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ドゥンガ・セレソン、勝利で今年を終えました。
スイス1×2ブラジル
Local: Estadio St. Jakobs, Basileia (Suica)
2006年11月15日


Arbitro: Markus Merk (ALE)
Cartoes amarelos: Frei e Lichtseeiner
Gols: Luisao, aos 21min, Kaka, aos 34min, do primeiro tempo; Maicon (contra), aos 24min.
Suica: Zuberbuhler; Lichtseeiner (Ingler), Djourou (Patrick Muller), Senderos e Magnin; Vogel (Dzemaili), Barnetta e Cabanas (Yakin) e Vonlanthen (Philipp Degen); Frei e Streller (Margairaz). Tecnico: Kobi Kuhn.
Brasil: Helton, Maicon, Luisao, Juan e Adriano; Fernando (Tinga), Dudu Cearense (Daniel Carvalho), Elano (Diego) e Kaka; Robinho (Ronaldinho Gaucho) e Rafael Sobis (Ricardo Oliveirea). Tecnico: Dunga
まあ、この試合、ホームでスイスの厳しいマークにあい、そう簡単な試合ではありませんでした。
とはいえ、ドゥンガ体制になってから、もっともドゥンガらしいサッカー、おそらくドゥンガが求めるだろうサッカーというものが見れたかな、とも思います。
え?ドゥンガらしいって、中盤で正確なパスワークから崩していくアレ?とつい、攻撃的な発想をしてしまいがちですが、なんのことはない、相手のボールをひたすら追って奪い返すってやつです。
なーんだ、そんなことかあ、と思う人もいるかもしれませんが、ブラジル代表に限っては、それはかなり貴重な姿勢です。パヘイラ前監督が4年間やろうとしてできなかったこと。
スイス戦では、前の3人:ハファエウ・ソビス、ホビーニョ、そしてイゼクソン(と呼ばせてもらいます、説明は後で)が懸命に相手ディフェンダーのボールを追いかけた。まるで、少年チームに入り立てのボウヤのように。
勝ち越しの2点目をみてください。相手陣でどんどんスペースを潰していって、最後はキーパーの苦し紛れのクリアがイゼクソンに当たってゴール。こんな泥臭いながらも、深い意味を持つゴールは久々です。ドゥンガのコンセプトが明確に見てとれました。
あれだけボールを支配できるブラジルが、プレッシング・サッカーをすればどうなるか、このコンセプトが、いま行われるサッカーのなかでセレソンがさらに飛躍するためのヒントのひとつだろう。だが、トスタン氏が言っていたように、それを実現できる選手がいなかった。ロナウドやアドリアーノ、ロナウジーニョ、それに前のイゼクソンやホビーニョたちのディフェンスに対する意識はかなり低かった。
だが、いまは違う。とくにホビーニョとイゼクソンの2人の豹変ぶりは目を見張るものがある。というか、もともと、ディフェエンスの能力はあったんだね。イゼクセンには無いと思っていたよ。これまで監督の明確な指示がなかっただけだったのだろうか。
いまセレソンの背骨といわれるのが、ルシオ・フアンのCB2人、ドゥドゥ・セアレンセとエラーノのセンターMF2人、そしてイゼクソンとホビーニョのアッタカー2人。この6人。これが、紛れもない事実。マスコミがいくら煽っても、ロナウジーニョはチームの主柱ではない。スイス戦でもロナウジーニョのアップばかり見せられた、まったく。
スイス戦では、ボランチでボルドーのフェルナンドがいきなりスタメンで使われたが、1.86cmの長身であれだけ自由に動けるボランチがいたとは、嬉しい発見。
イゼクソンが台頭
「カカ」と書くと、どうしても、キャーキャーと騒がれるアイドル・プレーヤーのイメージがあって、甘ったるい飴の食べ残しが指先にまとわりつくような、ヤな感じだったんす。というわけで、彼を本名のイゼクソンと呼んでみたら、なにかこう、勇ましい響きすらする名前で、不思議と先入観なしで書けるのです。
正直な話、W杯でイゼクソンのふがいない姿を観たあとは「やっぱり、こいつもダメだったか」とガッカリした。ただ、彼のひたむきな姿勢に偽りないことはわかっていた。口では謙虚なことを言っても、プレーはもの凄く怠慢な選手もいるんでやんすから…
ドゥンガ体制で初めはベンチ・スタートを強いられたイゼクソン。アルゼンチン戦で途中から投入されて、すんごいゴラッソを決めました。まさに、意地のアピール。彼に求められていたのはこれですよ、チームをガンガン引っ張る強引さ。なりふり構わない、イゼクソンらしい泥臭さ、みっともなさ。クウェート・スターズ戦やスイス戦のゴールはまさにかっこ悪い。
そう、お前さんはかっこ悪いんだよ、それでいいんだよ。今週もあんたのインタビューを観たさ。(朝日新聞にも一部の内容が掲載されていました)
「W杯はガーナ戦でヒザを負傷した。ほんとはフランス戦に出られなかったけど、ドクターに痛みを偽って出た。けど、全然いつものプレーができなかった。僕の失敗だった」。そう、みんな分かってた。お前さんらのコンディションが万全じゃなかったことを。なのに「フランスが内容で勝っただけのこと」とか、上手く切り抜けやがって、サポーターをバカにすんじゃないよ。
「戦術に問題があったとは思わないけど、準備期間には問題があった。あのスイスでのお祭り騒ぎははっきりって、酷かった」。それも、わかってますう。選手達は大会に集中するどころか、みんな疲れきった顔してた。あれは会長の責任だ。
W杯後、あの失敗を心から語ってくれる選手、あの体験から感じたことを話してくれる選手が次の代表チームのリーダーになると思っていた。そのうちの一人がCBのルシオ、そして、もう一人はイゼクソン君だったんだね。着ればいいじゃん10番を、よろしく頼むよ。あっしのダニエウ・カルバーリョも似合うんだけどな。まあ、ちょっとミランが調子悪いのが心配だけど。
ピッチの中のリーダーとして大成すればいいじゃん
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540 Responses to “スイスのイゼクソン”

