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PostHeaderIcon セレソン招集とフォワードたち

先週5月19日、パヘイラ監督は6月の南米予選2連戦とドイツ・コンデフェレーションズ・カップに向けてセレソンを招集した。メンバーは以下のとおりで、いよいよワールド・カップ本戦(行けば)を見据えたグループが呼ばれたといえる。


招集メンバー:
GK:ジーダ(ミラン)、マルコス(パルメイラス)、ゴメス(PSV、コンフェデ杯のみ)
CB:フアン、ホッキ・ジューニオル(バイエルン・レバークーセン)、ルシオ(バイエルン・ミュンヘン)、ルイザオン(ベンフィカ)
右SB:カフー(ミラン、南米予選のみ)、ベレッチ(バルセロナ)、シシーニョ(サンパウロ、コンフェデ杯のみ)
左SB:ロベルト・カルロス(南米予選のみ)、ジルベルト(ヘルタ・ベルリン)、レオ(サントス、コンフェデ杯のみ)
ボランチ:エメルソン(ユベントス)、ジウベルト・シウバ(アーセナル)
MF:ジュニーニョ・ペルナンブカーノ(リヨン)、ゼ・ホベルト(バイエルン・ミュンヘン)、カカ(ミラン)、ロナウジーニョ(バルセロナ)、ヒカルジーニョ(サントス、南米予選のみ)、アレックス(フェネルバチェ、コンフェデ杯のみ)
FW:ロナウド(レアル・マドリード)、ヒカルド・オリヴェイラ(ベティス)、ホビーニョ(サントス)、アドリアーノ(インテル)
今回はジウベルト・シウバとエメルソンの本職ボランチを二人だけ呼び、ヘナト(セビーリャ)、クレベルソン(マンU)、マグラオン(パルメイラス)を外した。これは、前回のウルグァイ戦同様、2MF(カカ+ロナウジーニョ)、2ボランチ(エメルソン+ゼ・ホベルト)にする可能性が高い。
サイドバックは予選の後カフーとロベカルを休ませ、コンフェデ杯ではこの二人の補欠候補を本格的に試すようだ。シシーニョが絶好調でマイコン(モナコ)が外れたのは残念。実験が嬉しい結果に終われがいいが。アレックスとヒカルジーニョは中盤の最後の枠を争っている。セビーリャのバチスタがいないのが寂しい。フォワードはこの4人でほぼ決まりだが、ブラジル国内では「グラフィッチを試せ」の声が強まっている。
セレソンの日程は次のとおりで、ここ一月は南米予選の突破がかかった重要な2試合とW杯開催地で行える絶好の試運転といえるコンフェデ杯を戦う。
5月31日 選手合流
6月5日 南米予選ホーム、対パラグアイ戦
6月8日 南米予選アウェー、対アルゼンチン戦
6月15日〜6月29日 ドイツ、コンフェデ杯
だが、何事も簡単にはいかないのが代表レベルの招集。今回は海外と国内クラブ両側から大ブーイングが生じている。たとえば攻撃の5人、ロナウド、ロナウジーニョ、アドリアーノ、ヒカルド・オリヴェイラ、ホビーニョは全員スケジュールの問題を抱えている。
ロナウドはリーガ終了後からプレ・シーズンまでの一月を休みたいとパヘイラ監督に直訴し、コンデフェデ杯に出たくない意志をほのめかした。
ロナウジーニョはセレソンでやる気満々だが、バルサ側が日本ツアーに連れて行けなくてラポルタ会長は激怒している。噂によるとロナウジーニョが日本に来なければ、契約額が4千万円ほど減るらしい(ベレッチも同じくセレソン、エトォもカメルーン代表で来日しない)。
アドリアーノはイタリア・カップの決勝戦(6月12日、15日)とコンフェデ杯の日程がかぶってしまい、本人は(セレソンでベンチ・ウォーミングするよりも)インテルでタイトル獲得に貢献したい意向をマスコミに述べ、クラブもCBF(ブラジル・サッカー連盟)に正式にアドリアーノの招集免除を要請した。
ヒカルド・オリヴェイラは6月12日、アルゼンチン戦後のドイツ現地入りの期間にスペイン国王杯の決勝戦を控えているため、パヘイラ監督と日程を交渉中。
ホビーニョも一月ほどセレソンに帯同するため、現在進行中のブラジル選手権(サントスは現在首位)とリベルタドーレス杯決勝ステージの両方に出れない。サントスのフロントはCBFと交渉中だが、はたしてどうだか。サントスはレオとヒカルジーニョも招集されている。
サントスだけでなく、サンパウロ(シシーニョ)とパルメイラス(マルコス)もブラジル選手権とリベルタドーレス杯に参加している(ただし、現在この2チームがベスト16で当たっており、今週どちらかが敗退する)。とくにサンパウロはセレソンとU20代表(世界ユース)合わせて主力選手5人が招集されており、すでにスタメンがズタズタになっている。
南米ではそれぞれの大会が中盤に差し掛かるころで、今回の招集はシーズンオフのヨーロッパクラブよりもブラジル国内のクラブの方が、選手数は少ないが、不条理を強いられている。これでわかるとおり、コンフェデ杯や世界ユースはヨーロッパクラブのカレンダーを優先している。
パヘイラ監督はいまのところ特定の選手を免除しないと繰り返し公言している。「これまで何度もクラブ側の意向を聞いてきたが、来年にW杯をむかえた今、セレソンの権利を優先させてもらう。コンフェデ杯は2年前から決まっているFIFAの正式大会。各国の協会はそれを踏まえてカレンダーを組むべきだった」と強く語っている。ある選手に例外を与えれば他の選手が一斉に主張しはじめる危険性が今回は高すぎて、どうなるか分からない。
しかしまあ、セレソンの試合を組むのに、こんな難儀な時代がやってくるとは。パヘイラもお手上げ!
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