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PostHeaderIcon 小説家が見たレアル・マドリードの苦悩

ブラジルでは多くの作家がサッカーについて書く。なかでも一番有名で、火付け役とさえ言われるのが故ネルソン・ホドリゲス(Nelson Rodrigues)。彼については、日本では知名度が少ないが(訳しにくいのが原因だと思う)今のところブラジル文学の最高の作家だと述べておこう。その話は別の機会にするとして、今週、オ・グローボ紙に作家ルイス・フェルナンド・ベリッシモがレアル・マドリードについて書いた。


“世界一のプレイヤーたちが集まったチームが一つもタイトルを獲れないのは、理屈的におかしいのだが、人々は心理的な要素を見落としている”とはじまり、“理想のチームはもはや現実の相手と戦うのではない、彼等は観客が想像する理想のゲーム、自分達が求める夢のプレー、これらと戦っている。だから現実の目の前にいる平凡な相手チームが攻めてくるのを見て、なぜこいつらは自分たちの足下にひれ伏さないのだろう、と首をかしげるのだ。”
なるほど、しかし“理想のゲーム、夢のプレー”はフッチ・ブログや世界中のサッカー・ファンが永遠に求める瞬間である。イタリアではそれができる選手のことをファンタジスタと称号する。
ベリッシモは更にこう付け加える。“ファンタジックなプレーをするには、誰かが汗をかいて相手からボールを奪ってくれないと始まらない。この認識を忘れてはならない。たとえ相手ディフェンダーが当たりにきた瞬間、自分の足の資産価値に対し、そのタックルを受けるべきか否かの勘定能力に優れていたとしてもね”
ベリッシモは冷ややかなユーモアで有名で(現代のマシャード・デ・アシスと言われる)、サッカーに対する見方も偏見だらけで独断的、批判精神にブレがない。フッチ・ブログが好む作家の1人だ。彼のコメントはセレソンにもスッポリあてはまる。

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