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PostHeaderIcon 2004年の終幕はさらなるビッグ・チャレンジ

2004年のブラジル・サッカーはオリンピック予選敗退からはじまり、コパ・アメリカ制覇、ロナウジーニョのFIFA年間ベスト・プレイヤーそしてサントスの全国制覇で幕を閉じた、と思っていたら、なんど最後の最後でサントスの監督ヴァンデルレイ・ルシェンブルゴがレアル・マドリードの監督に就いたという衝撃的なニュースが待っていた。


まだ情報が少ないものの、ブラジル・サンパウロのGazeta Esportivaのソースと今日スペイン・マドリードで行われたルシェンブルゴ監督の記者会見などの様子から、まず本人が言う「この24時間で決断した」のとおり、レアルの突然の正式オファー(前から打診の噂はあったが)に本人が即答で応じた、ということらしい。
ルシュンブルゴ監督は先週サントスと契約更新を済ませたばかりだった。サントスとの契約破棄についは、ルシェンブルゴはおととい、サントスの会長マルセロ・テイシェラと会合し「レアルから監督のオファーがきた。自分の夢だった仕事だ。でも、あんたとの約束がある。行くなというなら、ここに残る」と言ったそうだ。ルシェンブルゴは非常に感情的になっていたという。だがそこは、ペレを要した名だたるビッグ・クラブの会長で「じゃあ、ブラジル・サッカーの将来のために頑張ってきてくれ」と温かくルーシャ(ルシェンブルゴの愛称)を送り出してやったそうだ。
ルシェンブルゴの成功についてはスペインのメディアやサポーターは否定的だ。今のレアルに対する失望感が大きいためだろう。しかし、ルーシャはこうした落ち目のビック・クラブを立て直すことに関しては名人と言える。今年のサントス、去年のクルゼイロ、2年前のコリンチャンスがそうだ。だからブラジル人サポーターたちはルーシャはヨーロッパで必ず成功すると信じている。
なんといっても、トスタンがベタ褒めするようにルーシャのチームは一番攻撃的で守備のバランスが良い。レアル入りは80年代後半のスーパー・ミランを作ったあのアリーゴ・サッキの推薦だから、なお喜ばしい。もちろん、実際はどうなるかは誰も知らない。ただ、こんなに身震いした移籍話はロナウジーニョのバルサへの移籍以来だ。いや、それ以上だといえる。
今回はちょっとプレーヤーの移籍とは比較できない。なぜなら、ブラジルで一番の実力を持つ監督(ルーシャは唯一5度の全国タイトル・ホルダーで名将テレ・サンターナの通算勝利数を抜いて歴代トップとなった)がもしヨーロッパで成功すれば、ワールド・カップ、個人プレーヤーに続いて監督という部門でもブラジル・サッカーの優位性を世界に示せるのだ。その効果は計り知れない。
しかし、これは一番困難なことでもある。すでに現役代表監督のパヘイラもバレンシアで失敗している。いま唯一ヨーロッパで実績を残しているのは、ご存じポルトガル代表監督のフェリペ・エスコラーリ監督だけだ。ルーシャ自身、人生最大の賭けに出たといってよい。
勝負はこれから始まる、ブラジル・サッカーを背負ったルーシャのサッカー観がヨーロッパでどこまで通じるのか。フッチブログも来年のリーガそしてチャンピオンズ・リーグからますます目が離せなくなる。
レアルの新フロント:スポーツ・ディレクター(兼クラブ副会長)ブトラゲーニョ氏、ルーシャ監督、サッカー部門GM:アリーゴ・サッキ氏。
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彼等そしてサッカー好きのすべての人々にビッグな2005年を祈る。

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