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3月1日、スイス・バーゼル
「クロアチア3×2アルゼンチン」
やっと仕事で一息つけたので、試合観ることができました。
この試合、なんとクロアチアが勝っちゃったもんだから、W杯で対戦相手の日本やブラジルなどのマスコミは異口同音に「クロアチア強し!」と騒ぎはじめた。


試合スタッツ:
Croatia – Argentina 3-2 (1-2)
Strijelci:1-0 Klasni? (3), 1-1 Tevez (4), 1-2 Messi (6), 2-2 Srna (52), 3-2 ?imi? (90).
CROATIA (HRVATSKA): Pletikosa – ?imi?, Tudor, Tomas (Toki?, 46) – Srna, N. Kova? (J. Leko, 83), Modri? (I. Leko, 84), Babi? – Kranj?ar (Buljat, 90) – Klasni? (Oli?, 75), Pr?o (Petri?, 90)
ARGENTINA: Abbondanzieri – Coloccini (L. Gonzalez, 60), Burdisso, Samuel – Ponzio, Demichelis, Cambiasso – Messi, Riquelme, Tevez (Aimar, 68) – Crespo (D. Milito, 75)
日本でも駅のキオスクに並んだスポーツ新聞はこぞって『ブラジルより強いクロアチア』とタイトルに掲げ、テレビのサッカー番組も同内容でとにかく日本代表ファンの不安を煽る。
一方、ブラジル現地でも同じで、なんとセレソンのテクニカル・スーパーバイザーを務めるザガロ氏までもが「クロアチアの試合を観て、ブラジルの優位性は消し飛んだ」なんて言ってしまい、もう大変。
あっしも慌ててNHK衛生で放映された試合を観たわけですが、こんなときはテレビの音声を消して、ただひたすら観る。観客の声援が聞こえないのが残念だけど、余計な情報・雑念がなくて好都合。自分でしっかりメモをとってみた。
それでさっそく結論。この試合、なんといっても両チームのミスが目立った。5得点のうち、4得点は両チームのDFミスのような気がする。もちろんトップレベルのマッチアップには違いないが、真剣度に関しては、まだピークに至っていなかった。
面白いのは、両者とも互いに3バック。それに対して前線のFW3人がディフェンダーと一対一になるようプレッシングを仕掛け、ボールを奪おうとする。つまりFWがDF陣を狩るという逆転現象が起きていた。
アルゼンチンは3-3-1-3で、リケルメがど真ん中にいて前線のメッシ、クレスポ、テベスの3人を走らせる。
クロアチアは3-4-1-2気味で、トップ下にニコ・クラニチャル、2トップにクラスニッチとプルショ。さらに両サイドは右にバビッチ、左にスルナが崩しにくる。中盤の真ん中ではニコ・コバチと初出場の新鋭モドリッチが攻守でチームを支えていた。CBの真ん中はトゥドル、ユーベのロベルト・コバチは出場せず。(とまあ、名前は一通り覚えることができたぜい!)
互いの3バックをどう攻略するかがポイントになったと言ったが、違うのは、アルゼンチンはテベスとメッシが開いて受けると縦ではなく、中に切れ込んでいく。一方、クロアチアはFWと中盤で組織的に縦を崩していった。
クロアチアの良いところは中盤から全ての選手が攻撃参加できること、そして全員が守備意識をもって90分間懸命に走ること。何度も、何度も同じ形を繰り返して相手を崩そうとするのは、芸術センスに溢れる東欧サッカーといえども、ヨーロッパサッカーの定石を踏んでいる証明だ。ただ、そのおかげか、試合の流れを変えてしまえるような別の戦術バリエーションが無いようにも見えた。それに個人技で突破しにくる選手もいなかった。
まあ、隠している部分もあるはずだから、結論づけるのは早いが、クロアチアのサッカーは見た限りではけっこう単調だった。だけど、日本代表のように両サイドの守備と空中戦に自信のないチームにはこの単調さこそが驚異ではないだろうか。
アルゼンチンなどは、後半2?2の引き分け状態から“肉屋”コロッチーニを下げてルーチョ・ゴンサレスを右側の守備的MFとして投入(それまで中盤右にいたサラゴサのポンツィオを右側のCBへ下げる)。これで、ボールキープ力が上がり、更に波に乗れていなかったテベスに代ってアイマールを前線の左に。リケルメ、メッシ、アイマール、ルーチョの4人が揃った後半23分から一気に試合の主導権を奪った。
こうしてアルゼンチンはそれまで激しい競り合いが続いていた試合をいとも簡単にコントロールしはじめた。懐の深さでいえば、アルゼンチンの方がクロアチアよりも遙かに上だったといえる。
ところで、メッシのドリブルは必ず縦を向いて左脚で内側に切り込んでいくだけなのに、DFは止められないんもんだなあ。これに対向するために、右利きのSBを左に置けばどうなるか。チェルシー戦でパウロ・フェレイラがそれをやってメッシが消えた気がするが(モウリーニョってやっぱり凄いのか?)でもそうなると、メッシもアホじゃないから、左サイドに動いて、右サイドのスペースを開ける。
mescroac.jpg
ロナウジーニョも逆サイドで右脚を使って同じスタイルだし、まあ彼等はマラドーナの息子たちだから、素人発想ではなんともならない。この試合は、クロアチアの「怖い単調さ」、アルゼンチンの戦術バリエーションを知った事が収穫だった。
ロスタイムのクロアチアのゴールは偶然っぽかったが、でも確かにアルゼンチンのDF陣はイマイチ。GKの“パト”アボンダンシエリの評判もまったく芳しくないんだな。試合後、ペケルマン監督は「不安定な状態でW杯に乗り込んだ方が期待できるかもね。すくなくとも前回のような落胆は味わなくてすむ」といったニュアンスのコメントを残しているが、この人けっこう神経ず太いねえ。
「死のグループ」で勝ち残るには、いま手の内を見せるわけにはいかないのだろう。アルゼンチンは明らかに奥の手を隠し持っている。
セレソンにしてみれば、クロアチアはむしろやりやすい相手ではないだろうか。もちろん負ける可能性だってあるが、クロアチアが3バックで攻撃的にくれば、一対一の場面が多くなりセレソンのカルテットはやりやすい。あとは両サイドがどこまで彼等の突破攻撃に耐えることができるかに尽きる。
その肝心のセレソン、氷点下10度のロシアで凍えそうになってスポンサーに命ぜられた親善試合を消化したそうな。試合は今日(3月7日)19:10、NHK衛生第1で放映されますよ。
クロアチアが勝った試合。そんなに大騒動するほどの内容でもなかった(って思ったのはあっしだけかも)。

