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PostHeaderIcon ガヒンシャの息子の怒り

この話には泣けた。
1959年、ボタフォゴのチームがスェーデンに遠征に行ったとき、ガヒンシャと現地の女性との間にできた息子が先週、ブラジルを訪れた。
はじめて訪れる父の祖国に期待いっぱいのウルフ・リンドバーグ(46才)さんが向かったのは、もちろん父の墓。だが、彼はそこで見た光景に愕然とした。
「この墓地の片隅に見捨てられた、みずぼらしい墓が父のものなか。父はブラジルの英雄ではなかったのか?」


ガヒンシャが生まれ、死後、埋葬されたリオの田舎町パウ・グランデを訪れたウルフさんはブラジル・サッカー界の英雄で、父でもあるマネ・ガヒンシャのちっぽけな墓をみて、
「この国は、英雄をちゃんと祀らないのか?まあいいや、俺が父のためにここに立派な墓を建ててやる」と言ったそうだ。
ウルフさんには、本当に申し訳ない。
その後ウルフさんは町に住むガヒンシャの8人の娘たちと会ったそうだ。ガヒンシャは無二の女好きで有名で、知られているだけで13人の子供がいる。そのうちの一人がウルフさん。
ガヒンシャの娘たちはウルフさんを見て「父とウリふたつ」と言っていたらしい。ウルフさんも兄弟との再会に感激していた。町中の人がガヒンシャとウリ二つのウルフさんを見に集まったそうな。
ウルフさんはリオのボタフォゴのクラブ・ハウスも訪れ、そこでブラジル・サッカー史上最高の左SBといわれるニウトン・サントスと会った。ニウトン・サントスはチームの先輩格としてガヒンシャの世話をしてやったことでも有名。
「よかった。父のことをこんなに良く思ってくれる人たちがいて」と、やっと喜んでくれたようだ。
ウルフさんは旅に息子のマーティン君16才を連れてきていた。ガヒンシャの孫はサッカー選手を目指しており、夢は将来スェーデン代表の選手になりセレソンと対戦することだと語った。
ウルフさん親子は最後にリフォーム中のマラカナン・スタジアムを訪れた。父を含め歴代の名選手たちが飾られたホール・オブ・フェームを歩いていると、居合わせた作業員や訪問者に囲まれ「ガヒンシャそっくりじゃないか」と言われた。まさに、ここマラカナンで“大衆の喜び”と称されたガヒンシャの面影を探ろうと、人々は興味いっぱいにウルフさんを囲んだ。
そんな大衆との触れ合いに「やっと、父が国民全員に愛されていることが理解できた。ブラジルに来てよかったよ。ここには何度も来たいね」と言い残していった。よかったよ、ほんと。
ブラジルでは「第二のペレ」といつも噂されるけど、「ガヒンシャはもう二度と生まれない」と言われてるんだよ。
これがウルフさん。
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これがペレとおっとさん。
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