  • peixe says:

    ドゥドゥとフェルナンド・・エラーノも含めて良い連携に見えました☆
    個人的には、エウトンが楽しめました。
    キャッチが正確でフィードが速い・・ああいうGK好きなんです☆
    オウンゴールの飛び出しは今回に限り ご愛嬌と言う事で(笑)
    イゼクソンと表記すると確かに強そうですね(笑)
    <<「戦術に問題があったとは思わないけど、準備期間には問題があった。あのスイスでのお祭り騒ぎははっきりって、酷かった」。>>  はい確かに酷かった★
    もう魂胆見え見えで・・・合宿では無く、あれは興行。
    日本でもG+でやってましたが、最初の2回見ただけで もういいや・・・と思いました。
    <<着ればいいじゃん10番を、よろしく頼むよ。あっしのダニエウ・カルバーリョも似合うんだけどな>>  あっしのヂエゴも似合いますが(笑)  今回は電光掲示板のトラブルもあり(爆)3分しか出番ありませんでしたね。

  • フッチブログ says:

    peixeさん、
    フェルナンド、上手くハマりましたね。あれぐらいのフィジカルなら、世界中のどのチームとやっても、当り負けはしないっすね。
    エウントン、良いでしょ。オウンゴールは愛嬌、愛嬌…フフ
    イゼクソンはよく話してくれました。これから、セレソンも引っ張っていくという気持ちの表れだと、あっしは理解しましたよ。彼は、いま彼に何が求められているか、わかっている。
    ジエゴもいたいた、失礼。今回はエラーノと入れ替わりで、ホビーニョが退いた後だったので、三人一緒のプレーは見られませんでしたが、次回に期待。
    サンチスタより一足先にリバイバルを喜んだのがグレミスタでしょうか。ロナウジーニョとチンガが同じピッチに立つなんて、6,7年ぶりとかじゃないでしょうか?この2人が、あの栄光のグレミオの象徴ですもんね。

  • ホビーニョ says:

    スイス戦に関する紹介がなかなか出てこなかったので、今回はスキップかと思ってました。
    スイス戦、前半は良かったと思います。相手のフィジカルに圧倒される場面もありましたが、全体的に支配し、中盤はとくによかった。フェルナンド。長身でがっしりしていて頼もしかった。ドゥドゥも同じ身長で結構迫力がありました。
    エラーノは、ほんとよく攻守に貢献しますね。ジュニーニョペルナンブカーノが見せたセレソン疲れ(レギュラーを獲得した2004年夏頃)にならないかやや心配ですが、今後も走り回ってほしい。
    正直、カカーは8番で出てくると思ってました。しっかし、10番。これは、彼の意識の表れでしょうね。これまで10番を着ることはあってもそれは、誰かの代わり的な場面であり、レギュラーが約束されたシチュエーションでは8番ばっかりでした。リバウドがセレソンから外れた際は10番を敬遠したなんてこともありました。キャプテンマークと10番を任されているんだ、という強い意識をこれからも持ち続けてほしい。
    私期待のホビーニョもぼちぼちというとこでした。縦横無尽に自由にやっている姿は今後をさらに期待させるものでした。
    後半、おきまりの交代をさせられてから、セレソンの中盤が無惨に無機能状態に陥ったことを考えると、ヂエゴの投入までの選手起用は一体なんだったのって思ってまいましたね。
    次は2月の頭ですかね。あー、長い。セレソンの試合が楽しみです。

  • フッチブログ says:

    ホビーニョさん、
    すいません、スイス戦よりもサンパウロFC優勝を優先してしまいました。
    >エラーノは、ほんとよく攻守に貢献しますね。ジュニーニョペルナンブカーノが見せたセレソン疲れ(レギュラーを獲得した2004年夏頃)にならないかやや心配ですが、今後も走り回ってほしい。
    エラーノは大変です。少しでも調子を落とすと、ロナウジーニョ推進派にベンチ降格をうったえられますから。まさに、「カルテット・マジコ」とともに、ベンチに退けられたジュニーニョ・ペルナンブカーノのように。
    ジュニーニョ・ペルナンブカーノのことは、W杯前からインタビューなどで分かっていましたが。「右サイドハーフは自分の本来のポジヨンじゃない、自分はセンターの選手」とパヘイラ監督に直訴していたそうです。
    クラブと代表チームで役割が異なるとき、それでも、上手くやれるタイプなのかどうか。その点、エラーノはシャフタールでの攻撃的MFとは全然違う役割ですが、そつのない渋い選手ですよね。
    イゼクソンについては、昨日も地上波でミランの試合やってたから観ましたが(しかしセリエはつまらん)、彼は前に2人選手のFWがいないとダメなんです。それこそ明らか。スイス戦ではホビーニョとソビス。ここに、ロナウジーニョを入れると、FWが1人になって、カカはとたんに出しどころがないよう。
    これが2007年の大ジレンマ:どうやってカカ、ロナウジーニョ、ホビーニョの3人を一緒にプレーさせるか。
    あっしは、別に3人を同時に見なくてもいい派ですが。
    来年2月は、たぶんヨーロッパの強豪とやるらしいですね。もっと、強え相手とやってほしい。

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