マテウスがアトレチコ・パラナエンセに?
ブラジル選手権にドイツ人監督の誕生か?
あのローター・マテウスがアトレチコ・パラナエンセと契約寸前だそうだ。
実現すれば、すばらしい。ドイツ・サッカーとブラジル・サッカーの融合はどんな結果を生む?
80年、90年代ドイツ代表を率いた闘将マテウスは今週、ブラジルに渡り、南部の都クリチーバにあるアトレチコのクラブハウスを訪れた。
マテウスの就任について、アトレチコの会長はまだ交渉段階にあるという。だが、マテウス本人が乗り気マンマンで記者会見に応じた。
契約は1年の見込み。日本のマスコミでも、報じられている(マテウスがダメな場合、今季まで鹿島アントラーズを指揮したトニーニョ・セレーゾの名前も挙がっている)
「世界で最も優秀な選手を輩出するブラジルで仕事することは、私にとっては大きなチャレンジだ」
「ブラジル・サッカーにヨーロッパ流の戦術力をもたらしたい」
「2010年のドイツ代表を率いることが私の最大の夢だが、いまはアトレチコ・パラナエンセだけに集中したい」
「この話を最後に決定するのは、妻だ。彼女がブラジルに来たいといえば、契約成立だ」
あっしはドイツ・サッカーの歴史に詳しくはないが、マテウスの印象は「最後まで勝負を諦めない、闘うサッカー」という感じだ。82年、86年、90年と三度W杯の決勝に進出したドイツサッカーの黄金期を支えた人材の一人。浦和レッズのブッフバルト監督と同年代。
でも最もドイツ人らしいな、と思ったのは、さんざんクラブの会長と交渉を重ねたあとで、「でも、カミさんに聞かないと」で国にトンボ帰り。日本のような男社会では考えられない決定のやり方。マテウスの奥さんは、ちょっとケバ目だけど、モデルのように艶やかなブロンド女性。
アトレチコ・パラナエンセは推定サポーター数100万人、ブラジル南部パラナ州の州都クリチーバで、コリチーバ、パラナ・クラブらと人気を3分する。ホーム・スタジアムは前にも紹介しましたが「アレーナ・ダ・バイシャーダ」と言い、最近では金もらって「キョンセラ・アリーナ?」とかいった、どこか東洋からしゃしゃり出てきた企業名らしい、妙な名前を付けられた。余談ですが、あっしはこの会社が作ったデジカメ使ってます。
99年に完成したこのスタジアムは行ったことないのですが、見るからに素晴らしい。まるで、ヨーロッパのどこかの近代的なスタジアムのようです。唯一の問題は見てもわかるように、観客席のリングがまだ完成していません。現在、2万5千人の収容キャパは、リングが完成すれば、5万人になるという。
そのことはまた、アトレチコ・パラナエンセという10年前まではブラジル・サッカーで中堅クラスでしかなかったクラブが長期的なプランニングのおかげで国内有数のトップチームへと変貌を遂げたことをも意味する。つまり「だるまの目入」ということになる。ずさんな経営が目立つ多くの伝統クラブを尻目に、アトレチコの首脳陣の仕事はまさに、その成果だけを見てもモデルケースといえる。
アトレチコ・パラナエンセ、愛称“フラカォン(台風)”は2001年全国制覇をし、2004年は全国2位、2005年リベルタドーレス杯も2位。今季JリーグでプレーしたFWワシントン(ヴェルディ)やFWルーカス(FC東京)などがチームに在籍した。
このチームとサポーターを育んだクリチーバという街がそもそも美しく、整然とした都市である。写真のように、ゆったりとした古い中心街に近代的な交通網、緑の圧倒的に多い市街地。現在は工業発展が著しいという。街は犯罪も少なく、ブラジルの大都会のイメージを覆すほど住みやすい街である。
あっしも、何度もクリチーバには遊びに行った、女の子は美人でスタイルが良く、肉・パスタ料理が上手すぎる。まあ、サンパウロに比べて人々はちょっと大人しい気もしたが、ドイツ系移民も多いこの地域は、マテウスとご婦人にはもってこいの場所ではないだろうか。
