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PostHeaderIcon 2010年/ブラジル・シーズンの顔ぶれ

1月末日でヨーロッパの移籍期限も終了。これを受けて、ブラジルのクラブも選手達の移籍が一段落し、いよいよ2010年シーズンに向けて、とりあえずメンツが整った。

 

各州の選手権が始まっているこの時期、チーム作りの先頭を走るのは、やはりリベルタドーレス杯を戦う5つのクラブ:コリンチャンス、フラメンゴ、サンパウロFC、クルゼイロそして、我がインテル。

 

これら五つのクラブを含め、ブラジルのクラブの移籍状況を見てみよう:

 

まず、参考サイトはこちら、ブラジル・セリエAの全クラブの移籍状況:

http://esporte.ig.com.br/futebol/2009/12/28/mercado+da+bola+veja+as+ultimas+transferencias+de+seu+time+9257700.html

 

昨年のブラジルサッカーのトレンドは「ベテラン選手の復活の年」といわれた。怪物ロナウド(コリンチャンス)、ペトコビッチ(フラメンゴ)、ジウベルト(クルゼイロ)、マルセリーニョ・パライバ(コリチバ)など、かつては海外で活躍し、ピークを過ぎてブラジルに帰ってきた30代の選手達が活躍した。

 

そんな事情を背景に、まずは、コリンチャンスから見てみると、何とすごい:ダニーロ(鹿島、サンパウロFC)、ロベカル(フェネル)、チェコ(グレミオ、アルイテハド)、イアルレイ(ゴイアス、インテル)と経験のあるベテランをがっちりと補強。

 

今回リベルタ杯に出場するブラジル勢で唯一、大会の優勝経験が無いコリンチャンス。だからこそ、リベルタ杯で優勝経験のあるダニーロ、イアルレイに加え、国際経験豊かなロベカル、チェコを獲得。これに、昨年のブラジル杯制覇の3トップ、ロナウド、ジョルジェ・エンヒッケ、デンチーニョを合わせれば、強烈なチームが出来上がる。監督はグレミオで一躍有名になったマノ・メネゼス。

 

フラメンゴも相変わらず、派手な移籍話がとびかった。目玉はなんといってもFWヴァグネル・ラブの獲得。アドリアーノとのツートップが期待される。一方で、選手が結構流出した、ボランチのアイルトンやMFゼ・ロベルト、それにラブの急遽加入に、玉突きでFWオビーナをアトレチコ・ミネイロに放出。フラメンゴも強烈なチームを要しているが、あっし的には、どこか半信半疑だ。たとえば、アドリーアノとヴァグネル・ラブの二人は、チーム内では特別扱い(練習を休んでもいい条件とか)を受けていたり、選手間でけっこう格差があるみたい。それでも、勢いに乗れば勝ってしまうのがフラメンゴ、でも、負けが込むと不満が噴出するあのパターン。

 

サンパウロFCはヒカルド・ゴメス監督のもと、今年は堅実なチーム作りに励む。下部組織の選手をもっと活用する方針に変えたと言うが、それでも、クレーベル・サンタナ(アトレチコ・マドリー、柏レイソル、*インテルが欲しかった選手)、マルセリーニョ・パライバ(コリチバ)、アレックス・シウバ(ハンブルグ)としっかりとベテランを取っている。一方で、ボルジェス(グレミオ)、アンドレ・ジアス(ラツィオ)などがチームを去った。ベースはしっかりしている:FWダゴベルト、FWワシントン、MFエルナーネス(なぜ代表に呼ばれない)、CBミランダ(こいつは怪物)、GKホジェリオ・セニ。

 

クルゼイロもけっこいい:ペドロ・ケン(コリチバ出身の若手)、ホージェル(カタールのクラブ)を補強。昨年リベルタ杯準優勝のベースにCBクラウジオ・カサッパ(元リヨン)、MFジウベルト(2006年ドイツW杯では左SBを務めた)。攻撃は、FWウェリントン・パウリスタ、そしてヨーロッパへの移籍が奇跡的に反故になった代表級FWクレーベル。派手さはないが、本当にいいチーム。昨年の雪辱を果たせるか。

 

そして、我がインテル:実は、去年のクラブ創設100周年記念でかなり金を使っちゃったらしく、目立った獲得はない(儲けてるのに、おかしいな…)。あっしも、知らない選手ばかり、チアーゴ・ウンベルト(バルエリ)、ブルーノ・シウバ(アヤックス)、ウィウソン・マチアス(メキシコのチーム)…知らん。ユース世代代表のアラン・カルデッキやジ・パラナが移籍していた。

