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いやあ、こんなにアルゼンチンを応援したのも久しぶり、いや、ひょっとして初めてかも。
ドイツW杯、クォーターファイナル
「ドイツ1×1アルゼンチン、PK戦ドイツ4×2アルゼンチン」
ベルリン、オリンピア・シュタディアム、71,000人観衆
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「ドスン!ドスン!」と今でも、ドイツ人選手の重たい足取りが聞こえてくるようだ。まるで、ベートーベンやブラームスの曲のように。
最初から、ドイツは「アルゼンチンの小賢しいテクニックなんか吹っ飛ばしてやる!」と言わんばかりに、強烈な当たりで、アルゼンチンのパス回しを封じ込めにきた。
自国の観衆の前で、当たり前のように、肘鉄、ひざ蹴り、後ろからの蹴り、スライディング・タックルをかます。ごくナチュラルに、それもまた、一つの戦術だと言わんばかりに。
アルゼンチンのゲームメーカー、リケルメがボールを触ると、ガツン、ガツン、とふくらはぎを蹴られる。なんで、試合早々に、FWのポドルスキーがボランチのマスケラーノを削ってイエローカードを貰うのか?逆ならまだしも。そして、日本でもお馴染み、シュヴァインシュタイガー、ボールを取るフリして、相手のくるぶしにトーキックを入れるのが上手いね。
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ドイツのメッセージはただ一つ“もう、なりふり構わず勝つ”。主審も、異様にレッドカードを出さないよう気を配っていた。
とはいえ、アルゼンチンだって、ラフプレーじゃ負けてない。CBの二人、アジャラとエンツエはドイツの攻撃陣に高さで負ける分、手を使って、懸命に相手の体勢を崩そうとしていた。
正直、アルゼンチンのパス回しに、体のでかいドイツ人選手たちは翻弄され、体力を消耗しているだろうと思っていたころ、後半開始早々、アルゼンチンが先制。
先制した後も、アルゼンチンはドイツ陣地でボールを支配していたし、ドイツのCBの二人、メッツエルダーとメルテザッカーのパスミスを誘っていた。ここで畳みかけて、一気に流れを引きよせばいいものを、アルゼンチンのペケルマン監督は後半27分、なんと司令塔リケルメを外して、カンビアッソ(!)を入れる。それも、パト・アボンダンシエーリが怪我で(というか、クローゼのK-1ばりの膝蹴りを受けて負傷)交代枠を一つ使ったばかりだというのに。まさか、逃げ切り作戦かよ!
さらに5分後、アイマール、メッシ、サビオラといったキープ力の攻撃陣をベンチに控えながら、最後の交代はクレスポに代えてFWフリオ・クルス(インテル・ミラーノでアドリアーノからレギュラーの座を奪った)。
ペケルマンはフリオクルスに前線でポスト役をしてほしかったのだろう。だが、その落しどころが、ボランチが本職のカンビアッソでは、心許ない。他の中盤の二人、ルーチョ・ゴンサレスとマクシ・ロドリゲスも、リケルメのような支配力、展開力を発揮できない。アルゼンチンの攻撃がとたんに単調になった。
息を吹き返したように、というか、大観衆のアドレナリンを90分間注入されっぱなしのドイツが怒濤の攻めに転じ、終了10分前に同点ゴール。
コリンチャンスのテベスとマスケラーノは予想どおりの素晴らしい活躍。とくに、テベスはブラジルで魅せるような、背中でDFを背負って、次の瞬間、ドリブルを仕掛けるという特技を何度も披露してくれたが、いかんせん、プレー位置がゴールから遠すぎた。
結局、メッシやアイマールを投入せず、ドイツのフィジカルの強さに対抗しようとしたアルゼンチンは、延長戦でもなす術なく、PK戦へ突入。
最後は、おそろしく体のでかいレーマンに阻まれ、あえなく敗退。あのレーマンとは、PK戦で相対したくない。試合直後、アルゼンチンの選手が悔し紛れに背広姿のビエルホフに殴りかかるという、残念なシーンもあった。
ヨーロッパの敵地で、セレソンとは決勝戦でしか対決しない好条件に、あっしもアルヘンティーナには力入れした。セルビア・モンテネグロ戦は、いまのところ、今大会で最も美しいゲームだったと思う。
なんといっても、アルゼンチンの世界サッカーへの貢献に敬意を払っている。敗退したいまでも、ブラジルと並んで、ファンタジー・サッカーを象徴するサッカー文化だと信じている。ドイツ・サッカーなんかよりも、遙かにずっと。
まあ、ドイツのこういうのも好きだが。
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これで、非ヨーロッパチームはセレソンだけになっちゃっちゃた。
最大の英雄があんなに一生懸命応援してくれるなんて、セレソン・サポも羨ましかったぞ。
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896 Responses to “アディオス”

