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で、いくつかの試合を観ました。

セレソンに関してはパナマ戦(フル)とセルビア戦の前半を観ました。

準備試合を観てこれがいいとか、あれが悪いとか評価するのは早計だとは思うし、とくに欧州の厳しいシーズンを戦い終えた選手については、いまの時点で評価しない方が賢明だと思う。これまで代表チームで実績を残してきた選手なら、試合にすら出なくてもいいとも思う(モントリーボ、リベリやロイスやなどの負傷離脱は、本当に残念だ)。

まあ、そいうことで、セレソンからもまさに、そんな「手抜き」具合を感じた。それでいいのだと思う、いま懸命になっても意味が無い。むしろ、敵には欠点があるように見せたりもする。そういう意味では、W杯はすでに始まっている。

セレソンを観たかぎり、個々の選手に関しては、すでに準備のできている選手もいれば、まだまだコンディションが良くない選手もいる感じだった。フェリポン率いるチームの特徴は、やはりダブルボランチ。これまでのレギュラーはルイス・グスターボとパウリーニョ。試合途中でエルナーネスあるいはラミレスが入れ替わる。展開によっては、ダビド・ルイスやエンヒッケも中盤の底に入れる。

私自身は、ダブル・ボランチというこの固定された概念自体が古くさくて嫌なのだが、ブラジルの場合は両サイドバックがアホみたいに上がるので、致し方ないのかなとも思う。そりゃあ、中盤の底に82年のファウカンみたいな逸材がいれば、違う戦術も考えられるだろうが…

最後の二試合、最終ラインはダニエウ・アウベスが良くなかった。バルサでの不調を引きずっている感じだが、本番でははたしてどうだろう。一方でもっとご多忙だったマルセロはケガの調整をしながら、所々で登場したが相変わらず仕掛けがスゴイ。チアゴ・シウバもしかり。セルビア戦ではけっこう空中戦での脆さを露呈した。チアゴ・シウバとダビド・ルイスの続くサブはダンテ。最後に呼ばれたエンヒッケという選手はCB、SBそしてボランチもできるらしい。とにかく、最終ラインは最も経験があって、チームの頼り所だと思う。

中盤から前はフッキが調子よさそうで安心した。一方でオスカルはバランサーとしては優れているが、得点源としてはウィリアンの方がいいという、チェルシーで二人を率いるモウリーニョと同じ結論だ。ウィリアンはあまり注目してこなかったが、シャフタール時代からのあの摺り足で走っているような感じと、ワンタッチで得点する軽妙さはすごい。

ネイマールに関しては、今季はバルサでの彼のプレーを見守ってきたが、はっきり言って期待外れだった。これまでのプレースタイルが通用しなかった。ボールを受けて、止まって仕掛けるという流れのなかで、ボディコンタクトを受けすぎる。背たけや、手足の長さに比べて体が軽いから、すごくよく転ばされる。スタイルを変えていく必要があると思う。

一番の問題は彼のメンタルだと思う。セレソンに合流してからも、自分が主役(もちろん、そうなのだが)、ボールが来れば、周りを動かすのではなく、とにかく自分で決めようと、しゃかりきになってファウルを受ける。そして苛立つ。自分がヒーローになった世界にいる感じで子供っぽい。ペレが言うように、彼はまだ経験不足な面が多くある。そんなネイマールをエースとして頼らなければならないセレソンの事情。コンフェデ杯のときよりもネイマールは研究されている

フレッジとジョーに関しては、たしかに物足りなさを感じた。フレッジはセルビア戦ではあの転びながらのゴールで決勝点をあげた。徐々に調子を上げている様子なので期待したい。あと、GKのジュリオ・セーザルはどうだろう、ミスがけっこうあって、あまり良くなかった。いまは足元の上手いキーパーの全盛期なのに、ブラジルは不思議とよいキーパーが育たっていない(これまで見たなかで一番足元が上手いGKはSPFCのホジェリオ・セニ)。

