断崖の下から
先週、4月24日に行われたブラジル2-2チリ戦について書こうと思ったんだけど、その直前にCL準決勝1stLeg「ドルトムンド×レアル」を観てしまったから、何て書いて良いのかわからなくなってしまい1週間以上が経った。
残りモンだらけの晩飯を食べる前にデザートのプリンを食べてしまったような気分だ。
ドルトムンドとレアルの真剣度、迫力、切磋琢磨に比べたら、国内組で結成したセレソンの不出来といったら…いや、そんなことを書いたらチリに失礼だよな。チリのサッカーは2010W杯のビエルサのチームを引き継いだ、中盤の両側によく動くサイドMFを置いた特徴的なスタイルを確立した強いチームだ。ビエルサはバルセロナより数年も前に、いま流行の前線から人数をかけたプレスを確立した人物だと思っている(コパアメリカ2004、アテナ五輪2004)。
新生ミネイロン・スタジアムのピッチに立ったセレソンだが、チリの方がチームとして、戦術として上だった。チリも国内組だけで編成された準レギュラーチーム。客観的に見てセレソンは何も目新しいものはなかった。
フェリポンのチームはかつて2002年W杯を優勝したときのような結束や意気込みも見られず、二人のボランチがフィールを番犬のように駆け回るだけの、スペースだらけの、カビくさくて、ありきたりなゲームだった。後半になるとサポーターまでもが“惜しみなく”チームにブーイングを送った。ホームにも関わらず、相手チームに支配されるセレソン。とうとう、ここまできたか。ある意味感慨深い。
この試合の一番の成果といえば、とうとうシンパまでもがネイマールに対する堪忍袋の緒が切れたことだろう。少し厳しいマークに遭うと何もできないどころか、すぐさま倒れ込む演技派、ポップスター気取りの坊やをなぜ90分間使い続けるのか?スポンサーがらみとしか考えられない。
試合後、前代表監督のマーノさんが「だから、ネイマールにはヨーロッパに早く行って激しいサッカーに慣れるようにと助言したのに」と発言していた。加えて、バルサのCLでの屈辱的な敗退を受け、補強を必要とするバルサへの移籍が注目されはじめたネイマールだが、本当に欧州でつとまんのか?
ネイマールに関しては才能だけで言えば、おそらくブラジルサッカー史上でも類を見ないピュアな才能だ。こんなに華麗な選手は見たことがない。でも、それがアダとなっているともいえる。華麗すぎる、綺麗すぎる、そして繊細すぎる。
BRASIL 2 x 2 CHILE
BRASIL – Diego Cavalieri; Jean (Marcos Rocha), Réver, Dedé (Henrique), André Santos; Ralf (Fernando), Paulinho, Jadson (Oswaldo), Ronaldinho; Neymar e Leandro Damião (Alexandre Pato). Técnico: Luiz Felipe Scolari.
CHILE – Johnny Herrera; Alvarez, Rojas, González, Mena; Leal, Meneses (Muñoz), Reyes, Cortes (Fuenzalida); Rubio (Figueroa) e Vargas (Robles). Técnico: Jorge Sampaoli.
GOLS – González, aos 7, e Réver, aos 24 minutos do primeiro tempo. Neymar, aos 9, e Vargas, aos 18 minutos do segundo tempo.
CARTÕES AMARELOS – Ronaldinho, Alvarez, Muñoz, Fernando.
CARTÃO VERMELHO – Leal.
ÁRBITRO – Carlos Amarilla (PAR).
RENDA – R$ 3.255.205,00.
PÚBLICO – 53.331 pagantes.
LOCAL – Estádio do Mineirão, em Belo Horizonte (MG).