最近のコメント

PostHeaderIcon マーノ・メネーゼス代表監督が誕生

マーノ・メネーゼス(48才)が次の「男」に決まりました。またしてもガウショ。

 

mnmnzscrtn.jpg

 

CBF(ブラジルサッカー連盟)は実は最初に、現フルミネンセ監督のムリシー・ハマーリョに打診を振ったが、フルミネンセ側が頑なにムリシーの放出を拒否。ガマガエル会長とムリシーがリオで会食したのが現地の金曜日ごろ。

 

CBFは慌てて、プランBに変更して、翌日の土曜日に、マーノ・メネーゼスに決まった。こちらは、コリンチャンス側も放出を快諾。「W杯前から決まっていた」なんてのは、ガセネタか?

 

就任したマーノ監督は「最大のチャンス」、「二番目の選択肢でもいい、挑戦から逃げないのが私の信条だ」と述べた。

 

次のセレソンは「世代交代」がモットーとなるらしい。810日のアメリカ戦(ニュージャージー)の初招集は週末開けの月曜日に。


マーノ・メネーゼスは「逆境に強い監督」として知られている(ドゥンガもそう呼ばれたけど)。昔は有名選手でも何でもなく、わずか13年のキャリアで代表監督にたどり着いたのは凄い:

 

1997年から、リオ・グランデ・ド・スウ州の小さなクラブをいくつか指揮。

2004年に同州のキンゼ・デ・ノヴェンブロを率いてブラジル杯ベスト4という快挙。

2005年に、ブラジレイロンの二部に降格したグレミオに就任して、チームを優勝に導き、一部へ昇格。

2007年にはグレミオでリベルタドーレス杯準優勝。

2008年には、同じく二部に降格したコリンチャンスを率いて、一部へ昇格。

2009年には、ブラジル杯を優勝(決勝は我がインテルと対戦)。

2010年のブラジレイロンは開幕から8戦無敗の勢いで、コリンチャンスは首位独走(先日負けてしまい、ムリシー率いるフルミネンセに首位を明け渡しましたが)

 

グレミオとコリンチャンスという名門を立て続けに復活させた手腕が逆境に強いと言われるゆえんだ。そのうえ、物腰も冷静で、マスコミへの対応も良好(娘がジャーナリスト)。選手からも慕われやすい。もちろん、戦術面での工夫はすごい。2009年のコリンチャンスは前線に(そんなに太っていなかった)ロナウドとジョルジェ・エンヒッケとデンチーニョのスリートップを、それぞれの特長に合わせて上手く配置していた。2009年ブラジル杯決勝は、インテルは完敗だった。

 

グレミオでもジエゴ・ソウザ、カルロス・エドゥアルドなど、サイドから崩せるアタッカーをよく使っていた。マーノは「戦術狂」と呼ばれる。とはいえ、そんなに「芸術サッカー」志向でもなく、手堅いサッカーをする。だから、最初から、そんなに期待してはいけない。

 

しかし今回も、監督たちが代表のオファーをすんなり受けることの難しさと、CBFと各クラブとの力関係が浮き彫りになった。

 

マーノにしても、ムリシーにしても、ビッグクラブの監督の契約内容には、代表チームに行く場合は違約金は発生しない、という一項がつくらしい。

 

ムリシーに関しては、いったん、代表監督を受けた形になったが「フルミネンセが快諾すれば」という条件付き。フルミネンセは2012年までの契約更新と抱き合わせで、トレーニング施設の建設や諸々の強化プロジェクトを進めており、いまの段階でムリシーを放出するのを強く拒否した。CBF側もクラブとの監督兼任は嫌だと妥協案を拒否。

 

話によると、フルミネンセはムリシーが代表でもらえるだろう給料の2倍を払っており、さらに、2012年には契約更新も約束している。なんといっても、フルミネンセのオルカデス会長はガマガエル会長の天敵だそうだ。今回の拒否騒動で、フルミネンセは何かと風当たりが強くなるだろう。

 

ガマガエル会長の天敵は他にも、サンパウロFCのジュヴェンシオ会長がいる。

 

