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PostHeaderIcon 「なぜブラジルは良い選手が生まれるのか?」

いやあ、MASATOさんのコメントから、当タイトルの質問を頂いたのですが、返事をしていたら、長々と書いてしまったので、エントリーにしちゃいました。
“何故ブラジルからあんなに素晴らしい選手が、湯水の如く次々出て来るのでしょうか?
サッカーが盛んな国は、ブラジルだけではないですよね。また身体(運動)能力は、ブラジルと比べてヨーロッパもっと言えばアフリカだって劣っているわけではないですよね(もちろんサッカーは身体能力だけでやる物ではないですが)。”


興味深いアプローチですよね。返答は以下:
MASATOさん、こんにちは。
その質問、ふと思ったのですが、よく考えればヨーロッパの人々の方が誰よりも疑問に思ってるかもしれませんね。
だって「こっちの方が、さらに伝統もあるし、設備や環境も整っているのに、世界で一番投資しているのに」といった悔しさ混じりの疑問を感じとれる。それで、彼らが至る結論は「南米の“土壌”には、魔力がある。あそこは、宇宙の法則かなにか、不思議で天然な力のおかげで、クラッキが生まれる」。なんて、口には出さないけどそれぐらい考えている。
こういった短絡的な見方は、日本の体操やバレーも「東洋の神秘」なんて言われましたしね。たとえば、今の現象のひとつに、なぜオランダは次から次と良い監督を輩出するのか?といった質問にもつながりますし。
これに対し、レオン監督は同業者すべてを指して「ブラジルには世界最高の指導者がいるから、良い選手が生まれる」と言いました。じゃあ、ブラジルの指導者をヨーロッパに連れて行けば、凄い選手が出現するのだろうか。
ちょっと難しいかも。映画『Ginga』を観たら、アマゾンの密林のなかでプレーする男の子たちまで、メチャクチャ上手い。技術ウンヌンじゃなくて、サッカーを楽しむ術を知っているという感じ。
W杯名物監督のボラ・ミルチノビッチ(名前、正しいかな?)が、リオのビーチでボールを蹴っている子供たちを見て「こいつら11人を俺にくれ。そしたらワールド・カップを優勝してみせる」と言ったのも憶えてます。
なぜ、こんなにもクラッキが輩出されるのか、正直なところ、あっしにも良く分からない。
あ、それと、あっしの崇拝するトスタン氏のコラムで、
アフリカ・サッカーについて、こんな風に書いてました:
「ヨーロッパ・サッカーは興業的に大成功を収め、世界中にその影響力を広めている。その影響の最たるものが、未来のサッカーを担うと期待されたアフリカ・サッカーの“ヨーロッパ化“だ。
先のアフリカ・カップでも見られたが、ほとんどの代表チームの監督はヨーロッパ人で、完璧なヨーロピアンスタイルの戦術に染まっていた。アフリカはもはや、自分たち本来のサッカーを失いつつある。
南米にとって幸いだったのは、ヨーロッパの影響が大きくなる前に、自分たちの伝統的なスタイルを確立できたこと。」
と、深ーい考察がありました。だからといって、アフリカが弱くなったという事ではないですが、昨年末日本代表と対戦したアンゴラ代表なども、どこかのヨーロッパのチームと間違えるほど、組織的なプレーをしていた。80年代からアフリカは第3のプレースタイルを確立すると、“芸術愛好家”たちに期待されていただけに、ちょっと残念な感じです。
ヨーロッパの影響。映画『GINGA』でも、サンパウロのポルトゲーザというクラブの入団テストを行うコーチが「フィジカルの弱い子は取らない。どんなに上手くてもね。採点は技術面30%、フィジカル面70%」と言っていた。一応、最後に「天才なら、別だけど」と付け加えていたけど。
02年W杯で活躍したエジウソン(元柏)のような背の低い選手などは、今の時代じゃあ、もう無理なのだろうか。エジウソンがグァラニで出現したときは、もの凄いアタカンチで、ひょっとして現役のころのペレはこうだったのかな、とすら思えた。
こうしたトレンドは、明らかにヨーロピアン・スタイルの影響だろう。
スペースを与えないプレッシング・サッカー、激しいボディ・コンタクト、常に連動しながら、止まることなく走れる運動量。ますます増えるばかりの試合数。そしてなんといっても、クラブの財政を潤してくれるだろう、ヨーロッパ市場向きの選手に投資を優先させたい。
一昔前なら、エジウソンのような選手が出てきて、背の高い選手の股の間を抜きまくり、「フィジカル神話」を打ち崩してくれた。昨シーズンも、試合中ずっとコリンチャンスのマスケラーノとセバの股の間にボールを通して、ニヤニヤと遊んでた。ありゃあ、アルゼンチン選手には痛烈な洗礼になったな。
経済大国の影響による「資源の消失」、「森林伐採」は何もアマゾンだけじゃない。(環境保護者に怒られるかな)。
ヨーロッパで行われているサッカーが本当に最高なのか?チャンピオンズ・リーグはクラブレベルで世界最高の大会なのか?市場原理でいえばそうだと認めざるをえない。だが、あっしはそれを鵜呑みにしてはいない。世界は広い、それぞれの国が自分たちのスタイルを打ち出している。(だから、ブラジレイロンを放映してほしいのね!)
ところで、日本サッカーはどうなるのでしょうかね。すでに独自のスタイルを築いたと言えるでしょうか。
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結局、説明はつかないですけど、このテーマは面白すぎます。

