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PostHeaderIcon 「ヨウコソ日本ヘ」サンパウロFC

南米リベルタドーレス杯はサンパウロFCが12年ぶりに優勝。
5月14日、サンパウロ市エスタジオ・モルンビ、72,000人観衆の前でサンパウロFCはアトレチコ・パラナエンセを4-0で下し、決勝戦2試合を1勝1分けとし、リベルタドーレス・カップを掲げた。
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2試合目もまたしても最初から選手たちの緊張が伝わってくる試合だった。両者ともディフェンスを固めて攻撃するため、どうしても試合がスムーズに流れない。しかし今回の違いはサンパウロFCがホームの7万人観衆の声援を受けて、時間がたつとともにドンドン前にいったこと。
前半17分にサンパウロFCのスーパーFWアモローゾが先制したおかげで、アトレチコも点を取りにいかざるを得なくなった。後半早々の8分にコーナーキックからサンパウロのCBファバォンが頭で決めて2-0になると、いよいよアトレチコはこれまでの“潰し”スタイルからドリブル攻撃主体に切り替えた。このスタイル変更が難なくできるところがブラジルのチームらしい。
しかし、守りにも定評のあるサンパウロはアトレチコの猛攻を凌ぎならカウンターで追加点を狙う。完全に引いて守らないところが、これまたブラジル・チームらしい。結局、残りの2点はすべてこの形で叩きだした。結局4-0でサンパウロFCの勝利。
この日すばらしかったのは何と言ってもFWのアモローゾ。センターサークルまで引いてポスト役を務めるのだが、その実はトラップひとつで簡単に前を向いてドリブルでつっかける。ピッチのどの位置でも、ボールを持てば必ず一人は抜き去る。昔からスピーディーな選手だったが、今では経験も伴って本当に手が付けられない。
アモローゾと2トップを組むルイゾンはブラジルでは大人気のFW。二人はグァラニというクラブのユース時代で一緒だった。ルイゾンはパルメイラス、コリンチャンス、バスコでの優勝経験がある。彼もまたユニークな選手で、エリア内でヘディングと胸トラップが異常に上手い(ロマーリオ並み)。大会後の移籍先である名古屋グランパスの水に会うかどうかが見もの。
サンパウロFCは他にも左SBジューニオル(パルマ時代では中田の同僚)とコンフェデ杯でおなじみ右SBシシーニョが中へ外へと自在に切り込んで特攻をしかける。サンパウロFCが3バックなのは、この両サイドバックがガンガン攻めたてるから(だからSBと呼ばずに、バスケのガードの呼称のアーラと呼ぶ人が多い)。シシーニョのドリブルは利き足こそ違えどマラドーナのそれとそっくりに見えるときがある。
最後にサンパウロFCのディフェンダー陣はすばらしい、3バックの真ん中のディエゴ・ルガーノというウルグアイ人はすさまじい闘争心の持ち主。彼はいつもギリギリのところで相手の攻撃をふせぐ天性のセンターバック、彼こそチームの英雄である。3バックの全員が攻撃参加(もちろん交互に)するのもこのチームの良いところ。
そしてGKでキャプテンのホジェリオ・セニ。彼は12年前テレ・サンターナ監督時代の優勝メンバー(サブGK)。皮肉にも、あれ以来サンパウロはビッグタイトルに恵まれず、02年日韓W杯で第3キーパーとして来日していたセニもずっと「負け犬」のレッテルを貼り続けられてきた(カカもこの不運時代のプレッシャーに苛まれた)。ここにきてセニの辛抱がやっと報われたのである。
アトレチコ・パラナエンセもユニークな才能を要するチームだったが(ダゴベルトというセレソン候補の攻撃的MFがケガで今季はプレーしていない)、やはり世界で戦えるクラブとしての規模や伝統といったものがまだ足りなかった。たとえば、決勝戦の第1試合をホームスタジアムで戦っていたらストーリーは変わっていたかもしれない。
今年12月、東京で行われる世界クラブ選手権に挑むサンパウロFC。名将(というよりもブラジルサッカー史上最高の監督)テレ・サンターナが築いた栄光の時代を再現できるかが注目される。
サンパウロFCを知らない人は、このクラブから世界へ羽ばたいた選手で、いま現役で活躍しているのが:カフー、カカ、ベレッチ、ジュリオ・バチスタ、エジミウソン、ルイス・ファビアーノ、デニウソン、フランサ、セルジーニョ、ファビオ・シンプリシオ、ドリヴァ、ファビオ・アウレリオ、グスタヴォ・ネリ、ボルドン、マルセリーニョ・パライバ、エドゥ(ベティス)、ジュニーニョ・パウリスタなどである。浦和レッズで大ブレイクしたエメルソンもサンパウロFC出身。
引退選手にはライー、ミーレル、カレッカ、レオナルド(鹿島)、オスカルなどが世界的に有名。ブラジルでは最も経営が安定したクラブで、世界的なプレーヤーを毎年輩出しつづける。今回のようにアモローゾとルイゾン(また移籍するが)のような海外経験者を呼び戻す吸引力のあるクラブでもあり、今年のワールドユースにも4人の選手を出している。ホームのエスタジオ・モルンビーはクラブ所有スタジアムとしては集客数(推定8万人)で世界最大とされる。
「トリコロール・パウリスタ」(チームカラーはサンパウロ州の旗の三色=赤・黒・白がモチーフ)が世界にその力を見せつけるときがきた!
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1,008 Responses to “「ヨウコソ日本ヘ」サンパウロFC”

  • Vamos ao Japão !!!!

    São Paulo Tricampeão da Copa Libertadores !!!!!
     
     
    &…

  • リベルタドーレス杯サンパウロ優勝

    「リベルタドーレス杯サンパウロ優勝」に関連するブログ記事から興味深いものを選んで…

  • トリ・カンペオーン

    表彰式も欧州ですと、みなさん歓喜の中に厳正粛々とした雰囲気を保っておられますが、ブラジル人は違います。
    メダルかけてもらったあと、皆、ひと踊りしてから表彰台を…

  • kotty says:

    はじめまして。Vida de Futebol さん経由でこちらを拝見し、トラックバックさせていただきました。
    サンパウロなら世界一目指せるんじゃないでしょうか。
    12月が楽しみです。

  • jumpin says:

    サンパウロが優勝だったのですね。
    (録画ミスでまだ見れていないのです・・・゚・(ノД`)  )
    ルガーノはマドリーも関心を寄せているプレーヤーだと聞いたことがあります。
    注目してみてみたいと思います。

  • フッチブログ says:

    kottyさん、
    こんにちは、今年のリベルタドーレス杯は地上波で放映されるなど注目度高かったですね?
    サンパウロFCはベンチでもう一つトップチームが作れますから、間違いなく年末はより良いチームに仕上げてきそう。
    そうなるよう願ってます。(そちらにもTBさせてもらいます、訂正ですがリ杯の優勝は12年前でした)

  • フッチブログ says:

    jumpinさん
    私も今回はフライングというか、
    エントリーをアップしてから地上波で放映するのを知ったんですよね。
    ルガーノ良いですね、レアルはCBを補強しないとですからね、でも世界クラブの後にしてほしいなー

  • 標高約800メートルの高台サンパウロ

    サンパウロのことをまとめてみました。

  • 標高約800メートルの高台サンパウロ

    サンパウロのことをまとめてみました。

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