最近のコメント

PostHeaderIcon パヘイラの実験

南米予選でいまのところ首位を走り「徐々にW杯行きの切符が見えてきたパヘイラ監督は少しずつチーム戦術のバリエーションを実験しているように思える」とJB紙のトスタンは言う。とくに今回予告したプレッシング・スタイルは、アルゼンチン代表がスリートップを使って有効にしかけていた戦術(ビエルサ辞任後はどうなるのか未定)をブラジル風にアレンジしようとしているようだ。だが、FWの選手に有機的なマーキングを求めることは大変な修練を要し、とくにブラジルの伝統的な1トップはマークをしない(現在はロナウド)ためブラジルのマスコミはこぞって懐疑的だ。


プレッシング戦術が必要なのは、現在南米の多くの中堅チームは4-4-2の布陣をとり最終ラインと中間ラインを思いっきり下げ超守備的に構え、前線にはスピーディなテクニシャンを二人置くという戦術をとっており(パラグアイ代表や今年リベルタドーレス杯覇者オンセ・カルダスのアウェー・スタイルが代表的)、これを打開するのは至難の技とされているからだ。パヘイラ監督は、このようなチームに対し、相手陣でボールを奪って崩していく戦術をセレソンにも用意しておきたいのだろう。
世界でこれができたのは、ビエルサが率いていたアルゼンチン代表だけのような気がするが、同時にこの戦術を用いることの弊害もあるように感じる。その一つは、トスタンが言うように「中盤までも前かがみになるため、裏にスペースができやすい、技術の高いMFならこのプレスをかいくぐってビッグ・チャンスを何度も作り出せるだろう」。これは今年の南米予選アルゼンチン戦の前のコメントで、忘れてはならないのは“技術の高いMFなら”と念を押していることで、彼はたぶんカカまたはアレックスのことを指していたのではないだろうか。
ドイツW杯南米予選の次節は10/10アウェーのベネズエラ戦だが、はたしてパヘイラ監督がうたう戦術バリエーションのお披露目となるだろうか。

Leave a Reply