498 Responses to “「なぜブラジルは良い選手が生まれるのか?」”

  • ヒロ says:

    はじめましてヒロといいます。
    私はU?17世界選手権のブラジルを見て若い選手の上手さにビックリしてしまいました。
    今まで五輪くらいしか若いブラジルの選手たちを見たことがなかったので(汗)
    オランダに100万人ほどの競技人口であれだけの選手が出ているのも驚きですけど、トヨタカップを観ていて「毎年数百人が海外に出るのに国内のレベルがあんなにも高いのか」と。
    まさに無限に人材がいる感じです。

  • フッチブログ says:

    こんにちはヒロさん、
    あっしもブラジル自慢するばかりではなく、オランダやアルゼンチンや、メキシコとかのサッカー大国をもっと調べなければ、と実は思っています。
    それに、いつかアジアからも、世界サッカーで実力だけで名を馳せる世代が出てくることだと思うし。それには、JクラブはAFCを是が非でも優勝しなければならない。
    フィジカルを上回る技術が見れそうなのは、面白いことに女子サッカーだと考えています。いま、北ヨーロッパやアメリカの“大女たち”の支配時代ですが、近々、ブラジルの華麗なレディたちが王冠をかっさらっていくと期待してます。
    オリンピック代表やアンダーエイジ代表に関しては、これらに呼ばれない怪物クン(カカやアドリアーノとか)がいるのは、やっぱブラジルだけかも。
    A代表よりも強いB代表だって作ろうと思えばできる。ああ、また自慢話に終始してしまった。

  • ヒロ says:

    確かにアテネ五輪での女子のブラジル代表チームはベスト4に上がったチームの中で異質な印象を受けました。
    女子のサッカーには汚いファウルが少なく、倒れるシーンも少ないのでドリブルが凄く映えていた記憶が。
    マルタとクリスティアーネ(?)でしたか、テクニックが素晴らしく、久しぶりに興奮するサッカーを観させてもらいました。
    しかも二人とも当時10代だったそうで、何故女子サッカーで今までブラジルが脚光を浴びなかったのか不思議でしたね。

  • Goaly says:

    Boa Noite.
    ブラジレランが始まって嬉しいGoalyです。(嫌がらせか
    ところで確かに気になる問題ですよね、それ。
    実際その中見てるとさらに気になってますよ。(笑
    「環境」や「ボール触る時間」とか考えても、そんなのなら世界共通ですよね?
    やっぱ言うとおり「サッカー楽しむ事」じゃないかなって最近思ってます。
    どこの国よりも「サッカーを楽しんでる」ブラジル人だから、アレだけのクラッキがでるのではと考えてますよ。

  • フッチブログ says:

    ヒロさん、
    そうそう、オリンピック女子代表は銀メダルでしたが、内容は圧倒してました。あれは面白かった。
    結局は芸術サッカー=フッチボウ・アルチを意識しているか、どうかってことでしょうか。
    芸術性と勝負強さ、長い年月をかけて、これら要素をなじませる方程式が確立されたんでしょう。

  • フッチブログ says:

    Goalyさんは中で見てますモンね。
    沢山のことを感じてるでしょう。
    いま放映中CMでのカントナの言葉「ちっちゃい頃、お前はとんでもないプレーをするのを好んだ。なににも臆せずに」
    子供には完璧なサッカーを要求することはない、子供は楽しそうにサッカーをしているか?苦しそうにサッカーしていないか?
    観客というのは薄情なもんで、選手達の日々の努力は知らないけど、そうした自己アピールの部分こそを大いに評価してしまうもので。
    あっしも、何が何でもブラジレイロン観ますよ。Goalyさんもフォルサ!

  • MASATO says:

    返事ありがとうございます。この話題だけで、何日も、もちますね(^・^)。それくらいブラジルサッカーは奥が深いという事でしょうかね?
    まだまだ疑問があるのでまたお邪魔致します。

  • フッチブログ says:

    MASATOさん、
    いえいえ、こちらこそ良い話題を提供していただいて感謝です。
    これからも、いつでも、好きなこと書いて頂いて構いません。

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    楽しそうにサンバ踊りながらのロナウジーニョと、かっこいい演出の映像と一緒に…

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    というわけでワールドカップの開幕まで後一ヶ月。しばらくはセレソンと世界の動向に目を向けてみよう。
    実は、そもそも俺はサッカーにはあまり関心はなかったの…

  • ヒロ says:

    この週末、日本代表の試合をみてため息ばかりなんですが、何故ブラジルは1対1が上手い選手が多いのか?
    フットサルが盛んになれば少しは近づけるのか?
    それともビーチサッカー?(というかそんなにプレーするところが無いか・・)

  • フッチブログ says:

    ヒロさん、
    いやあ、出ましたね、日本代表リスト。
    セレソンはまだ、数時間待たないといけないです。でも、ほんと、「ブラジル×日本」を実感してきた、というか楽しみです。
    「フットサルをすれば上手くなれる」というのは事実ですが、れは一般論だと思うんですよね。
    だって、ブラジルでフットサルでプロになれるには、もの凄く上手くないといけない。フットサルには「俺ディフェンダー、おれフォワード」なんて棲み分けないし、みんがガンガン攻めては、戻って守る。トータルフットボールですよ。
    ブラジリアン・プレーヤーは上手いから、フットサルでも通用した。フットサルやったから上手くなった、のでは、ちょっと違う気もしますね。
    あ、それにビーチ・サッカー観るの好きです。

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