マテウスがブラジル・サッカーと交流すること、それが、この先どんな影響をもたらすのだろうか。ドイツという国はすべて、組織的に物事を進めるところだ。バラックがバイエルン・ミュンヘンから移籍しないのは、06年W杯までに“国営クラブ”バイエルン・ミュンヘンを強く保っておくためだと思っている。
マテウスがブラジルの内情を知ることで、最初に考えたのは、2010年のドイツ代表候補にドイツ人に帰化したブラジル人選手がさらに増えているのではないか、ということ(現在はクラニーがいるが、彼は純正ブラジルでもない)。別に、それはいい話だと思うし、マテウスのお言葉を返すようだが、ドイツだってブラジル・サッカーから多くを学べると思う。だって、いまのブンデスリーガのつまらないこと、つまらないこと。
アトレチコ・パラナエンセの会長の言葉では、「もし、マテウスのような国際サッカーのパーソナリティを呼ぶことができれば、ここ10年の長期計画に弾みがつく」。アトレチコは世界的に名が知れ、未完成のスタジアムは2014年W杯へ立候補するブラジルの有望スタジアムとして工事を進められる。確かに。
来週中には、結論が出るというが、こうした「夢」のある話はいいもんだ。
こんにちはフッチさん。
マテウスの獲得は箔つけでしょうか。
ブラジルがドイツから学ぶ事って組織作りくらいだと思うんですけど。なんか得るものありますかね。会長のコメントもそんな感じだし。
チームの強化の為にはセレーゾの方が良いように思ったんですけどどうですか。
マテウス大好きな選手だったので、成功して欲しいです。気まますぎて無理かもしれないけど。
falvanchaさん、
マテウス好きだったんですかあ(私はドイツ代表でのプレー以外、あまり記憶に無くて)
何はともあれ、ヨーロッパからブラジルに人が来ることは、いいことだと思ってます。
どの国も「外から何も学ぶものはない」という考えになったときが、終わりではないでしょうか。
それに、おっしゃるとおり、組織作りという意味を広義に捉えれば、ドイツ式のチーム・プラニング、ドイツ・サッカーとの提携など数知れない運営面での恩恵があるのは間違いないし、マテウスはFIFAのアドバイザーでもあるそうで、クラブが大きくなるためには、プラスだらけだと思いますよ。
だって、flavanchaさんもご存じのように、ジーコが鹿島に行ったおかげで、いまのアントラーズがあるでしょう。アウトゥオリ監督もリオの出身で、間違いなくジーコ繋がり。
マテウスについては、まだ就任は確定していないし、セレーゾの可能性もありますが、マテウスが一年でもいいからブラジルに居てくれれば、素晴らしいことになると思います。
サンパウロ州のトップチームよりも予算面で劣るアトレチコ・パラナエンセですが、サン・カエターノと並んで運営力で成果をあげた新しいモデルとされてます。
フッチさん東京の西の方にいらっしゃるんですね。僕は前、東大和市に住んでた事があって、よく小学校の校庭で一人でボール蹴ってました。そのときは何も言われなかったんですけどね?。23区内は気をつけないと駄目ですね・・・。
ドイツの件はそうですよね、クラブの運営面だけじゃなくてプレーの面の話でも実になるものを与えてくれますよね。学ぶ事は大切ですよね。ちょっと忘れていましたよ。
マテウスのインテル時代はビデオで見ただけなんですが、15年くらい前にNHKのBSでブンデスリーガの試合を放映していて、バイエルンの試合を見てたら、何か応援してました。
flavanchaさん、
夜、校庭で球蹴ってるとマジやばい。最近、小学生襲撃事件が多発してから、全国的にピリピリしていると思う。
ストリート・プレーヤーになるのも楽じゃないすよ。
あっしが一番好きだったドイツ人プレーヤーはルンメニゲかな、やっぱ。あと、ブライトナー。クリンスマンはロックバンドのボーカルみたいで格好いいなとは思った。まあ、所詮こんなもんです。