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PostHeaderIcon レアルがクラシコに勝利、ルシェンブルゴ監督、首の皮一枚でつながる。

レアルとルーシャにとっては今季最後のチャンスだった。リーガをバルサの手中に渡すのか、最後の抵抗を見せるのか、レアル・マドリーに監督として残れるのか去るか。
この手の試合はブラジルでは「6ポイントの試合」と言われる。つまり試合前までレアルに9点の差を付けていたバルサが勝てば、その差を12点にし、はたまたレアルが勝利すれば差は6点に縮まる、つまり結果いかんで6点の違いが生じる。


バルサが勝てば、残り7試合で12点差をつけ優勝のカウント・ダウンに入る。たとえ敗北しても6点差は実に優位な状態にかわりはない。ただ、この試合に注目した世界中のサッカー・ファンたちが知るとおり、この試合はそれ以上の意味を持つのであり、たとえレアルが最下位でもバルサにホームのサンチアゴ・ベルナベウで負けるわけにはいかない。
マドリジスモ(Madridismo)とバルセロニスモ(Barcelonismo)の対決は骨肉の争いである。部外者としてはこれ以上のウンチクは避けたいが、あえて比較するなら、あるブラジルのコラムニストが使った、ブラジルとアルゼンチンの対決は「カラマーゾフ兄弟の決闘」だといった文学的な表現をそのまま当てはめたい。つまり、これはスポーツといった限られたジャンルで捉えていては形容しきれない対決だということだ。
今回、フッチ・ブログが注目したのはレアルの監督ルシェンブルゴだ。本人も承知のとおり、このエル・クラシコが彼の最後の見せ所であった。今年1月レアルに就任してから、彼は国宝杯およびCLで敗退し、チームは2位を堅守しているものの首位バルサとの差を一向に縮められない。もし、ホームのサンチアゴ・ベルナベウでバルサに敗北すれば、最大のライバルにリーガを献上するといった屈辱的な結果となるため、ファンは黙っていなかったろう。慣れない異国の地で経験する、この巨大なプレッシャーは想像を絶するものだったに違いない。
「結果は二つしかない:勝つか、勝つことだ」といった雰囲気のなか、彼は「オレがやらないと、やられる」といった窮地に追い込まれていたはず。そして最初の決断は「今季ずっと好調を維持してきたオーウェンをトップに使う」。ニ番目の決断は「ジダン、フィーゴ、ラウール、ロナウド、ベッカムの誰を外す?しょうがねえ、ここはフィーゴだ」となった。
試合の2日前の非公開練習で新しいフォーメーションを試してみたが、わずか数十分でマスコミはフィーゴがベンチ入りすることをすっぱ抜いていた。ルーシャはその日の記者会見では「クソ、誰も信用できない」とぼやいていた。
試合の結果は周知のとおり捨て身のレアルがバルサの支配に耐えながら、効率的に得点を叩きだし、4-2と大勝を収めた。レアル側はオーウェン、ロナウド、ジダン、ラウールの4人が得点し、ルーシャの狙いどおりの働きをしたのである。ルーシャはこの栄光の勝利のおかげで首の皮一枚でつながり、6点差となったバルサへの追撃に余力を得たのである。たとえ優勝しなくてもファンはこの1勝を感謝し彼の残留を望むだろう。
土壇場の決断で外されたフィーゴはこれで今季以降レアルを去るに違いない。ルーシャは試合後の会見で「私の決断に明らかに不満を表した人達もいる。彼等は試合前に私に執拗なプレッシャーをかけてきた」と言っている。フィーゴはもちろんだが、それ以外は誰だかは分からない。結果は紙一重の勝負でルーシャが生き残り、ガラクティコ・チームの一角が崩壊したのである。これはカマーチョ時代から必然なこととされていた。レアルは変化が必要なのであり、もう元には戻らないだろう。
ブラジル・サッカーが誇る“サッカー人”ルシェンブルゴ監督はまだいけそうだ
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890 Responses to “レアルがクラシコに勝利、ルシェンブルゴ監督、首の皮一枚でつながる。”

  • Blog de 08 says:

    そしてクラシコ。

    レアルマドリー 4-2 バルセロナ
    07′ [1 – 0] Z. Zidane
    20′ [2 – 0] Ronaldo
    29′ [2 – 1] S. …

  • jumpin says:

    こんにちは
    昨年ベルナベウでバルサに負けたのはホントにショックでしたので今年負けていたら、大変なことになってたかもしれません。すごいプレッシャーだったと思います。
    このクラシコでの決断で前々からルシェンブルゴ監督が「スタメンをいじりたいがそうもできない」とぼやいているらしいという噂がありましたが、案外ほんとだったのかもと思いました。
    勝負師ですよね、監督は。
    (このピンクのシャツが似合いますね。)

  • フッチブログ says:

    別のエントリーですが、
    ルシェンブルゴが本当にいじってくるのはボランチだと言いました。
    そしてとうとう、グラベセンのサブにボルハが当確したようです。(昨日の試合です)これには驚きました。
    確かにグティはアタッカーですからボランチはちょっとキツイ感じでしたが、彼の将来は?
    あとジダンの位置を徐々に変えているらしいですが、何か気付きましたか?

  • jumpin says:

    ボランチはマケレレが去ったあとの課題だったですもんね。(できればボランチはエルゲラに戻って欲しかったですけどね。)
    グティはそもそもFWですしね。
    今の状況ではジダンらのバックアッパーにならざるを得ないのかもしれません。
    ジダンのポジションですか。
    この間までは左サイドでしたけど、ある程度自由になってるようですね。
    デルボスケ時代もジダンは一応左でしたけどもセンターよりのポジションで自由に動いていたので
    憶測ですが
    監督もジダンが自由なほうが彼の能力を最大限に生かせると考えているのではないでしょうか。
    それから、今日のボルハ起用みたいに、ルシェンブルゴ監督がカンテラ出身をスタメン起用するのはチーム内が活性化されるのでガンガン起用してほしいですね。

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