449 Responses to “クロアチアかあ…”

  • Goaly says:

    Boa Tarde.
    お久々です。
    この試合は自分も生と再放送で見ましたけど、別に大騒ぎするほどではないと思いましたよ。
    まあさすが日本のメディアって感じなんでしょうね。
    なんか試合的に両チームともプレーが中途半端だったように見えました。
    もし全力ならアルゼンチンが勝てる内容でしたし。
    途中でイタリア×ドイツの方が面白かったから切り替えちゃえましたけど。(笑)
    ちなみに自分的にはアルゼンチン代表GKはアボンダンシエリよりもリーベルのGKルクスの方が良いと思います。
    リベルタとか見る限り彼のほうがプレーが安定してました。

  • フッチブログ says:

    おお、Goalyさんもそう思いましたか
    東欧サッカーでは、クロアチアよりもセルビア・モンテネグロの方が欧州予選でも評価高かったようだし、強そうな気がします。イタリア×ドイツ戦はまだ観てないッス。
    アルヘンティーナのGKは、あっし的にはいまアラベスで奮闘しているコンスタンゾが前から好きだった。なぜかというと、ロック・ミュージシャンみたいだから、ヒヘヘ。いずれにしても、群を抜いた正キーパーはいないみたいですね。
    リベルタドーレス杯、日本ではまだ観れません、トホホ。

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