セレソン、05年南米予選へ向けて招集
今月からいよいよ06年ドイツW杯への参加権をかけた南米予選後半が始まる。昨年からの長丁場は年末年始に一端中断されたが、今年3月から10月にかけてまた再開される。今回のセレソンは一気に2連戦の日程が組まれ、相手はペルー(3月27日)とウルグァイ(3月30日)の二チームである。
今週、パヘイラ代表監督によって招集された代表メンバーにはまたも面白い変化が見られた:
招集メンバー:
GK
ジーダ(ミラン)
マルコス(パルメイラス)
SB
カフー(ミラン)
ロベルト・カルロス(レアル・マドリード)
マイコン(モナコ)
グスターヴォ・ネリ(コリンチャンス)
CB
フアン(バイエル・レバークーセン)
ルシオ(バイエル・ミュンヘン)
クリス(リヨン)
ルイザォン(ベンフィカ)
MF
エメルソン(ユベントス)
ヘナト(セビーリャ)
マグラォン(パルメイラス)
ジュニーニョ・ペルナンブカーノ(リヨン)
ゼ・ホベルト(バイエル・レバークーセン)
アレックス(フェネルバチェ)
カカ(ミラン)
FW
ロナウジーニョ(バルセロナ)
ロナウド(レアル・マドリード)
アドリアーノ(インテル・ミラノ)
ホビーニョ(サントス)
ヒカルド・オリベイラ(ベティス)
の22人。今回話題になったのは02年W杯グループのGKマルコスとボランチ・エメルソン(大会前に怪我で離脱)の二人の復帰とホビーニョ、ヒカルド・オリヴェイラ、マグラォン、マイコン、グスタヴォ・ネリなど昨年のコパ・アメリカを優勝したにもかかわらず予備軍とされていた数人が、いよいよ本格的にメイン・グループに呼ばれはじめたことである。
もちろんセレソンの中心選手は変わっていないが、真ん中のボランチの位置にエメルソンがレギュラーになる可能性が高まっている。セリエAファンは現在のエメルソンの安定した活躍を知っているはず。もともとレギュラー・ボランチだったジウベルト・シウバの不調もあり、このポジションはいまオープン状態になっている。 ボランチでは他にもヘナトやマグラォンも呼ばれた。アーセナルで試合に出場していないエドゥは外れた。
GKマルコスの招集は、これまで2ndゴール・キーパーを務めてきたジュリオ・セーザルがインテル移籍後(その後キエーボへレンタル)試合に出場しておらず呼ばれなかったため。パヘイラ監督も日本代表監督ジーコ同様、所属クラブに適応中で試合に出場していない選手は基本的に代表に呼ばない。
SBではカフーとロベカルのサブ探しが周囲の期待どおり本格的になりそうだ。今回は右にマイコンと左にグスターヴォ・ネリが呼ばれた。他にもベレッチやマックスウェル(PSV)などがいるが、彼等のいずれかが活躍するにはカナリア色ユニフォームを着てスタメンで出場する機会が必要だ。ブラジル国内のマスコミの一般の憶測では、W杯への出場が決定した後、過密日程を強いられているカフーとロベカルを休ませる意味で暫く二人は招集されないことが濃厚。今年半ばに開催されるドイツ・コンフェデ杯(日本代表も出場)あたりが微妙だといえる。
中盤の編成はこれと言って変化はないが、いつも不思議に思うのはジュニーニョ・ペルナンブカーノはあれほどリヨンで攻守に活躍しているのにセレソンで印象が薄いのはなぜか。ゼ・ホベルトはバイエル・ミュンヘンで控えにまわっており、ここのままでは来シーズンは別のクラブへ移籍しそうだ。
そしてFWはいよいよ若きホビーニョとヒカルド・オリベイラが台頭してきた。ルイス・ファビアーノやジュリオ・バチスタが外れたのは残念だが、先の二人はロナウジーニョに匹敵するポテンシャルの持ち主だ。
ホビーニョに関していえば、中盤の左右のポジションにも入れるため、ブラジル国内でもっぱら議論されているのは「どのようにして、ロナウド・ロナウジーニョ・カカ・ホビーニョを一緒にプレーさせるか」だ。パヘイラ監督はこの可能性を否定している。セレソンの監督が例えばバルサのライカールト監督だったら、この“スーパー・カルテット”は実現していただろうに。
今回の招集は様々な展開を予想させるが、まず今年最初の2連戦で結果を出すことが最優先であるのは言うまでもない。