むメンタリティはすごい。結局、絡むカネの違いを見せつけられた。

 

しかし、今年の南米は、ドタバタ喜劇の様相が増している。まあ、それだってサッカー文化の根底を成す素地なんだけどね…混沌の中を抜け出してくるのが真の南米のクラッキたち。



とにかくリベルタドーレスの方は、無事、ベスト16が出そろいました。我がインテルも生き残っていますよ(日本ではインテル放送されないけど)。ブラジル勢は全員、残った。

 

無事というのも、今年の大会規定がムチャクチャで、昨年のリベルタ杯で、メキシコの新型インフルエンザ騒動で失格となったメキシコの2クラブが、今年は既にベスト16入りしている。だから、今年は8グループのうち、1位のチームの通過は当然、残る八つの2位チームのうち、6チームしかトーナメント・フェーズに行けないのよ。なんてこったい。

 

残ったチームについて、このリンクがわかりやすいかな:

 

http://jumentosfutebolclube.com/copa-libertadores-2010-tabela-grupos-jogos-datas-horarios-e-times-classificados

 

まあ、ここに、リベルタ杯が実は、メキシコ・チームの参加を必要としている現状が見える。メキシコの視聴者(経済力)が欲しいのね。しかし、メキシコのチームがたとえリベルタ杯を優勝しても、クラブワールドカップには出れない…という矛盾がある。

 

次に、ブラジル国内に目を向けると、リベルタ杯を戦っているチームは州選手権にも参加していて(一部の州はすでに終了)、これが意外と各チームのパフォーマンスに影響を与える。それも、今年は負の影響が勝っている。

 

サンパウロ州では、コリンチャンス、サンパウロFCともにあっさりと敗退してしまい、サントスFCがやりたい放題。サントスFCはいま国内の話題をかっさらっている。あっしの意見では、かつての重要度が薄れた州選手権でブイブイいわせても、まだ真価を証明したとはいえない。ミナス州でもクルゼイロはリベルタ杯では良い内容をみせたものの、州内では終盤に敗退してしまい、監督のクビが危ぶまれている(愚策だと思います)。

 

あっしんところのインテルは、ウルグアイ人監督のフォサッティ氏のもと、リベルタ杯と州選手権ともに、しょぼい出始めだったものの、ここに来てなんとか持ち直した。この2週間で宿敵グレミオとの州選手権決勝2連戦とリベルタ杯バンフィールドとの2連戦にのぞむ。しかし今後も、気性の荒いフォサッティさんとマスコミ&サポーターとの激しい争いが心配される。やっぱブラジルで外国人が監督するのは大変だな…

 

そしてフラメンゴだ。このチームの騒動ときたら、うーん…ある意味スゴイ。フラメンゴも州選手権で失態を晒し、リベルタ杯でも波のあるサッカーで、辛うじて最後の2位枠でトーナメント・フェーズへ通過できた。実際、選手の能力は素晴らしい。アドリアーノをはじめ、ペトコビッチ、ヴァグネル・ラブ(絶好調)、レオ・モウラなど天才派ぞろい。だが、ピッチの上ではちぐはぐで、見ちゃいられないほど(とくにディフェンス)。

リベルタ杯で生き残ったにもかかわらず、昨季、全国選手権を制したアンドラーデ監督が昨日解雇された。同時に、サッカー部門のディレクター2名も解任。リストラ劇を敢行したのは今年、新しく就任した女会長パトロリシア・アモリンさん(若い頃は、水泳選手でけっこう美人だった)。この解任劇には選手達が猛反対。とくに、アドリアーノやヴァグネル・ラブなどチーム内で自由に振る舞う権利をもっていた選手たち。

 

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アドリアーノに関しては、気の向くまま、リオの海外沿いのバーでビールを飲んでは、パーティに繰り出す毎日(ロマーリオもやったけど…)。体重は優に100キロを超えているらしく(クラブはぜったいに数字を公表しない)、先日のセーロ戦でもブヨブヨの様子で、全然、動けていない。試合後、マラカナンのサポーターから大ブーイングを受けて、しょんぼり立ち去った。そんな状況にチーム内で対立しているのがペトコビッチなど別の派閥。これが、また、互いに喧嘩するんだよピッチ上で。セルビア人のペトコビッチが解雇されなかった理由は、サポーターから絶大な支持を得ているから。ペトコビッチは解任されたサッカー部門の担当者とも険悪状態だった。とにかくチームには強いリーダーシップがなく、力のせめぎ合いで、監督がはじかれた。

 

フラメンゴのサポーター数35百万人、借金3億レアル超(150億円超)。高額の給料をもらう選手もいれば、何ヶ月間も給料をもらっていない選手もいるらしい。クラブはデカすぎて、派閥が多すぎて、にっちもさっちもいかない。パトリシア会長はジーコやミランのレオナルドを監督またはサッカー部門の顧問に迎えたいと言うが、解任したばかりのアンドラーデ自身がジーコ・レオナルド派。

 

アンドラーデの後釜はジョエウ・サンタナ氏が有力、でも来週のリベルタ杯まで時間がない。それに、チームに厳しい規律を取り入れると、ぜったい受け入れない選手が出てくる。アドリーアノがその一人だ。それに、給料未払いの選手・スタッフ達にいたっては「規律っていうんなら、まず、ビジネスルールに従って、金払えってんだ!」てことになる、まさにアナーキーだ。

 

そんなフラメンゴは、来週のトーナメント・フェーズでなんと、いきなりコリンチャンスと激突。コリンチャンスはよく練られたチーム。リベルタ杯のグループ・フェーズでも最も良い成績を残している。潜在的な実力でいえば、両チームはがっぷり四つで戦えるはずなのだが…(サポーターのがっぷり度は、間違いなくブラジルNo.1)。

 

ちなみにコリンチャンスは、いまロナウドがサポーターの批判の矢先に立たされている。それもそのはず、動かない、走らない、ゴールもしない、不調そのもの。とはいえ、コリンチャンスがしっかりしているのは、ロナウドの控えにはイアルレイ(元ボカ、インテル)やジョルジ・エンヒッケ(こいつは良い)などが構えていること。37歳のロベカルはまだまだ走っている。ロナウドは、子供の頃からの夢がフラメンゴでプレーすることと公表していたけど、ブラジル復帰時のプロの判断としては、コリンチャンスをちゃっかりと選んでいる。

 

チャンピオンズでバルサ相手に大金星をあげたインテル・ミラノのGKジュリオ・セーザルもフラメンゴ出身(ローマのCBフアンも)。DFルシオは我がインテルで一気に有名になり、マイコンはクルゼイロ。そして、ロナウド(クルゼイロ)はフェノメノ、アドリーア(フラメンゴ)がインペラトーレ。能力だけでいえば、世界の檜舞台でプレーするのにふさわしい選手ばかり。問題は頭の中…常に一番上のレベルを維持することの難しいこと。


707 Responses to “南米劇場”

  • スブッラ says:

    WSDによるとこの女会長41歳とは。
    うそ?

  • ジーコファン says:

    フッチさんお久しぶりです。
    今の南米(ブラジル)チームの情報はなかなか、わからないので、フッチさんのブログで勉強してます。ありがとうございます。
    今のフラメンゴの現状・・・泣きたくなります。
    フラメンゴ・・どこに行こうとしてるのだろう。
    (他のチームにも言えることだと思うけれど)
    昔の黄金期のフラメンゴ懐かしい。今のバルサのようだった。
    全てにパーフェクトだった。

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