待ってぇ?!マテウス
しかし、まあ、はかないモノでした。マテウスがアトレチコ・パラナエンセを指揮した期間。
就任した2月1日から、退任した3月18日までをカウントすると、
たった46日間のヨーロピアン・エキスペリエンスでしたか。
それでもパラナ州選手権およびコパ・ド・ブラジルの8試合で、6勝2分けの戦績?無敗でブラジルを後にしたマテウス。
「退任は個人的な問題、クラブとは関係ない。言えることは、もう二度と、家族なしでヨーロッパを出ない」。3月7日からチームを離脱して、ヨーロッパに戻っていたマテウスは、アトレチコ退任後のインタビューでドイツ紙に語ったという。
情報はすでに日本でも周知だと思うが、どうやらブラジルに単身赴任していたマテウスに対し、妻マリジアナ(marijiana…ムム、この名前、似てるなあ)が不満を現わしたらしい。一部のソースからは、離婚騒動にまで発展しているとある、「お父さんも辛いよ」。
事の原因はマスコミとの仲違いとされる。ブラジル在中に現地マスコミと一悶着あり、さらにドイツから追っかけてきたマスコミによる攻撃が、彼の失墜に追い打ちをかけたらしい。日本でもサッカー誌で記事が読めるジャーナリスト、ジュカ・キフウリ氏のブログ経由で知った。
ことの発端は、現地のオ・エスタド・デ・パラナ紙社会欄のベテラン・ジャーナリスト、ジャデル・ホシャという人物のインタビューをすっぽかしたことらしい。同時に、このジャーナリストが撮影したと思われる、マテウスが美人記者と一緒に歩いている写真がサッカー専門誌プラカールに掲載された(あっしは未確認)。
それに写真の説明には「マテウスと妻」のように書かれていた。間違ったのか、それともわざとなのか、真意はわからないが、マテウス家族には迷惑きわまりない。
さらに記事の内容がまた辛辣な部分があり、ドイツから追っかけてきた、いじわるな記者まで加筆して、「名声は世界トップだが、気むずかしさもまた、世界トップ」のような内容になっていた。そこでは、マテウスが州選手権の試合中に猛然と線審に食ってかかって、退場させられた事件などが取り上げられていた。
このシーンはあっしも観たが、マテウスはわざわざラインを超えてピッチの中に入って、線審と対面するようにして、顔をくっつけて、凄い形相でレフェリーを罵っていた(もちろんドイツ語で)。あそこまで審判の権威をないがしろにした行為は初めて見た。
この件は、スポーツ裁定に持ち込まれ、マテウスは辛うじて罰を受けずにすんだ。ドイツでこれをやっていれば、最低でも1月のベンチ入り停止はくらっていただろう。
つまり、マテウスは国内のマスコミと仲違いし、祖国ドイツのマスコミからも人格を疑われ(次期代表監督になるためのイメージを汚され)、そして奥さんからも写真の件について、追求される立場になり、もうカチカチ山のタヌキさん状態になったというわけ。
そしてトドメとなったのが、3月6日、滞在中のホテルで起きた騒動。この日、マテウスはホテルのロビーで「問題写真」の当事者ジャデル記者を見つけ、例の線審にしたように(ああ、あっしも固定観念に縛れる)、食ってかかったという。
パラナ州の上流社会の著名人をコラムに登場させる花形記者、ジャデル氏は再三マテウスにインタビューを望もうとしていたが、マテウスの方はありとあらゆる罵詈雑言を記者に浴びせるばかりで、まったく仕事にならない。とうとう、頭に血が上った記者はマテウスの顔面に右ストレートを見舞った。
そのあとどうなったかは、どこにも書かれていないが、翌日マテウスはブラジルを後にした。
マテウスはどこへ発った?おそらく、家族のいるハンガリーらしい(奥さんはセルビア人らしい)。ちなみに、そうであれば、「離婚賠償で200万ドル」とかいったドイツ発の情報はあまりアテにならない気もする。わかったのは、ドイツではマジでマテウスを潰そうとしている連中がいるのね。
そんなこと全てで、割を食ったのがアトレチコ・パラナエンセ。順風満帆だと思えた新プロジェクトが、いとも簡単に崩れ去った。マテウスが離脱した直後のパラナ州選手権の準々決勝で負けて敗退。すべてが水の泡に帰した。
ピッチ内の事情ではないといえ、これもサッカーなんですねえ…こんなに頑張っていたのに。
フッチさんこんばんは。
マテウスらし過ぎる去り方ですね。バイエルンにいてもインテルにいてもアトレチコ・パラナエンセにいてもマテウスはマテウスなんだと改めて理解しました。
マテウスとかエッフェンベルクとかロマーリオとかカントナとかエジムンドとかバッジオとかガスコインとかフリットとかこの年代のスーパースターのひと達、アクの強い悪たれが多いなあと思うのは、ぼくの気のせいでしょうか・・・。
>マテウスはマテウス
思わず吹き出してしまいました。
就任の話を聞いてからは本当にブラジルに来るのかどうかを心配してたんですが…いや実にマテウスらしい去り方ですね。
少し前の名選手って顔もキャラも濃かったですね…(^_^;)
flavanchaさん、
いやー興味深いコメントありがとうございます。
>マテウスとかエッフェンベルクとかロマーリオとかカントナとかエジムンドとかバッジオとかガスコインとかフリットとか
やっぱ、そうなんですか。あっしも自覚していなかったのですが、確かに良いキャラしたメンツが勢揃いですね。
今回の一件は、マテウスがいかにしてドイツ代表監督になれないか、を物語っている気がして、面白いです。
ただ、実績だけで言えば、彼は優秀ではないのかな、とも思うし。
難しいですね、他所の話は。
MIKAさん、
確かに、マテウスがブラジルにいること自体、凄い話題だったのになあ。
いかに、マスコミがグルになって潰したかを知れば、もったいないです。
でも、それがアトレチコ・パラナエンセというクラブの限界だという見方もできました。多くの問題は、クラブの広報担当がしっかりしていれば、避けることができたはず。
クラブ側にも責任があったかもしれまえんね。
つい最近、こちらのサイトに出会い、数日かけて過去ログを楽しく読ませていただきました。いやあ、勉強になる!
フッチブログさんの記事は濃くて面白いなー、読んでないログもそろそろ終わっちゃって寂しいなー。なんて無邪気に楽しんでたら、唐突に「ムム、この名前、似てる」って……ナニに似てるんですか(笑
知名度の割に情報が少ないブラジルおよび南米サッカーについて、これからもいろいろ教えてください。そしてこのクオリティで記事を書き続けるのは大変だと思いますが、がんばってください?。
と、にわかファンからの応援でした。
とばるまんサン、
どうも、読んでくださって有り難うございます。
似てるのは、「mj」っすよ、ヘヘ。ググったとき、トップに出てくる「“もしかして:...”」ってのに出てきちゃって、もう一人で大爆笑。
おかしな名前だな、と思いきや、東欧では「アケミちゃん」ぐらいの、一般的な名前みたいでした。奥さま、スイマセン。
クォリティもなんも、あっしだって、いい加減なとこもありますから、よろしく。