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PostHeaderIcon ロナウド、南米予選でも不発

3月末に行われた南米予選2連戦では、セレソンはホームでペルー戦、アウェーでウルグアイ戦を戦い1勝1分けの勝ち点4を得た。
今年初めての南米予選試合にセレソンのパヘイラ監督は新しいフォーメーションを用意してきた。現地の専門紙でも注目されたこのフォーメーションは従来の4-4-2から4-2-2-2に変化したと報じられているが、観るところ3ボランチから2ボランチへ変えているため、従来の4-3-3(3ボランチ)から4-2-2-2(2ボランチ)になったという見方ができる。


元来、ブラジルではフォーメーションを議論すること自体不毛であると言われている。なぜなら、選手の位置は逐次変化するもので固定して考える必要はなく、とくにセレソンの様に創造的なサッカーが求められるチームでは見る側にも柔軟な捉え方が求められるのである。
ただ今回は守備面で明確に、これまで真ん中のボランチの両側にいたゼ・ホベルトとジュニーニョ・ペルナンブカーノのうちジュニーニョを外し、右にエメルソンと左にゼ・ホベルトの2ボランチだけにしている。
彼等の前のラインにカカとロナウジーニョが並ぶ。そして最前線にロナウドとホビーニョまたはヒカルド・オリヴェイラが張る、といった感じだ。実際はロナウド以外は頻繁にポジションを代えていたが。確かに4-2-2-2といえる配列である。この変化がもたらした最大のメリットはカカとロナウジーニョが自由に中盤で動けるようになったことである。
これまではそうでなかったのか、と聞かれるところだが、確かに今回の2連戦、とくにアアウェーのウルグアイ戦では、明らかに二人のアタッキング・ミッドフィルダーの動きがよく(随分フィジカルも強くなった)、相手エリアまでは時たま美技を織り交ぜながらボールを簡単に運んでいた。
とくに前線にいるホビーニョやヒカルド・オリヴェイラとのスピードあるワン・ツーは見応え充分だった。一番の問題はフィニッシュ役のロナウドがまったく何もできなかったことだ。
素早いパス交換で相手エリア前に行くものの(ミスが無い限り相手はボールを奪えない)、動けないロニーにボールが行く途端、ドリブルは止められ、シュートも外してばかりで大ブレーキだった。
あいにく、そんなロナウドを何とか復調させようとチーム全員が彼にボールを集めるが、これが逆効果というか、せっかくのチャンスがことごとく潰されてしまった。力んでシュートを外しているロナウドを見るのは初めてだ。
しかしここは世界王者であるセレソン流の作戦である。厳しい予選を不調の選手を背負ってあえて戦い、戦術にも徐々にバリエーションを加えながら本大会に照準を合わせているのである。不調のロナウドを外すよりも、彼を復調させる方がチームとしてはメリットがはるかに大きいのである。たとえアドリアーノという選手を無視しても(今回は怪我で外れたが)。この連戦でエメルソンはレギュラー・ボランチの座を獲得したようだ。ほかにもジュニーニョ・ペルナンブカーノという輝かしいアルマドールが補欠に回ったのは残念で仕方ない。
セレソンが完成するには理不尽なことが沢山ある。
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