思春期のゲーム
ナイジェリアで行われているU17W杯の日本ユース代表の試合はいま地上波でも放送されている。
現時点で、日本代表は2戦2敗の最下位と危機的な状況にあり、同グループのブラジル代表は1勝1敗のかろうじて2位だが(1位は2勝のスイス、3位はブラジルに勝ったが得失点差で劣る1勝1敗のメキシコ)両チームともグループリーグ最終戦を控え敗退の危機にある。
やっぱり国代表といえども、17歳同士のゲームとなると、大人のような試合展開にはならないのね。
まあ、あたりまえか…自分が17歳のときなどは、何かを成し遂げたとか、日常で何かまともなことをした記憶すら無い。
このグループの1回戦で行われた「ブラジル×日本」は接戦の末、ブラジルが3-2で勝利した。掲載の時期を逃しちゃったけど、この試合の個人的なレビューはこんな感じ:
“デビュー戦と言うこともあって、両チームともガチガチに緊張して始まる、ブラジルの方が個人技で上回り、最初にペースをつかんで先制ゴール。
その後、ボールをキープして試合を支配しようとするブラジルに対して、日本がボールを奪ってはつなぎ、前線で期待の宇佐美君がキープ。これで、流れをつかみ同点。後半に入ると、またブラジルがネイマール君のゴールで勝ち越し、そして、日本がカウンター一発で同点。しかし、試合終了間際に、日本のキーパーの致命的なミスでブラジルが勝利といった、まさにシーソーゲームでした。
とくにゲームの終盤には、日本が勝ってもおかしくない展開だったのに、負けてしまったという、不思議な現象でした。いったい、どういうことなんだろう、と首をかしげたくなる。
解説の風間氏が言うように「日本の方が人数の掛け方が上手」だったし、なんといっても、パスの精度、繋いで展開していくサッカーが素晴らしかった。
ブラジルに関しては、完全に個人技に頼り切っちゃって、有効なパス交換がほとんどない。自分たちの上手さだけを強調しているようなプレーに、ほんと辟易したよ。
この前のU20W杯で準優勝したブラジル代表も同じように、ユース世代のブラジル代表選手ってのは、とくに才能豊富な攻撃の選手たちは、ほんとにチームプレーというのを知らない気がする。ブラジルサッカーの将来を担うエリート選手という意識が強いのか?スカウトへのアピールなのか?
これまでは国内で、同世代同士で一人でドリブルしまくって、良い気分になっていたのがはたして、世界の大舞台でどこまで通用するのか。そんな過程にある印象がある。
それに加え、素晴らしいチームプレーをした日本が勝てないどころか、引き分けすら得られなかったところに、サッカーの理不尽さ、奥深さを感じた。”
その後に観た、第2戦の「日本×スイス」はもっと印象的だった。初戦の好印象どおり、日本代表はすばらしいゲーム展開で、前半ゲームを圧倒的に支配し2-0とリードしたものの、スイスの一つの効果的な戦略で、2-4とひっくり返され、終わってみれば3-4で敗北。この世代特有の不安定さが露呈された。
ブラジルの第2戦は観れなかったが、メキシコに0-1で敗北したところを見ると、まだまだ、チームとして機能していないだろうか。
日本代表に関しては、マスコミに「プラチナ世代」なんて銘打ちされて、観てる方としては注目しちゃうのだけれど、過剰な期待は同じ大きさの落胆につながる。
観てる大人の対応としては彼等の伸びしろに期待したい。日本代表もブラジル代表も選手たちはまだ形にはまらないゆえに凡ミスやプレーを見失うのだから。彼等の才能は間違いなくすごい。
うーん、この年代の試合は、よくわからんですな・・
ただ日本は、もう一寸やれたように思うが。
まあ日本らしいと言えば日本らしいが・・・・