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PostHeaderIcon ジーコの憂慮

アジア一次予選を通過してほっとしてか、日本代表監督ジーコがブラジルのマスコミのインタビューに応じた。話の焦点は何と言っても古巣フラメンゴの2部リーグ降格危機とロマーリオの引退騒動。


ジーコが栄光時代を築いたフラメンゴはいま全国選手権で19位。たった1ポイントで辛うじて降格圏から逃れている。クラブは選手の給料を数ヶ月分滞納しており、チーム全体に憂鬱なムードが漂う。この状況にたまりかねたクラブ史上最大のアイドル、ジーコが口を開いた。
「フラメンゴはただのチームじゃない、選手達はまだそれを理解していないようだ。給料が遅れているぐらいで不甲斐ないプレーをしてどうする。フラメンゴが降格しても自分たちは違うクラブへ移籍すればいいとでも思ってるのか?それは全国に散らばるフラメンゴ・ファンが許さない」
給料が遅れていれば良い仕事ができないのは当然。この事態を招いたクラブ首脳陣への批判はないどころか、選手にはタダ働きでも死ぬ気でプレーしろ。さもなきゃ、どこまでも追いかけてやる。本当にこれがジーコの言葉なのか疑うばかりだ。フラメンゴのような経営能力のないクラブは一度、二部リーグへ降格してチーム・プラニングをやり直せばどうか。
さらにロマーリオの引退騒動についても語った。ご存じ、ロマーリオは98年W杯で、当時のTD(テクニカル・ディレクター)を務めたジーコと監督のザガロが最後の最後に彼をメンバーから外したことを今も根にもっている。それ以来ジーコとロマーリオは周知の犬猿の仲である。
「ロマーリオには悪いが、ペレの後から出てきた最高の才能はロナウドだ。ロニーは2度W杯を優勝し、準優勝も一度。FIFA年間ベスト・プレイヤーにも3度選ばれている。実績でいえば文句なし一番だろう」と自分を引き合いに出すのではなく、現役のロナウドの肩を持つという牽制ぶりだ。ロナウドもロマーリオとは02年W杯以降仲が悪い。
ジーコの強烈なエゴは今では誰だって知っている。理解に苦しむのは、なぜロマーリオの騒動にロナウドの肩を持って参戦するのか。フッチ・ブログの見方では、ジーコの方がロナウドよりも完全なプレイヤーだ。ロナウドがソリストならジーコは指揮者だ。80年代前半のフラメンゴは美しい音楽を奏でていた。こうしたジーコの行動に彼を慕うものはどう反応すればよいのか。なぜはっきりと、「自分が一番だ」と言わないのか。
ブラジル・サッカーの舞台裏はなんとも複雑である。
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799 Responses to “ジーコの憂慮”

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