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PostHeaderIcon ベレーザ!セレソン

これまでで最高の試合。強敵パラグアイに4対1で勝利した昨日の南米予選の試合は、パヘイラの監督下、はじめて超攻撃的に選手達がのびのびとプレーした。とくに試合開始早々から攻撃陣が積極的にアタックを仕掛けたことに観戦者は例外なく喜んだ。「ペンタカンペアオン(V5)であるブラジル・サッカーにふさわしい試合」と各紙メディアから褒め称えられた、文句なしの勝利だった。
こんなにファンタジックなセレソンを見るのは本当に久しぶりのこと、圧倒的にボールを支配し、パラグアイを自陣のさらに半分までに(グランドの4分の1)縮めこめてしまい、グイグイとワンツーパスを通し、シュートの嵐をあびせた。


なんといってもホビーニョの存在がチームにヴァイブレーションを与えた。よく日本の知り合いに「ホビーニョって、何がいいの?」と聞かれるのだが、この試合ではっきりとしたのは、ホビーニョはサッカーの「楽しさ」をチームに注入する。一つのプレーで観客を総立ちにさせ、試合に火をつけることができる。そんな選手は世界にあと一人しかいない、それはホビーニョとワンツーを繰り返していたロナウジーニョだ。
そんな二人の日陰に甘んじることなく、カカが相手ディフェンダーを切り裂き、アドリーノが3人を引きずってシュートを放ち、ゼ・ホベルトが美しすぎるフェイントでボールをキープし、ロベカルが左サイドを駆け上がる。後半の終わり疲れたホビーニョに変わって、ヒカルド・オリヴェイラも二つばかし決定的なチャンスを演出する。「こんなことやるなら、俺も休暇を返上したい!」とロナウドは言ってるかもしれない。
フォーメーション好きな人には、この試合のブラジルのフォーメーションは2-3-5だったといえる(バルサと同じ)。
                  ロベカル   ロナウジーニョ
     ホッキ・ジューニオル         ゼ・ホベルト
ジーダ              エメルソン  アドリアーノ
     ルシオ                 カカ
                  ベレッチ   ホビーニョ
といった感じ。まったく目立たなかったが、エメルソンの存在がこのフォーメーションに安定感を与えている、と私は思う。
もちろん反省点が無いわけではない。あまりにも攻撃的なのでCB二人とパラグアイのツートップが1対1になる場面が多く(これもバルサと同じ)。ルシオはイエローカード2枚(つまり退場)、ホッキ・ジューニオルも1枚、ベレッチも1枚もらってしまった。大きな攻撃性はディフェンスにシワ寄せが及ぶ。このフォーメーションは今回のようにホームで相手が9人で守ってくる時のための「こじ開け作戦」で、前々からパヘイラ監督がやろうとしていことだと思う。ここになってホビーニョという適任者が台頭してきたため、やっと成功に終わった。もちろん次節(二日後、6月8日)アウェーのアルゼンチン戦ではこれはできないはず(ジウベルト・シウバが入りそうな気がする)。
いよいよアルゼンチン戦に向けて火がついた。セレソンはすでにブエノス・アイレス入りしており、両国はまさに「臨戦状態」。アウェーのエクアドル戦に2-0と敗北し「ブラジル戦に向けて選手を温存した余裕作戦」が裏目にでたアルゼンチンはホーム、エスタジオ・モヌメンタルで絶対負けることは許されない。もしブラジルが勝てばアルゼンチン国民の前でW杯一番乗りを祝うのである、それは彼等にとって、ただじゃすまされない屈辱である。
今日の「ア・ボラ」サイトに元代表選手のシメオニのインタビューが載っていた。「ブラジル戦はどのアルゼンチン選手にとっても、生涯の思い出となる20の試合のうちの一つに必ず入る。互いの誇りをかけた闘い、一銭も貰わなくても絶対に参加したい試合」。ありがとうシメオニ。
ありがとうロナウジーニョ、ホビーニョ。
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