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PostHeaderIcon コパ「ブラジル3-0チリ」

ホビーニョ、ハットトリック。
試合を観てない人は、みな、ようやくブラジルがブレイクしたと思うだろう。
実際は、そんなに簡単ではなかったよ。後半30分以降、チリがなんとか同点に追いつこうと、前掛かりになったところで、追加点が入った。
ホビーニョを褒めるとすれば、1点目のPKをあえて蹴りにいったことだろうか。あの勇気が、後の二つの美しいゴールをもたらした。
収穫だったのは、後半、このコパ・アメリカを戦うチームの形がある程度、見えてきた。


チームがグンと良くなったのは、後半、ジュリオ・バチスタをアンデルソンの替わりにトップ下に投入してから。ジュリオ・バチスタは、前任者のジエゴやアンデルソンのようにボールを持ちすぎない、簡単にはたいて、前に供給していく。ここから、ホビーニョやヴァグネル・ラブにどんどん球が渡るようになった。
さらに、ミネイロも高い位置にあげ、バチスタが中盤で身体を張れば、ミネイロがボールを回収していく。ミネイロも縦横無尽に中盤を駆け回り、パスを配給した。
エラーノを下げて、ジョズエを投入した段階で、中盤の構成はほぼ、完璧になった。2点目のきっかけとなった相手守備ライン裏へのロングボールを出したのは、たぶんジョズエ。ジョズエとミネイロは「水魚の交わり」。二人は互いをカバーしながらメチャクチャ動くよ。
やっと、ブラジルの中盤に流動性が見えてきた。ジュリオ・バチスタとミネイロは華麗さに欠けるぶん、前線での守備力も半端じゃない。
チリ戦のせっぱ詰まった状況で、ドゥンガが下した決断が真実だと思うよ。華麗なるメイア・ジ・リガソンを駆使したチームは、このコパ・アメリカでは作れない。けっきょく、ロナウジーニョとカカの代役はいないってこと、(正直、くやしいけど)。
ジウベルト・シウバは相変わらず、何してんのかよく分からない。チリのスアソって選手は面白い。パワーがあり、身体の使い方が独特で、アドリアーノにちょっと似てる。昨季はコロコロで70ゴールだって。
それにしても、セレソンの戦術は「ホビーニョにボールを持たせて、どうなるか」のみ。
ドゥンガの問題は、選手の特色をそんなにつかめていないような気がする(もちろん、プロレベルでの話)。昨年のアルゼンチン戦でのエラーノと、いまのエラーノは違う選手のよう。CBアレックスは、マイコンの駆け上がりのカバリングに難がある。もともと、それぞれのクラブでやっていない役割に違いない。
ミネイロの役割も良くないと言ったが、昨日は少し改善がみれた。ミネイロは鼠のように動き回って守備をし、ちょこまかと攻撃参加する選手なんよ。
次戦はエクアドル戦。ブラジルにとっては難敵。メヒコとチリの結果に頼らないためには、エクアドルには勝つ必要がある。むしろ、エクアドル相手に、新しいチーム構成の可能性をぶつけてみることだ。
ホビーニョ、ホビーニョと浮かれるのは、マスコミだけでいい。

951 Responses to “コパ「ブラジル3-0チリ」”

  • マリットン says:

    初めまして。ここ数ヶ月南米に魅せられています。
    セレソンの守備力ってやっぱり低いと思います。
    正直、セレソンにもマスチェラーノみたく優れたアンカーが欲しいですね。
    CBアレックスは、スピードスターにガツガツやられてますね。
    かと言って、カバーリング技術に優れたアンカーいないし。
    今大会はフアン中心で回すような感じなので、パートナー選びをやってる最中なんでしょうが…
    本気で召集したと仮定したら、CBはルシオ+フアン以外に思いつかないです。
    やっぱり、ルシオ+フアンで本当に本当に重要な試合は臨むんですかね。
    宿敵Argentinaと言えば、マスチェラーノ、カンビアッソでしょ。CBはG・ミリトとアジャラ。
    個人レベルで見てもセレソンと違いすぎ…
    セレソンが本気メンバー揃えても、Argentinaぐらいな守備のタレントいないですよね…
    06W杯のときみたいな、グダグダなセレソン再現だけは止めて欲しい。
    機能しないタレント揃えるのも限界。
    これから誰かが化けるのを期待して底上げをしていく予定なのかな?
    誰かブラジル国内にお勧めなCBとかアンカー的な役割の選手いますか?

  • フッチブログ says:

    マリットンさん、はじめまして。
    よく観察されてますね。
    アルゼンチンの完成度とセレソンのそれとのコントラストが目立ちますね。たった、1年前は、「史上最高のチームかも」とヨイショされまくったブラジルなのにねえ。
    これも、ひとえにドゥンガの責任。あえて、付け加えれば、ヨーロッパの地でしか親善試合ができないセレソンの現状、つまりヨーロッパ・クラブの横暴も要因のひとつ。
    CBに関しては、今回はアレックスに賭けたということ。ほかにも、ナウドやアレックス・シウバが帯同していますが、あくまでもアレックスしか使わないよう。本番では、ある意味、正しい判断だと思います。
    問題は、いとも簡単にCB2人と、相手FWとが1対1になる局面が多いと思えること。これは、パヘイラ時代にはあり得なかった。なぜだろう?原因は複数あると思いますが、とりあえず、エクアドル戦を観てから。
    >セレソンが本気メンバー揃えても、Argentinaぐらいな守備のタレントいないですよね…
    それは、どうかな。ルシオ+フアンを除いても、ヨーロッパには、ナウド、ルイゾン、ファビアーノ・エーレルとか。あっしが好きなCBはリヨンのクラウジオ・カサッパ。
    ブラジル国内にいるCBについては、最近、あまり観てないから、思い浮かびません。
    問題は、彼等の長所をどう上手く組み合わせるか。アレックスの場合はスピード系ではないから、ファースト・チェックをやってはいけない。それをあえて、やらせるドゥンガに落ち度がある、という見方です。アレックスの長所は身体の絶対的な強さ、空中戦の強さ、ロングフィード。
    ブラジルの選手はひょんなことから調子が上がるから、これも不思議です。
    とにかく、エクアドル戦でまた一つの結論が出るはず。

