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BRASIL 0 x 0 MÉXICO

セレソンについて色々とわかった引き分けだった。

メキシコはブラジルの攻撃の封じ方をよく知っている。

とくにブラジルのサイドバック攻撃のとき4人ぐらいで囲みを作るのが特徴的だ。

ボールを奪えば、速攻に加えてロングシュートを打つようにしていた。ロングシュートは誰だってデビュー戦のジュリオ・セーザルの不安定さを見ればやるだろう。それを実践できるのがメキシコの実力の高さだった。しかし、ジュリオセーザルはいちいちオーバーアクションしすぎ、毎回かっとぶキーパーってあまり好きじゃないんだよな。2010年のオランダ戦の失敗がよほど堪えたのだろうか。

メキシコは前線に二人残して、この二人がブラジルのCB2二人と対峙する形で、ボールを奪えば後方からさらに3人上がってくる。このときセレソンのサイドバックが上がっている状態だとボランチのルイスグスタボともう一人のSBしかおらず、なんと4対5の数的不利(!)。

ラミレスをフッキの代わりに起用した策は失敗だった。ラミレスはカウンターが得意な選手であり、相手が引いているときはフッキのような縦の突破力がない。そこで後半はベルナールが代わりに入った。

しかし、初戦同様、ボランチのところがメッチャ穴になっている。ルイス・グスタボは安定しているが、パウリーニョのところがおかしい…攻守のつなぎ役がこなせなくなっている。

パウリーニョがおかしいのは誰が観たってわかっている。じゃあ、パウリーニョはこれまでのプレーや役割を忘れたのか。たしかに、トッテナムでは一つ高めの位置にいる。だが、そうでもないだろう。チームのスタイルがパウリーニョが孤立してしまう形になっているのではないか。パウリーニョの隣でプレーする選手がいない、オスカルにしろ、ルイス・グスタボにせよパウリーニョとパス交換ができていない。いまどき中盤で囲まれても一人で打開できるボランチなんていない。

トスタン師匠が言うには、ブラジルには守備的MF(ボランチ)と攻撃的MF(メイア・アタカンチ)という中盤で二つのグループが分離してしまい、その両方をこなせるセンターMF(メイア・アルマドール)が育たない、と(もとはダブルボランチで94年W杯を優勝しちゃったパヘイラが悪い)。これはいわゆるブラジルサッカー特有の文化というか問題であり…そこをメキシコに上手くつかれた。

この問題はそんな簡単に解決しない。このW杯で大量得点の試合が多いが、得点力のあるチームは5人で攻め上がっている。そこで相手守備と1対1の関係を瞬間的に作り上げる。けど、セレソンの場合はネイマール、フレッジ、フッキ(ベルナール)とオスカル…の4人、一人足りない。一人足りないのは伝統的にどちらかのSBが上がってくるから。SBが上がればボランチはカバーしなければならない、だからボランチからの押し上げは、とくに相手が強いほど行われない…サイド、サイドへと攻める。

ブラジル史上最高のボランチであるファウカン、あるいはオランダのライカールト、アルヘンのレドンド、フランスのビエラ、体が強く、ドリブルをしながら3,4歩でもう相手陣に入っていけるような選手。そんな選手は簡単に出てこない。いまヤヤ・トゥーレがそうだと言われているが…2010年W杯のフェリペ・メロはいまさらだが、そんなに悪くなかった。

ブラジルが不運なのは、それでも試合に勝ってしまう。ネイマールやオスカルなどは一つのチャンスで得点してしまう。今回はメキシコのGKが阻止した、オチョアめ。しかし、それでも勝っちゃうもんだから、アルマドール不在の問題はままで解決されない。

3戦目はどうなるか。セレソンが失点しなかったのはチアゴ・シウバとダヴィ・ルイスのところが強烈だから…でも例えばオランダのようなパワー&スピードのある攻撃陣だと、毎回勝つことはむずかしいだろう。パウリーニョを外して、オスカル、エルナネス、ウィリアンの三人を並べてみるのも一つかな。あれ、そうしたら一人多くなるっけ?とにかくこりゃ、セレソンのジレンマだね。

試合は結果的にはどうか、メキシコは引き分けて喜んでいたが、勝つ必要があった。なぜなら次はクロアチアと死闘。セレソンはすでに敗退が決まっているカメルーンを相手に一位突破を確実にするために大勝したい。

BRASIL – Julio Cesar; Daniel Alves, Thiago Silva, David Luiz, Marcelo; Luiz Gustavo, Paulinho, Oscar (Willian), Ramires (Bernard); Fred (Jô) e Neymar. Técnico: Luiz Felipe Scolari.

MÉXICO – Guillermo Ochoa; Francisco Rodríguez, Rafael Marquez, Hector Moreno; Paul Aguilar, Hector Herrera (Fabian), Andres Guardado, Jose Juan Vazquez, Miguel Layun; Giovani dos Santos (Jiménez) e Oribe Peralta (Javier “Chicharito” Hernández). Técnico: Miguel Herrera.

CARTÕES AMARELOS – Ramires e Thiago Silva (Brasil); Aguilar e Vazquez (México).

ÁRBITRO – Cüneyt Çakir (Fifa/Turquia).

RENDA – Não disponível.

PÚBLICO – 60.342 pagantes.

LOCAL – Arena Castelão, em Fortaleza (CE).

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