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ガマガエル会長が日曜日にドゥンガの後継者を発表するそうだ。

「間に合わせの監督ではない」とまで断言している。

 

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次の代表監督は、自国開催のW杯でブラジル代表を優勝させる義務という、ハンパ無いプレッシャーを背負う。

 

ただし、その反面、これからは南米大陸で大会が目白押しなため、代表監督として、これまでに無い経験ができる:

 

コパ・アメリカ2011(アルゼンチン、日本代表も参加!)

ロンドン五輪2012

*南米予選免除

コンフェデレーションズカップ・ブラジル2013

ブラジルW杯2014 

リオ五輪2016W杯を優勝できたら、続行の可能性あり)


W杯という、7試合だけを短期間で戦う特殊なフォーマットの大会を優勝するには、優勝経験者であった方がいいに決まっている。それに、2006年のパヘイラ、2010年のドゥンガのそれぞれの失敗、つまり、協会に対して従順すぎるための放任主義(とくにスター選手の扱い)や、マスコミとの過度な対立といった状態を繰り返さない監督が理想とされる。もちろん、技術面・経験面では申し分のない人物でないといけない。

 

そう考えれば、国民の希望的観測ではフェリポンだったが、フェリポンはパウメイラスの監督に就任したうえに、今週に入って「お誘いは受けていない」とはっきりと否定した。

 

そうなると、いまブラジル国内でサポーターからそれなりに支持されていて、マスコミの噂にあがっている監督は、可能性の高さの順位で次のとおりだそうだ:

 

1)マーノ・メネーゼス(現コリンチャンス監督、元グレミオ)

2)ムリシー・ハマーリョ(現フルミネンセ、元インテル、元サンパウロFC

 

それ以外にも、ひょっとして、日本でもおなじみのレオナルド(元ACミラン)。最近、パッとしないヴァンデルレイ・ルシェンブルゴ(現アトレチコ・ミネイロ)、ヒカルド・ゴメス(現サンパウロFC)。

 

実力で言えば、全国制覇三連覇を成し遂げたムリシー・ハマーリョが有力だが、ムリシーのむすっとした表情は受けが悪い。マーノ・メネーゼスは良い監督だが、まだ大きな実績が無い(2009年ブラジル杯のみ)。彼になれば、引き続き、ガウショの系譜だ。レオナルド、ルシェンブルゴ、ヒカルド・ゴメスはいずれもヨーロッパでの経験を持つ、この中で、ルシェンブルゴは全国制覇が五度。しかし、彼の監督としてのピークは10年前で、一度、代表監督として失敗している。それに輪を掛けて目立ちたがり屋な性格。

 

ここで、ブラジル国内の事情を言えば、代表監督の選任に絡む外的要素として、まず、ブラジル国内のサッカーの放映権を牛耳るグローボというテレビ局の力が強い。マスコミの横やりが大嫌いだったドゥンガですら、W杯招集リストの発表直後、グローボのニュース番組に生出演させられたほどだ。このテレビ局が次期監督の選任に大きく絡んでいる。メディア的に適さない監督の「拒否権」を持っていると言っていいほどだ。

 

それに、日本ではあまりないが、地域的な要素が強い。ブラジルは面積が広大なため、それぞれの経済中心地が離れている(アメリカのようなイメージ)。経済とサッカーの二大中心地がサンパウロ州とリオ州、その次にサッカーの実績から、ミナス・ジェライス州とリオ・グランデ・ド・スウ州が来る(とはいえ、この二州は経済面では他州に劣る面もある)。上に挙げた監督候補者はいずれも、これらの州との絡みが強く、今回はとくに、サンパウロ州のチームで実績を上げた監督が目立つ(レオナルドが例外)。

 

しかし、リオにはCBFとグロボ局があるから事がややこしい。つまり、リオとサンパウロの勢力の同意がなければ、代表監督に無事におさまれないということだ。いきなり代表監督に就いた、ガウショのドゥンガへの風当たりの強さは、こんなところにも原因があった。(同じくガウショのフェリポンはグレミオからパウメイラスを経て、代表で名を馳せた。それでも、彼への風当たりも凄まじかった)


実はいま、W杯の開催に向けて、リオとサンパウロの勢力が互いに壮絶な争いを繰り広げていて、大統領まで介入せざるを得ない事態に発展しているけど。この話はまたいずれ。

 

また今回は、監督に加えてチームディレクター(総監督)をかます可能性もあるそうだ。かつてのザガロさんのように、今回のアルヘン代表のマラドーナとビラルドのように。これからは大変な仕事になるから、協会会長と代表監督の間にワンクッションを置くのは悪くないと思う。

 

このディレクター役にはパヘイラさんが最有力。ファウカンの名前も挙がっているそうだ。

 

本当は、この監督選任に関しては、池上彰さん風に言えば「たいてい、W杯の前に決まっているんですや!」らしい。たしかに、代表を務められるほどの器量のある監督をW杯後に探しまわるとは考えにくい。

 

けど、事前に決まっているのなら、新監督はおそらく、南アフリカ入りしているはず。せっかくの機会だから、大会を見て回りたいはず。で、次期監督候補のうち、南ア入りしたと報道されたのは、フェリポンだけ。フェリポンはテレビ局の解説者として現地入りしている。他には…レオナルド?でも、レオナルドが代表監督になるには、もう少し経験がほしい、ドゥンガの二の舞にならないためにも。とはいえ誰だって、お忍びで行っとけば、あの喧騒の中で、そうそう目立たないかもしれない。

 

しかし、みんな「私はオファーを受けていない」って言うんだもん。まるで「ライヤー・ゲーム」のようだ。ただゲームと逆なのは、みんな本当のことを言っていて、一人だけ嘘をついている人がいる、この人が新監督。

 

それとも、みんな本当のことを言っていて、まったく予期せぬサプライズが外からまくってくるのか?

何はともあれ、月曜日には世界中が知っている。

One Response to “新監督は週末にわかるらしい”

  • ジーコファン says:

    フッチさん、こんにちは。
    どこの国でも放映権を持つマスコミの力は、強いですね。
    WCの試合時間にまで影響があるらしいですよ。
    セレソンにとって、より良い監督になる事を、祈ります。

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