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PostHeaderIcon サッカー観戦雑感

ブラジルW杯開幕も2ヶ月を切ったというのに、ブラジル国内ではなく、ヨーロッパの試合ばかり観ています。(リーガとチャンピオンズとプレミアを中心に、もちろんブラジル人選手が出ている試合に限りますが)

ブラジル国内のチームの試合を観るとイライラします。ミスが多いのです。欧州のゲームを観ると、すごく感心します。力強さ、組織力、基本的なテクニックのレベルの高さ、闘争心、ゴールに直結するプレー、徹底した守備力。なんといっても、チャンピオンズの試合の演出のしかた、サポーターたちの熱気と開催側の真剣度。どれをとっても南米サッカーには無いものです。おじさんには、貴重な時間をブラジルの国内チームの欠点探しに費やしている時間はもう無いのです。

いま感心しているのは、サッカーは人が作るのだな、と。どれだけ多くの才能が身近にあっても、それらが開花できるように最善を尽くさなければならない。そういう意味では、ブラジルサッカーはもう取り返しのつかないほど、才能を見捨ててきた。そして、いまその源泉すら枯渇してしまった。22歳のネイマールの後に誰も出てこない。

才能集団といえば、ここ数年、欧州の支配者として君臨したバルセロナも、黄金世代のシャビ、イニエスタ、プジョルの衰退とメッシの不調と共に、その輝きを失いつつある。バルセロナの誤算は、今後もカンテラから同じような才能が出てくると思ったことだろう。たしかにセスク、ブスケッツ、ピケ、ペドロといった優れた才能が続いた。けど、いまはどうだろう?世界中でスクールビジネスを展開しているからといって、自分自身をごまかしてはならない、バルサだって才能不足の崖の淵にいる。(というか、バルサのカンテラ・ビジネスはけっこう眉唾もの、FIFAが動いたのも頷ける)

とにかく、2008~2011のバルセロナはサッカー史に永遠に名を刻んだ。優れた選手たちを揃え、そこから最大の成果を得ることができたなら、とてもハッピーなことだ。

でも、欧州サッカーは止まらない。今週行われたCLの準決勝2試合では、いかに相手チームの良さを潰すことがファイナルに進むことの条件であるかが証明された。昨年圧倒的な強さでバルサを粉砕して優勝したバイエルンですら、すでに対策を講じられていた。欧州サッカーの圧倒的な競争力、競り合い、そこには欧州ブランドだけが生き残るワールドサッカーの厳しい道がある。(来季CLに参加できないマンUの損失額に注目されたし)

一方で、世界の誰しもがアップルやグーグルといったグローバルトップ企業の社員になれないのと同様、ローカルな世界でのナンバー1決め、つまり、4年に一度のワールドカップが始まる。他人のふんどしであるチャンピオンズでは感じることのできない興奮がそこにある。

10 Responses to “サッカー観戦雑感”

  • トンペイ says:

    すいません・・・・・・
    自分のマラドーナ(とメッシ)に対する不満をぶちまけてしまいました。

    ただ今のサッカー界の資本主義は大きくなり過ぎて限界に来てるんじゃないかと思うのです。
    その中で子供が口をそろえてメッシみたいになりたいと言っているのに薄気味悪さを感じますし
    日本ではマラドーナが直撃世代の人たちにとって錦の御旗になってるような気がします。
    生態系の多様性とかどこ行ったと思います。

  • futblogger says:

    サッカーに限らず、世の中の確立された事象に対して疑問を投げかけるのは良いことだと思います。

    いま、サッカーを見はじめた若い人々は、かつて、南米と欧州ではそれぞれのサッカー文化があり、この二つが世界を二分していことは知らない人も多いのだと思います。
    いまでは、欧州がサッカーの中心地で南米は…草刈り場。
    ブラジルでもブラジルらしいプレーをする選手は年々減って、欧州に移籍できそうなタイプの選手ばかりが育てられています。一方で、欧州の選手達はゲームの進化に上手く適応して、いまではテクニックでもフィジカルでも、そして勝負面でも、他地域に引けを取ることは無くなりました。これがサッカーのなかのグローバル化の一つの帰結ではないでしょうか。

    けど、10年後はどうなっているか分かりません。ひょっとして中国やアメリカあたりに、CL王者をなぎ倒すチームが出現するかもしれませんよ。それもまた、マネーの法則が可能にする新たな下克上かもしれません。その前に、欧州の名門クラブがみな新興マネーに買われている気がしますが…

    そう考えると、いまの欧州の繁栄は、後に「ロウソクの最後の灯り」と言われたりして… グローバル化の激流では、すべてが可能です。

  • トンペイ says:

    こちらの感情の爆発に付き合って頂いてありがとうございます。

    ヘスス・スアレスのコラムにありましたが今スペインサッカーではラジオ局をスタジアムから締め出していたり、子供からも入場料を取るようになったりして大変不誠実なことがまかりとおっているそうです。スアレス氏の息子も「フットボールがつまらなくなった」と嘆いたり、バルサが強かった時はそういう事をしても安心でしたが、今シーズンの崩壊(低迷にあらず)で大変な状況になっています。
    日本人選手のいる、マンU、ミラン、インテルなんかも今の惨状を予見できた人は少ないはずです。
    ペレやジーコといったクラシックなブラジル選手はいなくなりましたが、なでしこリーグなどの日本の女子サッカー選手の技術や頭脳を見てるとyoutubeでしか見れなくなった美しかったころのブラジルの時代を思い出します。
    大きくなりすぎた男子サッカーがふとしたはずみで大爆発、バブルがはじけて何もなくなった。
    そんなときに残っているのが美しい女子サッカーだとしたら・・・・・
    マラドーナは男子サッカーの終わりの始まりであり
    澤穂希は女子サッカーの栄光の始まりであった
    となり本当に評価が逆転しているかもしれません
    僕以外にもそういう事を妄想したりする馬鹿な人間がいないわけじゃないと思っていてくださいw

