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PostHeaderIcon サントス・カンペアォン!?川の流れのように

周知のとおり、ブラジル選手権は12月19日に全日程が終了し、優勝チームは最終試合を勝利で飾ったサントスとなった。サントスは最後までアトレチコ・パラナエンセとデッド・ヒートを繰り広げ、ラスト二節で2勝をあげるとともにライバルの失速のおかげで優勝を決めた。


最終節のバスコ・ダ・ガマ戦はさらに母親の誘拐事件が無事に解決したロビーニョが6試合ぶりにチームに復帰するなど、めでたい内容となった。ロビーニョは多くのサッカー批評家から今大会ベスト・プレヤーに推されている。
今年のサントスの最大の長所は“チーム作り”ではなく“チーム再生”だといわれる。つまり大会中に主力選手を移籍で失いながらも、すばやく替わりの選手を“見繕い”ながら何とかやりくりして最後まで優勝戦線に止まりタイトルを手中に収めたのである。すべてのブラジリアン・チームがそうなのだが(2004年11月末までのブラジル人選手年間海外移籍数はなんと852人/CBF統計、これは別テーマで取り上げる)とくにサントスがマネジメント能力に長けていたといえる(昨年のブラジル選手権覇者クルゼイロと比べるとよい)。
このことを説明するにはまず、2年前にブラジル選手権を制覇したサントスのレギュラー・スタメンをみてみよう?GK:ファビオ・コスタ、右SB:マウリーニョ、CB:アレックス、アンドレ・ルイス左SB:レオ、守備的MF:パウロ・アウメイダ、ヘナト、MF:エラーノ、ジエゴ、FWホビーニョ、ウィリアン(監督レオン)。
次に今年のブラジル選手権開幕スタメン:GK:ジュリオ・セルジオ、右SBパウロ・セーザル、CB:アレックス、アンドレ・ルイス、(アウシーデス)、左SB:レオ、守備的MF:クレイトン、ヘナト、MF:エラーノ、ジエゴ、FWホビーニョ、レアンドロ・マシャード(監督レオン)。
そして今年最終節のスタメン:GK?マウロ、右SB:パウロ・セーザル、CB:アーヴァロス、レオナルド、左SB、レオ、守備的MF:ファビーニョ、ヒカルヂーニョ、MF:プレット・カザグランヂ、エラーノ、FW:ホビーニョ、デイヴィッジ(監督ルシェンブルゴ)。
以上のとおり、ここ2年間でスタメンに残ったのは右SBパウロ・セーザル、左SBレオ、MFエラーノそしてFWロビーニョの四人だけ。他の選手はすべて移籍した。とくに今年中旬のリベルタドーレス杯敗退で選手の放出に歯止めがきかなくなり、ブラジル選手権開幕直後に主要選手が抜けているのがわかる。とくにCB陣のアレックス(PSV)とアウシーデス(ベンフィカ)が抜け、また守備的MF:クレイトン(名古屋グランパス)、へナト(セビーリャ)、MF:ジエゴ(ポルト、先日トヨタ杯で来日)といったチームの主柱選手の離脱が目立つ。
にもかかわらず、サントスはCBに生え抜きのアーヴァロス、レオナルドやドミンゴスといった選手が台頭し、中盤にはアルマドールのヒカルジーニョをサンパウロFCから獲得。そしてFWにはフランスのボルドーで活躍していなかったデイヴィッジを帰国させた。彼等の活躍のおかげでチームは高いレベルを保てることができた。
そして第四節からはレオン監督(清水、東京Vなど、現サンパウロFC)に代わってルシェンブルゴ監督が就任した。この監督交代が一番功を奏したとえいる。ルシェンブルゴ監督は5度目の全国タイトルを獲得し、ブラジルの歴代監督のなかで一番のタイトル・ホルダーとなる。
大会後、ルシェンブルゴ監督はコリンチアンスなど他クラブ(今年9月にはなんとFCポルトからも打診を受けている)のラブ・コールを受るも、今週サントス残留を発表した。これでサントスは来季のリベルタドーレス杯に向けたチーム作りを目指すことになり、ロビーニョを含め大半の選手たちが来年の8月ごろまでにチームに残留することになりそうだ。ちなみに今週は日本のメーカー松下電器が新しくユニフォーム・スポンサーに決定した。
年末になんとか帳尻を合わせることができた喜ばしいサントス。
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