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PostHeaderIcon W杯ベスト4、有為転変

今回のW杯は、世界中の30代以上のサッカーファンから、86年以来の面白味のあるW杯大会と評されている。どの試合も本当に面白い。

だから後々、サッカーの世界シナリオが書き替えられた大会として語られることをあっしも期待する。

 

ベスト4に残ったメンツが感慨深い。ドイツとウルグアイはそれぞれ、違う時代においてサッカー界のトップに君臨し、その後、旧勢力と言われるほど低迷した時代を経験した(ウルグアイはここまでずっと、ドイツは90W杯優勝以降)。そしてオランダとスペインは、いよいよ悲願のW杯タイトルにあと少しまでせまっている。もちろん、これらのうち、一つのチームしか歴史に名を刻めない。


優勝候補と目されたブラジルとアルゼンチンは二大会連続でベスト8止まり。大会の最後に南米を代表するのはウルグアイ。ラッキーな組み合わせだったとはいえ、南米予選5位、プレーオフですべりこみセーフのあのウルグアイが残った。

 

しかし、今大会のヨーロッパ勢の実力を考えれば、いよいよ欧州大陸外でのヨーロッパ勢の優勝となる。ウルグアイは次戦は欠場選手も多く、奇跡的な活躍が必要。

 

オランダやドイツが、ブラジルやアルゼンチンを負かすことは予想できたが、まさか、ドイツがアルゼンチンをあのような形で葬り去るとはもし、あれがブラジルだったら、あっしは、あまりにものショックで立ち上がれなかっただろう。

 

ドイツ代表はこれで、常連国のイングランドとアルゼンチンに大勝。大会前はそれほど注目されていなかったチームだけに驚きは大きい(少なくともあっしは)。バラックの不在が心配されたが、何のこっちゃない、むしろ良かったみたい。


ドイツは注目されていなかったからこそ、周囲を驚かせることができたとも言える。これまでのW杯の歴史では、センセーションとして勝ち上がってきたチームをドイツが手堅いサッカーで叩きつぶすという役回りだったのに、初めて立場が逆転した。

 

スペインやオランダはともに、優れていて円熟した世代を擁している。とくに、スペインは史上最高の世代と言っても過言ではなく、ドイツとの準決勝は決勝戦以上に注目が集まる。

 

スペインやオランダはこれまで無冠だったことが不思議なぐらいで、長い期間、周囲の国々が優勝しているのを眺めているだけだった、この二国のサポーターのどちらかが、歓喜に沸く姿を見てみたい。

 

結局、大切なのは人材

 

ブラジルの敗北を受けて、トスタン師匠が言ったのは「ブラジルだけが無尽蔵にクラッキを輩出できると思ってはいけない」。


あっしも、結果論だが、けっきょく、いまのブラジルサッカーを見渡しても、W杯で決定的な活躍ができる選手が居ないことが判明した。94年のロマーリオ、ベベット、98年のロナウド、リバウド、ロベカル、2002年のロナウド、リバウド、ロナウジーニョ、カフー、ルシオ、2006年のロナウド、ロナウジーニョ、カカ、アドリアーノ、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ、ロビーニョなど。ブラジルはここ16年間、これらの天才的な才能に恵まれた。だが、彼等のピークは過ぎた、そしてブラジリアン・クラッキたちの系譜はいま、途切れたかのように見える。

 

トスタン師匠が大会前から懸念していたのは、いまのフィジカルを競い合うサッカーでは、選手のピークはますます短くなっていくのではないか、ということ。ロナウジーニョはバルセロナ入団時の2002年、03年、04年頃をピークとすれば、実は短かった。そして、カカもかつてのミラン時代のパフォーマンスを取り戻せないことが大会前から心配されていた。


W杯の蓋を開けてみると、実際はカカだけでなく、クリスチアーノ・ロナウドやルーニーなどまでが不発、そして、まだ23歳のメッシでさえ、最後はどこか、くたびれた感じで終わってしまった。メッシは過度のプレッシャーだけであればいいが。

 

長い間、人材不足になやんでいたヨーロッパだが、ここまで残った代表チームには、複数の優秀な選手が揃っている。


ブラジル代表に関しては、今回、露呈した(とくにオランダ戦で)最大の人材不足は左サイドバックを始めとした左利きの選手たち。これまで、掃いて捨てるほどいたのに人材を捨てすぎた罰があたったな。

 