一方で、コリンチャンスのサンチェス会長(コリンチャンスの運営はサンパウロ市のスペイン系移民が多い)とガマガエル会長は仲が良い。サンチェス会長は、今回の南アW杯のチーム団長までも務めた。そのとおり、マーノ監督は快く代表チームに差し出された。いま、ブラジレイロンの首位争いをしているコリンチャンスにとって、マーノが居なくなることは痛い(元ジュビロ磐田のアジウソン監督が後任)。一方で、コリンチャンスはこの先、代表関連の行事で色々と優遇されるかもしれない。

 

たとえば、いま最大の懸念事項である、ブラジルW杯開幕戦のサンパウロ市内のスタジアムの選定の件で、当落線上にあるサンパウロFCのモルンビー球場を差し置いて、コリンチャンスの新設スタジアム案が浮上しても、これまた、おかしくない。

 

サンパウロFCの最大の収入源が、7万人弱ほどが入る国内最大の私有スタジアム「モルンビー」だ。ブラジルのビッグクラブでも南米経済の中心地サンパウロの一等地にスタジアムを持っているのはサンパウロFCだけ。あとは、インテルも6万人弱収容のベイラ・ヒオを私有していて、アトレチコ・パラナエンセ所有のアレーナ・ダ・バイシャーダ(3万人強)が美しい。

 

自らスタジアムを所有しているクラブは経営が安定している(スタジアムでは様々なイベントでも儲けられるしね)。これはヨーロッパのビッグクラブでは、定石とされている。だが、この状況を他のクラブが指をくわえて見ているわけがない。ブラジルW杯の開催に向けて、国内の様々な力関係や構造が崩壊・変革するだろう。

 

つまり、新監督就任劇の舞台裏には、とてつもない綱引きがあったということで、監督の周りには、様々な利益が絡んでいるということでした。

 

あと、もう一つ付け加えたいのは:

 

ムリシー監督のフルミネンセとの契約が201212月まで。

フェリポンのパウメイラスとの契約が201212月まで。

 

最近のブラジルでも、ビッグクラブと監督の契約は、よほど酷い結果を出さなければ最後まで守られる傾向にある。

 

つまり、マーノは2012年中までに、大方の支持を得る必要があるということで、そうならなければ、大変、厳しい状況に立たされる。ムリシーもフェリポンもまだ、2014W杯で指揮を執る可能性が無くなったわけではない。2001年のフェリポンのケースがまさにそうだった。


さあ、マーノさんのお手並み拝見といきましょうか、まずは「新生セレソン」の招集リストから。

 

3 Responses to “マーノ・メネーゼス代表監督が誕生”

  • ジーコファン says:

    フッチさん、
    いよいよ決まりましたね。
    日本のWBCの監督がナカナカ決まらなかったのに、よく似ています。ましてや母国開催のWC、大変ですよね。優勝候補は・・・でもこうゆう人の方が、うまくいくかも知れませんね。
    新メンバーどうなるか楽しみ。過去ログに載っていた、ネイマール、ガンソどうなるのか、新たなクラッキに期待。

  • レニー says:

    こんばんは。
    新監督はマーノ・メネーゼスさんですか。まったく知らない人出てきちゃいました(笑)
    でもコメントがガウーショっぽくてイイですね。
    とりあえずどんな選手を招集するのか楽しみですね。
    ブラジルに帰国してサントスに入団したケイリソンは召集されるかなぁ?。セレソンでどんなプレーするか見てみたいです。
    もちろんネイマール、パウロ・エンリケ・ガンソ、エルナーネスあたりも…あとはブラジル国内の選手はあまりよく知らないのでフッチさん、皆さん、情報ありましたら教えて下さい。

  • スブッラ says:

    新セレソン指導しましたね。
    ダニエウ・アウベスが残ってて良かった。新体制ではベテランとしてチームの支柱になると思います。ラミレスも残ってエルナネスが入った、これで中盤にちゃんとした核が出来るのでは。ネイマールとパウロ・エンリケも入りましたね。さてどうなるか。
    メネゼスに関してはあまりよく知らないのでどんな人が注意深く見守っていきたいと思います。いい代表監督になってくれるといいな。

Leave a Reply