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2005/9/4「ブラジル5−0チリ」。ブラジル、ドイツW杯当確。
ゴールはフアン、ホビーニョそしてアドリアーノのハットトリック。
「アドリアーノ」−試合はこの名前につきた。キープ力、突破力、守備への貢献度、ポジショニング、そしてDFが前にいようが問題にしない破壊力、豪快なシュートから生み出されたゴール。
「彼って、ほんとスゴイのよ!」
torcedora2.jpg


ここのところ毎回、アドリアーノを気にしないでセレソンの試合を観るのだが、試合が終わるとアドリアーノの凄さに感服している自分がいる。
昨年のコパ・アメリカ制覇以来、最もセレソンに貢献している選手だというのに、ロナウドやらロナウジーニョやらホビーニョの方を注目してしまう。
しかし、今朝の試合(日本時間)では明らかにアドリアーノが目立った。前半はロナウドとトップを組み(ロナウド自身、太ももに違和感を感じたため交代を直訴)、後半はホビーニョとのコンビ。
後半、チームは全体的にペースダウンしてしまったので、あまり脚光を浴びなかったが、ホビーニョとのコンビはパワーとスピードが見事に兼ね合い、すごい可能性を秘めている。コロコロ意見が変わるのは私だけではないが、今度はロナウドが危うい立場にいる。
チリは予想外に引いて守らなかった。それよりも、後半したようにブラジルのボールの出所、つまり両サイドバックに中盤底のエメルソンとゼ・ロベルトをマークし、ルシオとフアンにボール運びをさせるようにし、真ん中で囲んで潰した。
これが、セレソンに勝つ最善の方法である。アルゼンチンもホームで同じ戦法をとったし、日本もコンフェデ杯の終盤でそれをやったし、世界中のチームが知っていること。にもかかわらず、ブラジルは毎度、めでたくこの罠にはまる。ある意味、欠点がわかりやすいチームだ。それで、何度かピンチに陥り、それでもカウンター一発でゴール(今回の5点目)を決めて喜ぶ。選手の能力がズバ抜けているおかげ。
それだけでもW杯を優勝できるし、大勝利のあとは有頂天になりたいが、イヤこんなもんじゃダメだと思うもう一人の自分がいる。この状況に対するバリエーションの一つとして、いまサブ・チームにいる右SBシシーニョ(来年1月にはめでたくレアル入団)を使ってみてほしい。彼のドリブル力はカフーをあきらかに凌ぐ。相手がプレッシング・サッカーで来るとき、一つ裏をとれば逆に大チャンスとなる。あと、オランダ・リーグでPSVの試合を見ていたら、CBのアレックスが前戦へ凄いライナー性のフィードを繰り返していた、まるで昔のクーマンのようだった。セレソンでも彼のプレーが通用するか見てみたい。
パヘイラ監督も試合のあと「セレソンは全然、完成していない」と言っていた。予選突破を決めて重圧から解き放たれたいま(伝統国のチームはどこも予選の方にプレッシャーを感じる)、色んなバリエーションを試してほしいものだ。
「…グァラガラ・ガッシャーン!!!」
adrianochile.jpg

921 Responses to “王国のインペラトーレ”

  • orfeo.blog says:

    ブラジル、ブラジル!

    ワールドカップ南米予選 第16節ブラジル 5〓0 チリ ブラジルがお祭りサッカーでチリを翻弄し、18大会連続となる本戦出場をドハデに決めました。ロナウジーニョこ…

  • kobo_natsu says:

    W杯出場決定、おめでとうございます!
    この試合、見られなかったのですが、こちらの記事で試合の様子がよくわかりました。ありがとうございます!
    そして、何より興味深いのが、フッチさんのご解説によるセレソンの弱点とその強化についてのお話です。
    アルゼンチン戦を思い出すとそのような感じだったことが浮かびました。
    弱点を克服せずとも、個人技で打開してしまう。これは幸か不幸かという感じですね。
    確かに、恒久的な強さを身に付けるためには、弱点を克服して欲しいですよね。
    でも、これ以上強くなってどうするー!とも思ってしまいます。
    セレソンは、本当に素晴らしいチームですよ。
    >ホビーニョとのコンビはパワーとスピードが見事に兼ね合い、すごい可能性を秘めている。
    これは、聞いてるだけで、わくわくします。確かにロナウドはうかうかしてられませんね。

  • Superfecta! says:

    予選突破おめでとうございます。
    個人的には隙があるところもブラジルの魅力の一つだったりします。
    何はともあれ皆怪我なく本番をむかえてほしいとこです。

  • inoran says:

    初めまして。
    すごい詳しいですね!
    kobo_natsuさんのところより来ました。
    また来ます!
    勝手ながらリンクさせて頂きます。
    突破おめでとうございます!