ジャウミーニャ、アレックス、デニウソン、フェリッペ、ジオバンニ、アチルソンなどなど(他に想い出せば、教えてください)

 

ブラジル代表が直面する危機は、自国開催の2014年大会に向けて、チームの構成が大幅に変わってしまうこと。W杯の優勝経験者であるルシオやカカはおそらく2014年には出られない。もちろん、それが関係ないこともありうる。今回のセレソンの最年少は23歳のラミレスで、彼は次回は27歳。新監督は近々に決まるが、2002年の経験を知るフェリポンが最有力。

 

長いこと頂点にいれば、落ちてくるのは自然なことだ。これからはまた、代表選手を育てることから取り掛からなければならないだろう。他国の取り組みを参考にすることも必要。

 

ブラジル特有の話題はまたにするとして、いまは、世界が注目するカード「ドイツ×スペイン」が楽しみです。

 

ドイツもスペインも長い低迷期にあえいだ。ブラジルだって謙虚になって、一から、やり直せばいい。

 

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あ、そうそう。今大会のミューズはパラグアイに軍配に異論は無さそうだ。

3 Responses to “W杯ベスト4、有為転変”

  • スブッラ says:

    ドイツは10年ぐらい前から若手をサポートする体制を整えてきたみたいですね。
    ブラジルは才能がある若手はゴマンといるんだけれど。サンパウロFCの逸材オスカールを代理人が強引に移籍させようとしてチームに干されてるという話を聞いて非常に勿体無いと思いました。そういう風に第三者が若手の成長を阻害するのは可能な限り無くしていかないといけないですね。
    2014年大会はラームみたいにダニエウ・アウベスがキャプテンやってるのかな?

  • スブッラ says:

    スペイン決勝進出ですね。
    ドイツはいいチームだと思ってましたけど。大一番でシャビ、イニエスタ達に格の違いを見せられましたね。
    決勝にスペインとオランダが進んだ事を思うと残念ながらドゥンガのサッカーは時代遅れだったか。時代の流れが読めてなかったか。10年前なら良心的な指導者だったかも。

  • ジーコファン says:

    フッチさん、こんにちは。
    セレソンが負けてしまってから、WCもいまいち盛り上がりません。
    でもスペインのポゼッションサッカーだけは、見届けようと思いドイツ戦注目していました。あれだけ圧勝を、してきたドイツを、ミュウラーが、いなかったとはいえスペインは、良く押さえたと思います。
    そしてスペイン勝ちました。シャビ、イニエスタは、さすがでした。ビリャは、前半早々良い抜け出しを見せたんですが、消えている時間が長かった。ビリャが本来の働きをすれば、もっと行けたかも。。。
    セレソンのサッカーは、本来スペインのようなサッカーしてたはずなんですけどね。それこそクラッキは、五萬といるわけで・・
    今回のドゥンガのセレソン、私は評価していたんですよ・・・確実にトーナメントで勝つには、イタリア的というかドイツ的と言うか、こういうチームだろうと・・・でも不運もあったり、主審にリズムを狂わされたりで負けた。
    やはり私の中のセレソンは、クラッキを前線と中盤に配し、華麗に相手を惑わし攻撃する。これが理想です。
    それと今回誤審により泣いたチームがいっぱいある。過去にも優勝候補が誤審により涙を飲んだなんていっぱいありますよね。
    82年のジーコやファルカンのセレソンも審判とイタリアの汚い反則にやられベスト8止まり。(現代サッカーでは、考えられない反則)
    カテナチオなんて言っても良いサッカーをするチームには、反則でしか止められない。クラッキがパスコースを一寸ずらしてやるだけで、カテナチオなんて、右往左往(笑)
    そろそろWCだけでもビデオ判定必要かもしれませんね。
    オランダ、ウルグアイ戦なんて誤審がなければ、どっちに転んだかわからない試合、スナイデルのシュート、オフサイドで無効のはずです。
    本来日本に勝ったオランダを応援するべきでしょうが、今回はスペインを応援します。私の好きなサッカーに限りなく近いから。
    フッチさん、セレソンのドゥンガの後任監督、レオナルドになりそうですが、どうでしょうか。レオナルドは、ジーコファミリーなので私も好きなのですが、冒険かなーと。まあドゥンガも冒険でしたけど。
    できればジーコにやってほしいです。でもフラメンゴありますからね。
    それとセレソンの監督は大変、ペレのように何もやらずに、外野からワアワア言ってるのが楽ですね。昔の栄光にも傷つきませんし。

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