  • ヒロ says:

    いやぁ見えないところで両チームともやりあってましたね?。
    本当によく退場者が出なかった。
    審判はオランダvsポルトガルを見て自分もそうならないように気をつけたのかな???
    ペケルマンの采配もよく分からない部分が多かったですね。
    なんであの場面でリケルメ交代なんだろうか?
    あれだけ拘っていたリケルメを変えたことが後々響いたのは素人目にもはっきり分かりました。
    なんか・・グダグダ模様(笑)
    延長1分くらいで「ああPKだなぁ」って。
    ドイツが勝つとしたらこういう勝ち方しかないと思っていましたが、まあ大会成功のためにはよかったかなぁ。

  • フッチブログ says:

    ヒロさん、
    この文章、かなり、偏ってるでしょ。悔しかったんで、そのままの気持ちで書きました。
    ドイツはやっかいですねえ。気が狂ったように、奮迅しはじめたら、パンツアー戦車の下敷きにされちゃいそう。
    なんであの場面でリケルメ交代なんだろうか?
    >あれだけ拘っていたリケルメを変えたことが後々響いたのは素人目にもはっきり分かりました。
    ねえ?あれほどに、全てを託した選手に。まあ、メキシコ戦で何か疑念を持ったのだと思おうけど、
    死のグループを余裕、無傷で突破したアルゼンチンだけに、ここも突破してくるだろうと、思ってた。やっぱ、ホスト国はやっかいですね。

  • KENBO says:

    悔しいっすねー ホント悔しい。
    今日一日機嫌が悪かった。
    >ドイツが勝つとしたらこういう勝ち方しかないと思っていましたが、まあ大会成功のためにはよかったかなぁ。
    南米のテクニックを封じ込めるには
    ドイツとしちゃあんなサッカーしかなかったのかなぁ
    つまらないサッカーだ。
    >最大の英雄があんなに一生懸命応援してくれるなんて、セレソン・サポも羨ましかったぞ。
    いやあホント羨ましかったです
    おそらく他国の方々のようにVIP席は用意されていたんでしょうが
    母国のユニを身に纏い、サポと一緒に大声援を送る姿は
    すげぇ?カッコいい。
    はぁ?・・・あとはブラジルに頑張ってもらわなくちゃ。

  • フッチブログ says:

    KENBOさん、
    いやあ、フランス戦のあと、書いてます。
    終わりましたよ、ジ・エンド。
    世界中に期待させた分、今回の失態はより堪えますね。
    ドイツ戦の内容はアルゼンチンでしたが、フランス戦の内容は、明らかにフランスの方がよかったです。
    これで、南米はパーですわあ、
    あーあ、あっしもマラドーナ同様、ガックリ…

  • ヒロ says:

    ブラジルの面々や人々が悲しむ姿は見てられないですね・・・。
    だから上のお題にはまだ書き込めそうに無い・・(現実逃避)

  • フッチブログ says:

    おおヒロさん、
    共に応援した、今回W杯、どうも、ご苦労様でした。
    敗北はしょうがないっすよ、勝負の世界だから。落胆は、最初でもないし、最後でもないっす。
    結果は見てのとおり、セレソンの実力が如実に現れてます。総合的な実力は個々の能力だけじゃなく、チーム力も要素ですから。
    とはいえ、昨日の試合はナンバーDVDにしても、売れなさそう。笑
    どうか、気兼ねなく、思いの丈を書き連ねてくださいな。うさ晴らしに。

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