セルビア戦では、4-4-2で全員が引いて守る欧州スタイルに苦戦した。コンフェデではよい時間帯に先制できたことが、セレソンのゲーム展開を有利にさせてくれた。けど、W杯でヨーロッパのチームに先制されて引かれたら…苦しいな。

まあ、とにかくチームはセルビア戦のスタメンで確定した。試合の展開によってボランチの所が頻繁に変わるだろう。あとはウィリアンが入れば、かなり攻撃的になる。相変わらず、ヨーロッパのチームのような組織的な流動性はなく、個々の力で崩していく。地元開催という、とてつもない重圧の下で、完成度の低いセレソンはとにかく、なりふり構わずやるだろう。それだけは間違いない。

*観た親善試合の中でハチャメチャなことをやっていたのがサンパオリ監督率いるチリ代表。スリーバックを上げすぎてサイドをガンガンやられていたけど、本番ではどうなるだろう。攻撃はアレクシス、ビダル、バルディビア(パウメイラス)、マティアス・フェルナンデス、バルガス(グレミオ)と豪華。このチームは気になる。

14 Responses to “開幕セレソン”

  • トンペイ says:

    ”そりゃあ、中盤の底に82年のファウカンみたいな逸材がいれば、違う戦術も考えられるだろうが…”

    つまり澤穂希ですねw

  • futblogger says:

    いい例えですね。

    ダニエウ・アウベスが良くなかったと言いましたが、昨日おもむろに「ケガしないために手を抜いている」と語っていて、笑っちゃいました。

    ケガをしてはいけない、という通常ではない意識が逆にケガにつながることもあるけど。ロッベンの練習での喧嘩シーンが面白かった。もう二度と練習で俺に後ろからタックルするな、というチームメイトへのメッセージでしたね。

  • トンペイ says:

    ファルカンついでに・・・・・
    アンチェロッティがローマでファルカンに顎で使われてたことみんな忘れちゃってるのかなあ?

    いつかアンチェロッティが名監督になったのはファルカンのおかげとかだれか証明してくれないかなと思ってしまいますw

  • futblogger says:

    そうだ、そうだ!
    と言いたいところですが、監督してはアンチェロッティの方が大成しましたね。
    ファウカンはセレソンでもサムライブルーでも振るわなかった…残念ですが、まあ、そんなもんでしょう。

    ペレス会長「極上の肉と魚を用意したので、これで最高に上手いもんを作ってくれ」
    モウリーニョ「え?肉と魚を一緒にですか?いくら私がごった煮が得意とはいえ…」
    アンチェロッティ「わかりました。ごった煮を作ってみせましょう」

    なーんてね。

  • トンペイ says:

    監督について・・・・・
    僕は障害者だと告白しましたが、障害を持った立場から観察していると社会においてプライドの高い人ほど損だということです。

    現役時代地味な人のほうが監督業でもプロントでも重宝されたりします。
    クライフはバルサで成功しましたが、セルジオ越後が「クライフは資金が贅沢なチームじゃないと手腕を発揮できない」とか言ってましたね。

    マラドーナや宮間が天才のように見えますが僕にはペレや澤さんのほうが得体が知れなくて不気味なところがあります。

    項羽と劉邦だと実は項羽のほうが裏表がなくて劉邦の方が怖かったりするのと同じ理屈です。

  • トンペイ says:

    ペレと澤さんの共通点は
    まだ少年少女の段階で代表に呼ばれて国際大会に出た

    そのせいで子供の立場から大人を観察する機会があり
    人間の習性を理解したのだと思います。

  • futblogger says:

    なるほど、仰るとおりですね。

    ここで取り上げる超一流の選手たちに関しては、人並み以上の向上心の持ち主であることが前提ですので、あまり気にとめず語っていました。

    身体的にズバ抜けたスポーツ選手でありながら、頭脳というか考え抜く力、集中力、修正力。どれをとっても一般人が見習うことばかりです。というか、一般人が見習って自分の人生に生かせるのは、そういったメンタル面なのでしょうね。

  • トンペイ says:

    開幕戦勝ちましたね!!