  • ブラジルがW杯本戦へ!南米予選

    ブラジル代表がW杯本戦への出場を決めた。
    これで18大会連続での出場となる。
    ホームでは過去23戦負けなしと相性のいいチリを
    マネ・ガリンシャ・ス…

  • ブラジルがW杯本戦へ!南米予選

    ブラジル代表がW杯本戦への出場を決めた。
    これで18大会連続での出場となる。
    ホームでは過去23戦負けなしと相性のいいチリを
    マネ・ガリンシャ・ス…

  • とりあえず来年までみんな仲良く(笑)

    ホンジュラス戦のために海外組が帰ってきて、ジーコ監督は海外組全員スタメンでとおっしゃっているようで、えーじゃ、福西は?どーなるのさぁ??とか考えていたのが、どう…

  • フッチブログ says:

    koboさん、
    お忙しいのに、どうもコメントありがとうございました。
    「肉を切らせて、骨を断つ」じゃないですけど、
    たしかに、この欠点は裏を返せば利点にもなりえるんですよね。
    まあ、完璧なチームは存在しない、ということで祝W杯出場!

  • フッチブログ says:

    Superfectaさん、
    ほんと今回はめでたく余裕で予選突破できました。
    たぶん、こんな雰囲気が良いのは私が知る限りはじめてじゃないですかねー、
    余裕をもって本大会に臨んでほしいのですが、全メンバーが所属チームで主力選手だから、監督は怪我人も想定しなくちゃいけないのでしょうね。

  • フッチブログ says:

    Inoranさん、
    はじめまして、私もkoboさんにはお世話になってます。
    こっちは「ブラジルバカ」で偏ってますが、
    いつでも書き込みしてください。
    よろしくお願いします。

  • inoran says:

    早速、リンクさせて頂きました。
    私はイングランド馬鹿で通ってます(笑)
    ポルトガル語読めるのが羨ましいです。
    レアルのファンですが、試合があるたびに、スペイン語との格闘です。(笑)
    英語も微妙にわからないし。。。
    ブラジルではゼ・ロベルトとルッシオが大好きです。
    後はカカですね。
    もうカカは貴公子にしか見えないです。
    ルッシオのオーバーラップも心配になるぐらい好きです。(笑)

  • フッチブログ says:

    どうも、inoranさん、
    リンクありがとうございました。
    こちらでも、リンク貼っておきますので、よろしくお願いします。
    イングランド好きなんですね、私も今季は長年の「プレミア毛嫌い」を改善しようと思ってますので、ちょくちょく訪問させていただきます。
    ゼ・ロベルト、ルシオ好きと言うことは、バイエルン・ミュンヘンがお好き、でいいのかな?渋いですね〜

  • flavancha says:

    PSVのCBのアレックス(GKのゴーメス!!)!!
    アレックスのフィードもの凄いですよねえ。僕も痺れてます。びりびりびりって。クーマン(とロマーリオ)のせいでバルサ狂いになった私からしたら、アレックスはバルサに来てあのキャノン砲をふかす予定です。
    サントスにいた時より成熟しましたか?
    アドリアーノはプランデッリの様な短所を指摘、指導してくれる監督が好きってインタビューで答えてるを見て、若いのに学ぶ姿勢があって素晴らしいなと思った記憶があります。
    プレーの面、精神面で、まだまだ選手として大成する伸びしろがあるのは恐ろしいです。
    フッチさんは、アドリアーノとロナウドの2トップはありだと思いますか?僕は、どっちか一人とロナウジーニョ(またはホビーニョ)の組み合わせが最高と思ってるんですが・・・。

  • フッチブログ says:

    やっぱりflavanchaさんも、そう思ってましたか!
    アレックスは、バルサ−オランダ・コネクションでさっさと獲っちゃえばいいのに、
    だめ押しでロナウジーニョに「オレんとこ来いよ」って言わせて、ねえ?
    恥ずかしいんですが、サントス時代は全然注目していなかったんです…
    いまセレソンにはCB4人:ホッキ、ルシオ、フアン、ルイゾンがいて、アレックスが入るには今季ガツガツいかないと。CLが楽しみですねー(ミランとのリベンジ…)
    私はここ3ヶ月の流れ(パラグアイ戦から)でいうと、「アドリアーノ+ホビーニョ」のコンビが新鮮かつ破壊力抜群に思います。そもそも、今の4-2-2-2はコンフェデ杯に向けてロナウドの不在をカバーするための苦肉の策だったはず。ひょうたんから駒とはまさにコレ。
    もし、ロナウドが来年レギュラー落ちしたら、「墓穴を掘った」ことで、またブラジル・サッカー史の1ページになるでしょうね。自分もこんな事態はまったく想定してませんでした。たったの3ヶ月ですよ。

  • 力櫻 says:

    ■皇帝

    皇帝
    王位というのは、継承されるものであって、皇位というのは自身で奪うもの座るものという定義を何かの本で読んだ事があります。
    アドリアーノはブラジル国内で皇…

  • こんにちはー
    TBだけして、コメント書き忘れてました。<(^^;
    そーですか、やっぱり今ノリノリは、「アドリアーノ+ロビーニョ」ですか。確かにこの2人は魅力だし、ロナウジーニョもはずせないですしねぇ〜〜〜。
    ロナウド(マジメニ)がんばって欲しいものです。

  • フッチブログ says:

    くじらサン
    ロナウドはセレソンのシンボルですからねえ、
    まあ、今季のヨーロッパ・リーグの出来を見守っていくことですよね〜
    みんな、ヨーロッパ行っちゃったし。

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