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この1週間ブラジルとスペインでそれぞれ話題になったお金にまつわる話。サンパウロでは大衆クラブ、コリンチアンスがMSIという新投資パートナーとともにボカのテベスに180万ドルという桁外れのオファーをしたという。一方、スペインではヨーロッパ・ビッグクラブのうち唯一ユニフォームに企業広告のないバルセロナがとうとうスポンサーマネーに屈するようだ。


ブラジルで1,2番を争う大衆クラブ、コリンチャンスは今月から外資系投資会社MSIと共同でチームの再編を開始した。MSIはまず350万ドルの資金をクラブに注入し、南米市場の将来有望なプレーヤーの獲得を狙う。そこまでは良い話だ。
ただこのMSIという外資系企業のボスがイラン人キア・ユラビキアン(読みが間違っているかもしれません)という人物で、その後ろにはロシア人富豪ボリス・ベレゾフスキーがいるという。キアの素性は明らかではないが、中近東のテロ組織とも関係があるとブラジルの連邦警察からは問題視されている。
ロシア人のボリスはヨーロッパ各地で投資事業を展開しており、ブラジルでもサッカーの投資を皮切りにメディア分野での企業買収を進めると噂されている。ただブラジル政府が最も懸念しているのは、中近東の資金のマネーロンダリング(不正に得たお金を“洗う”こと)にブラジル・サッカーが利用されることである。90年代のパルメイラスに同じように投資したイタリアの食品大手パルマラットが脱税の手段としてブラジル人選手の移籍を利用していたことが、ついこの前明るみになった。
いずれにしても、コリンチャンス側は両手をあげて喜んでいる場合ではない、もしもテロ組織の資金作りのために担がれるようであれば、金で払うことの出来ない代償を負うだろう。テベスへのオファーについてはただのハッタリに過ぎないようである。
一方、こちらは経済的には怪しくないバルサだが、とうとう美しいブラウグラナ(青・赤紫色)のユニフォームに四角い企業名が入ることにそうだ。ヨーロッパ・ビッグクラブでは唯一ユニフォームにスポンサー・マークを付けることを拒んできていたのに。
バルサ会長によるとスポンシング金額はレアルやマンチェスター・ユナイテッドを凌ぐ年間150万ユーロ(17億円程)であり、バイエルン・ミュンヘンに次いで2番目の契約金額だそうだ。ただ、バイエルンが自動車会社オペルのスポンサーを受けているのに対して、バルサのスポンサーはインターネットのカジノ会社。
世界中の子供たちがロナウジーニョのファンタスティックなプレーに喜び、親はネットでベットしてくれという魂胆なのだろうか。クラブにはお金以外の配慮がないように思える。リーガは今季から試合の入場料が値上がり昔からの観客は文句を言っているという背景もあるのだろうか。
この決断は昨年の会長就任後のソシオ決議(バルサの重要会員によって行われるクラブ運営決議)でバルサは“ロマンチック運営”を捨て、ユニフォームの一部を売るというこで下された。これは明らかにライバルのレアルに経済的な差をつけられないための譲歩であった。つまりバルサのユニフォームを汚したのは、レアルだということになるのだろうか。
フッチ・ブログ的にはあのいつも違和感つきまとうスポンサー・ロゴの無いバルサのユニフォームが好きだ。もしこの話がまとまれば、スポンサーが入る前のバルサのユニフォームにプレミアがつくのでは。
ハイ、広告塔のできあがり。
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