  • トンペイ says:

    ちなみにウチの近所では男の子は親に連れられてスクールでサッカーをしますが
    女の子はストリートでサッカーをしています。
    こんな所にも男女逆転現象があるのですねw

  • トンペイ says:

    人種差別に関してはアウベスにしてやられちゃいましたねw

    日本人はどんなにサッカーがうまくなってもブラジル人にはかないませんね

  • futblogger says:

    おっと、御無沙汰しておりました。

    ダニ・アウベスの行為については…その後のインタビューで「人種差別はこれからもあるだろう」といった意味の言葉の方に感心しました。

    スポーツって、トップレベルの戦いは美しいけど、そこに行くまでの選手達の道のりは綺麗事では済まなかった。バルサに所属する選手はみなエリート軍団、勝ち組。そこに行ける能力を持った人たちで、様々な競争、障害、差別を乗り越えてきた人たちだから、バナナごときで動じることはないと思います。(NBAでも人種差別発言がありましたが)。

    喜んでその話題に飛びつくのはマスコミなわけで…私は今後もスポーツでは人種差別は終わらないと思いますし(ケニア人はマラソンが強い、という発言も同じですよね?)、いつか日本人選手がヨーロッパのピッチでおにぎりでも投げつけられたら、「ああ、とうとうこのレベルにまでこれたから」と、むしろ喜ぶでしょう。

    人種の違いは生物学的、遺伝子レベルで普遍なのであれば、その違いを持ち出して相手を攻撃する人の意図は別のところにあると思います。
    「人種」という言葉自体が違いを示しているのなら、人はみな同じとみなす「人種差別」という概念そのものを私は疑います。

    とくにスポーツでは人種の違い、身体的な違いをおおいに議論するべきだと思いますし、その弊害もある程度、許容すべきだと思います。もちろん、暴力行為は御法度ですが。

  • トンペイ says:

    フッチさん返答ありがとうございます。
    実は僕、障害を抱えて生きてまして
    働いている店も福祉関連なので差別に関しては敏感になってしまいます。

    日本は他の国に比べて差別ははるかに少ないですが
    みんな同じじゃないとだめなんだ。とかいう風潮がいっこうに改善しないのがイライラしてます。
    差別されてるほうは「ブーイングを浴びてこそ男の勲章」とかたくましく考えているのに分からない日本人の打たれ弱さには閉口してます。

    ちなみにメッシよりテベスのほうが好きなのはそういう図太いところがあるからですw

    チャンピオンズリーグは世界一のヒール、シメオネと極悪軍団アトレティコの活躍にわくわくしてます。

  • futblogger says:

    トンペイさん、そうなんですか。

    私は普通の社会人ですが、自分の知る限り日本の障害者や社会的弱者に対する基本的な扱いは良いのではないか、と思います。もちろん、日本よりも優れた国はあると思いますが。

    最近、海外に仕事に行くことが多く、とくに発展途上国に行くときは、現地でかなりストレスを感じます。そんなとき、日本の良さを改めて認識します。日本にいれば、当たり前のように自分の力で仕事をしていると思っていることも、外国の不慣れな地域に行けば、実は日本では社会基盤が整っていて、人々が互いに仕事ができるように配慮しているから、世の中が動いているのだとわかります。これが、人々が平均的にそこそこ優秀な日本の利点ですね。

    一方で、日本の道徳的な考えは、これは単一民族特有の一律主義というか、多様性という面では許容度は低いですよね。とくに最近、不況の影響なのか、間違ったことをした人を徹底的に糾弾する風潮が強いと感じますね。また、その反動で、優秀な人でさえ「正しいことをしよう」、「正しいことだけをしよう」という一元的な思考になってしまって、大胆さを失っているし…

    ま、あまり、難しく考えずに、家で気楽にサッカーを観るですよ。シメオニが脚光を浴びてますね。

  • トンペイ says:

    フッチさん励ましていただいてありがとうございます。

    『間違ったことをした人を徹底的に糾弾する風潮が強いと感じますね。また、その反動で、優秀な人でさえ「正しいことをしよう」、「正しいことだけをしよう」という一元的な思考になってしまって、大胆さを失っているし…』

    僕もそれを感じます。
    僕みたいな社会的弱者にとってメッシやマラドーナのような神聖不可侵な存在は眩しすぎるのかもしれません。

    その分シメオネ親分の暴れっぷりには胸がすっとします。
    僕にとって彼こそアルヘンティーナを象徴する存在でしたw
    彼とベッカムみたいな関係にあこがれましたw

  • futblogger says:

    アトレティコ・マドリードはそれほどフォローしていないですが、2012年頃のファルカオが居たときの方が破壊力があった記憶がします。好きな選手はラウル・ガルシアですね、彼がスペースを作ってくれるので、ディエゴ・コスタが活躍できていると思います。
    シメオネ監督は見た限り、個性的なチームを作る能力が高そうですね。たしかに彼には、金満ビッククラブはあまり合わない感じがします。

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