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PostHeaderIcon クラッキが決めるとき

CLミラン戦でロナウジーニョが決めた逆転ゴールはいま世界中の話題だ。少なくとも今週は。それまで堅く守っていたミランの守備を一瞬で、一つのフェイントで開いてしまった。クラッキならではの仕事だ。


今季のロナウジーニョは、今年なかばまでの絶対的な存在ではない。本人は今週の記者会見でコンディションが100%でなく「毎試合、どこかが痛い」と吐露していた。彼の表情から笑いが消えている。彼を中心としたチーム作りはかえって彼の肩にとてつもない重圧をかけているに違いない。ちょっとやそっとのプレーではチームを引っ張っていけない、休みたくても休めない。会社で言えば、現場の指揮官、課長あたりの心情か。チャランポランに見えてすごく責任感のある選手である。
だから、ミラン戦終了間際でのゴールのあと狂ったように喜んでいた。そうした全てのモヤモヤ、自分や周囲に対する鬱憤を吐き捨てるように、ポルトガル語で「エウ・ソウ・フォーダ!=直訳:俺ってスゲエ!」を連発していた。
ボールをトラップして、右側に切り込むように体を向けながら、つま先で逆を行く。一連の動きは早すぎて、テレビで観ている者にはスローでしか確認できない。現地で観ていれば立体感があるからフェイントもわかる(だからサッカーは生で観るのが一番なのだ)。カラザンス氏はこのプレーについて典型的なブラジル流フェイントだと絶賛していた。トスタン氏の以前のコラムでは、バランスのとれた守備が相手なら、そのバランスを崩せば良いだけのことである。それができるのがクラッキ。ネスタ1人をかわしてミランの守備に風穴をあけたロナウジーニョに拍手を送る。とっさの左足のシュートはジーダも防ぎようが無かった。
笑顔が戻ってなによりだ
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