 

インテルは一方で、監督がウルグアイ人のホルヘ・フォサッティに。フォサッティ監督は、いまでは南米で名門とされるエクアドルのLDUを昨年まで率いていた。チームキャプテンはアルゼンチン人のギニャス、10番もアルゼンチン人のダレサンドロ。国境ガウショ地帯だけあって、南米臭をぷんぷん漂わせています。チームベースは上記二人に、CBファビアーノ・エーレル、MFサンドロ、MFジウリアーノ(いずれセレソンに)、FWアレクサンドロ、FWタイソン(去年は期待された)。チームベースはしっかりしている。不安はFW陣だけ。

 

以上、五つのチームのうち、あっしなりに客観的に見て、コリンチャンスが上手く補強した。ベテランの獲得はともかく、メネーゼス監督がこれまた、いろんな選手を上手くはめ込むタイプ。ロナウドの使い方などは、まさに絶妙。クラブは不思議とリベルタ杯には縁がない、その経験値の無さが、どう左右するかだ。

 

リベルタドーレス杯については、別のエントリーで書きますが、今年も日本で放映されることを期待。

 

それ以外のチームでは、なんといっても、ヨーロッパ移籍日の締切り間際で、サントスに復帰したホビーニョ。あーあ、とうとう、ヨーロッパでダメだったな…ようやく絶頂期を迎えたときに、レアルからマンチェスター・シティに移籍したのが痛かった。だから、プレミアリーグはブラジル・スタイルとはソリが合わないんだって。

 

シティでベンチだったホビーニョはW杯の出場に危機感を募らせていたのも事実。サントスでは希望の若手ネイマールに、大ベテランのジオバーニ(37才、元バルサ、憶えていますか?)と一緒に、黄金時代の復活を目指す。

 

あっし的に面白いと期待していた選手が(宿敵)グレミオのドウグラス・コスタ(昨年のU21W杯に出場)。あいにく、グレミオで完全開花する前に、シャフタール・ドネツクに移籍。グレミオには、少しもったいない取り引き。

 

トスタン師匠が期待するバスコ・ダ・ガマのドリブラー、フィリッピ・コウチーニョも1月にインテル・ミラノに移籍していた。わずか18才で、がつがつのカルチョか、先立つものは金だよな…そのバスコには最後のロマンチスト、ドドが復活した。36歳のドドは「ゴラッソの王様」と呼ばれており、あっしもサンパウロFCでデビューしたころから大好きな選手だ(フランサとドドのツートップってのもあった)。

 


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ドド最高

 

いまのブラジル・サッカーには、数年前の世界の移籍市場を支配した勢いはないが、そのおかげで、むしろ国内ではベテラン勢と若手勢の組み合わせがますます、いい塩梅になってきている。これが、国内需要への転換ですか、鳩山さん。

当面の目標はリベルタ杯制覇ですな。

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追記:サンパウロFC、シシーニョ、ローマから電撃移籍 。ちゃっかりリベルタ杯初戦に途中出場していました。

ここに来て、SPFCが大量投資。噂では、フェルナンドン(現ゴイアス)の獲得に動いている模様。我らの「キャプテン・アメリカ」(インテル・2006年リベルタ杯優勝の立役者)だけはやめくれ…

261 Responses to “2010年/ブラジル・シーズンの顔ぶれ”

  • スブッラ says:

    ドグラス・コスタが移籍したシャフタール・ドネツクですが、攻撃的なブラジル人が多過ぎるような?みんなちゃんと試合に出してもらえるんでしょうか?
    シャフタールが優勝したヨーロッパリーグ(かつてのUEFAカップ)って世界的にはマイナーなブラジル人のアピールの場になっているようなので今年はどんな選手が活躍するか楽しみです。

  • スブッラ says:

    ネイマールの今シーズンのプレイ、ロビーニョが同じ年齢だった時よりもより鋭利で得点力がある印象を受けました。ロビーニョの時のようにおかしなチームに移籍せずのびのびとプレーを続けて欲しいと思います。代理人の名前を見ると物凄く心配ですが。
    それからロビーニョ復帰戦ゴールおめでとう。
    これからこの二人がサントスでどんなプレイを見せるか楽しみです。

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