  • かぼん says:

    今回のセレソンは、何かもの足りないって考えてたんですけど
    そう言えば、セレソンはいつの時代にもFKスペシャリストがいましたが、
    今回はこれっていう選手がいませんね。
    せっかくゴール前でロビーニョとかが倒されても
    誰が蹴っても入る気がしません。アレックスとか強いボールを蹴りますけど
    ロベカルとかに比べると精度がまだまだな感じがします。
    ジュニーニョのFKをもう1度セレソンのユニフォームで見たかったとみんな思ってるんじゃないでしょうか。

  • フッチブログ says:

    かぼんサン、こんにちは。
    もの足りないですねー、いろいろと。
    昔は、ヨーロッパ帰りでも、寄せ集めでいいコンビネーションしてた。戦術なんかいらないような雰囲気。選手達にはっきりとした意志があった。
    いまは、みんな監督の顔色をうかがってプレーしているような…「僕は貢献してます!」って、手を挙げて発言するためだけに。なんか日本の教育のような…関係ねえか。
    ロマーリオが排除された98年ごろからかな…ヒール役がいなくなった。
    それはさておき、ジュニーニョ・ペルナンブカーノはもう「若手にゆずる」といってセレソンを去っていきました。誰にゆずるっての?あの超絶フリーキック。スネークボンバー
    と言っている矢先に、一人後継者がいるので紹介しときます。
    アンドラージ、中盤。現在、ポルトガルのブラガ所属、サントス移籍の噂あり。昨季まではバスコ・ダ・ガマ、つまり、正当なジュニーニョ後継者。
    ゆうちゅうぶ:
    http://www.youtube.com/watch?v=oewAHnBYvSY
    昨季UEFACupでのトッテナム戦のFKもいい。

  • ポンタ says:

    フッチさん、はじめまして。いつもすばらしい情報楽しく拝見させていただいています。
    なんだかセレソンの迷走が始まったような気がしてきました。
    昔は選手たちに意志があっていいコンビネーションだったっていうのすごくわかります!
    昔はヨーロッパのクラブでプレーしている選手は少なかったですが、たとえクラブでたいした活躍をしていなくてもセレソンでは結果を出していたと思います。今はまったく逆ですね。クラブではアンタッチャブルな活躍をしていてもセレソンではしぼんでしまう。
    戦術重視の時代からか、それとも選手の代表に対する意識がかわったのか、ただ単に監督が悪いのか、とにかく今のセレソンはまったく先がみえません。
    せっかく今も昔と変わらず、才能あふれる若手がどんどん輩出されているのに…。

  • フッチブログ says:

    ポンタさん、はじめまして。
    ブラジル国内では、今回、辞退を申し出たカカとロナウジーニョに非難ゴウゴウです。
    「25歳前後の選手が、”疲労”が心配って、俺の時代にはなかったぞ」とは、70年W杯優勝メンバー、パウロ・セーザル・カジュー。
    ブラジル人選手自身がコパ・アメリカを格下の大会と見るようになってしまった。アルゼンチン人選手とはエライ違い。
    >戦術重視の時代からか、それとも選手の代表に対する意識がかわったのか、ただ単に監督が悪いのか、とにかく今のセレソンはまったく先がみえません。
    見えません。というか、薄々みえはじめているのが、ブラジルはいま、あまりいい選手が育っていないということ。
    とくに中盤にいい守備と攻撃ができる、デコのような選手がいない。たぶん憶測ですが、ヨーロッパ市場の需要に合わせて、アタカンチかボランチの2タイプしか”生産”されなくなったせいかも。
    あっしの個人的な好みで、この手の選手が好きなんですが。いま、セレソンで誰がいるだろう?エラーノがそのタイプの選手かと思ったけど、このコパ・アメリカでの彼の存在感の無さには落胆。カカとロナウジーニョが居ないんだから、自分が前に行って試合決めてくりゃあいいのに…
    ミネイロ、ジュリオ・バチスタ、ジウベルト・シウバ、ジョズエ…彼等に頼らざるを得ない。セレソンもかなり落ちましたよ。
    ヒカルジーニョが観たい。
    アルゼンチンでは、サポーターはカンビアッソじゃなくて、アイマールがいいらしい。あちらは、逆の訴え、贅沢だなあ。

  • かぼん says:

    アンドラージのFK初めて見ました!
    キーパーの前で全盛期の野茂のフォークみたいに
    グッと落ちますね。
    こんな無名な選手がこんなすごいFKを蹴るなんて
    まだまだブラジルはサッカー王国で
    あり続けるんじゃないですか
    頑張れ!ブラジル

  • フッチブログ says:

    がぼんサン
    アンドラージ気に入ってくれましたか。
    全盛期の野茂のフォークみたい…いいですね。
    テレビカメラだと弾道の変化とスピードがいまいちつかめないけど、
    生で観れたら、感動モノでしょうね。

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