    ブライアン・グランビル氏が「開幕戦などというつまらないものをなくすために何とかならんのか」とかぼやいた事がありましたが、今回だけは当てはまりませんでしたね。
    ハラハラしながら観ましたw

    前から思ったけどパウリーニョは技術も頭脳も話になりませんね。
    一仕事したラミレスでお願いします。
    ルイス・グスタボも献身的に見えて微妙に脇が甘い。
    ジュリオ・セーザルの反応が鈍くなってるのが心配です。

    オスカルの調子がいいのは何より。
    グアルディオラなら彼をパウリーニョのポジションで使うでしょうね。

  • トンペイ says:

    オランダとスペイン早速番狂わせですね。

    ファン・ハールの戦法がズバリ的中ですね。
    WSDのオランダのコラムによるとオランダリーグは選手が大量に国外に流出してカウンター戦法しかできないチームが増えたそうです。
    「攻撃サッカーの国として恥ずかしい」とコラムニストが嘆いていました。
    しかしそんな逆境を逆手にとってファン・ハールは新しいオランダスタイルを編み出したのです!

  • futblogger says:

    やっぱり本番は違いますね…観ているこっちの消耗度が違うもん。
    緊張のせいか、明らかにいつもの力を出せなかった選手が何人もいましたね。
    パウリーニョはたしかに消えていた…なぜだろう、と。とくに守備面では、あれほど存在感があったのに…一つは、クロアチアがサイドからカウンターをしかけたため、ブラジルはかなり開いた形になってしまった。
    驚いたのは、ジュリオ・セーザルやダニエウ・アウベスの不安定さ…経験があるはずの選手たちなのに。まあ、次戦どうなることやら。

    オランダ5-1スペインの試合は見終わりましたが、試合のはじめから、もう前回のスペインでは無いな、と感じていました。というか、もう前のバルサでもないし、とくに今季はシャビのオーラが消えた。あと、カシージャスの欠点が露呈しましたね。

  • トンペイ says:

    パウリーニョは昨年のコンフェデ決勝でも前半両軍入り乱れて乱戦になった時にいきあたりばったりでプレイしてましたね。あのポジションはあんなことしちゃいけませんよ。
    コリンチャンスの選手が好きなマスゴミの評価のねつ造でしょう。

    次からはラミレスでお願いします。

    ダヴィド・ルイスとかオスカルとか(本当の)メガクラブの選手はやっぱり肝が据わってましたね・・・・

  • futblogger says:

    パウリーニョどうしますかねえ…もうワンチャンスを与えるのでしょうね。ボランチは累積カード多いから、回転も多くて全員が必要。とはいえ、たしかにダメでしたね。トッテナムではもう一つ前でプレーしているから、忘れちゃったのか、そんなことはないよね。

    でも、パウリーニョの代わりに入ったエルナネスもボールをキープできなかったし…ラミレスは若干、役割とかポジションが違うし…パウリーニョが本来の力を発揮してくれるのを期待するしかないのかも。グループ一位を賭けたメキシコ戦が正念場ですね。

  • トンペイ says:

    4-3-3にするか
    フェルナンジーニョがいますけどどうですか
    シティーの覇権に貢献しましたけど?

    ボランチはクレベウソン、ミネイロなど国内選手にとっての穴場、狙い目ですが
    シメオネ、アルメイダみたいにしっかりとしたステイタスの選手でお願いしたいんですけど・・・・・

  • futblogger says:

    あ、そうでした。フェルナンジーニョがいましたね。

    次戦の相手はメキシコだから、それほどガツガツのプレスでこない(はず)だから、ボランチは仕事の見せ所ですね。

    メキシコ✕カメルーン面白かった。

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