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PostHeaderIcon アルゼンチン国民アンケート

今回はアルゼンチン代表チームについての話題。
アルゼンチンで最も発行部数の多い新聞「La Nacion」が行った「W杯に行ってほしい選手アンケート」をCheckした。
タレントの宝庫である隣国のこんなアンケートからも、面白い考察が沢山できる。


ブラジルが最もライバル視し、同時に尊敬するのはアルゼンチン・サッカーである。アルゼンチンという存在がいなければ、ブラジル・サッカーのレベル維持、向上もなかった。今季早々、リベルタドーレス杯に参加するクラブたちの準備の凄まじいこと。すべてはアルゼンチン・クラブを筆頭にライバルたちに勝つためだ。
アルゼンチンの人々のサッカーに対する熱視線は半端じゃない。アルゼンチン・サッカーの奥深さは敬意に値する。あっしも、いつかラ・ボンボネーラのスタンドに立ち、ボケンセの熱狂ぶりを直に感じたいと思っている。
とはいっても、アルゼンチン・サッカーについて注目するのはリベルタドーレス杯など、ブラジルのクラブと対戦するときだから、いまいち情報を追っかけていない。
昨季のアルゼンチン代表は、ブラジルにことごくタイトルをさらわれ不満が募っている感じだったが、ワールドユース制覇の原動力となっったバルセロナの17歳のメッシの出現で後半は一気に希望が復活した気がする。
代表チームはメッシを中心に、どんどん世代交代が始まろうとしている。それに加え、ブラジル・サッカーファンにとって、コリンチャンスに移籍してきたテベスの活躍は目を見張るものがあった。テベスがもたらしたガチンコ・スタイルはブラジル・サッカーに良い影響を与えたことは疑いの余地がない。
それで、アンケートの話に戻るが、リンク先はここ:
http://www.lanacion.com.ar/deportiva/nota.asp?nota_id=774642&origen=relacionadas
アンケートで最も投票数が多かったのが5838票で並んだFW部門のメッシとテベスの二人。FW陣はクレスポ、そして新星アグエロと続く。
中盤はリケルメがダントツ、続いてダブル・ボランチのマスケラーノ、カンビアッソ。次いでアイマール、あっしの好きなルーチョ・ゴンサレス、そしてガーゴ。
DF陣はソリンがダントツトップ。ソリンはDFであり、MFであり、FWでもある型破りな選手。次いで、アジャラ、サネッティ、コロッチーニ(あっしの嫌いな選手)、ハインツェと、ここはいつもどおりのメンツだ。いや、DFこそアルゼンチンの最大の弱点になるだろう。
アルゼンチン代表が進化しつづけるには新顔の台頭が不可欠。メッシの才能はバルサですでに開花しているが、彼と同年代でWYでチームメートだった18歳のセルヒオ・アグエロ(インデペンディエンテ)への期待も高い。
と同時に、一時はアルゼンチン・サッカーの将来を背負うと言われたアイマールとサビオラ(ピエロとウサギ)だが、その真価を見せる前にメッシ世代に喰われちまう危険がある。
さらにボカでボランチでプレーする今年20歳のフェルナンド・ガゴ。あっしはよく見てないが、ここらが国民が望む新風のようだ。国内には他にもロドリゴ・パラシオ(ボカ、24)、ルカス・カストロマン(ベレス・サースフィールド、24)などの攻撃的選手がいる。
ブラジルの人口の半分も無いのに次々と現われるアルゼンチンの才能たち。それは、いうまでもなく優れたコーチ陣が存在するからであり、そこに「伝統と奥深さ」を見てとれる。
アンケートで何が共感できたかというと、国内でプレーする新しい才能たちをアルゼンチンの人々はプッシュしていること。若き才能を保留するという意味では、アルゼンチンの方がブラジルよりしっかりしている。アルゼンチンのビッグ・クラブの会長たちは「この選手は3年間ここに留まる」と公言したら、そのとおりになる。
アルゼンチン人選手たちもヨーロッパに行って金、金としゃかりきりにならない、毅然とした姿勢が伺える。たとえば、代表の10番を背負うリケルメなんかはスペインで中堅どころのビジャレアルというクラブに非常に感謝しており、プレーにもその姿勢が滲み出ている。あれだけの才能の持ち主なのに、スポットライトを気にしない。テベスもいったんピッチを出れば「スラム魂」は潜みシャイで大人しい。ここらへんにブラジルとアルゼンチンの文化の違いを感じる。
ブラジルのクラッキたちに関して言えば、いとも簡単にクラブを去っていってしまう。それは良いのか、悪いのか、なんとも言えないが、あまりにも金銭主義で倫理観が欠如しているように見える。それは選手だけが悪いのではなく、フロント、代理人、それに制度などの問題だろう。
「23歳まで海外移籍を禁ずる」といった制度が作られてもいい。もちろん、これは労働法に触れるから無理な話だが。なんとか、同効果の制度で留まらすことができないものだろうか。去年17歳でグレミオを牽引したアンデルソンなんかはグレミオで歴史を作る前にポルトに行ってしまった。勿体ない話だ。
あっしのインテルも、近年ではダニエル・カルバーリョ、ニウマールが20歳そこそこで海外移籍し、いま期待の星ハファエル・ソビスにオファーが殺到しており、移籍は必然だ。インテルにかぎって言えば、他にもルシオ、ファビオ・ホッケンバック、ディオゴ・リンコンなど出身選手だけを保留していれば凄いチームを作れた。クラブで育った選手がビッグタイトルを獲ってくれる前に移籍していってしまう。ルシオ以外、ヨーロッパでは一流選手として扱われてもいない。「移籍金がなんぼのもんじゃい。誰が儲かっとんのじゃい!?」とサポーターとしては、やるせなさを広島弁で吐く。
早かれ、遅かれ、タレントは持って行かれる。新陳代謝の速さがブラジル・サッカーの良さだ。という人もいるが。
だがセレソンに対する親近感も、チームの半分ぐらいが国内組の方がより高まるに決まっている。いまのセレソンの招集は、サポーターから見て「田舎の同窓会」的な印象を与えるときがある。合宿所では、選手達は互いに“都会”での成功話ばかりしている気がしなくもない。「ワシら田舎のモンなんけえ忘れとるけんのう」。そればっかりではない、と知りつつも。
そんな、国内組の懐かしさをちょっぴり感じさせてくれたのが、アルゼンチン国民が投票したアンケートだった。もちろん、アルゼンチン代表も圧倒的に海外組で構成されることになるだろうが、アルゼンチンの人々の微かな気持ちを感じ取れた。
ボカのホーム・スタジオ「ラ・ボンボネラ」は一度行ってみたいな
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865 Responses to “アルゼンチン国民アンケート”

  • デヴィド says:

    ハファエウ・ソービスって、夏にインテルに移籍するんですね。
    いくらなんでも速すぎな気がします・・・・。
    ところでフッチさんに聞きたいことがあるのですが、サントスがリベルタドーレス杯の決勝に進出したときのキャプテンである、パウロ・アウメイダ選手って今どこに移籍したんでしょうか?
    ベンフィカを自由契約になったところまでしか情報を得ていないので、もし移籍先を知っておられるなら教えて頂きたいのですが・・・。

  • フッチブログ says:

    デヴィドさん、こんにちは。
    ソビスの移籍話の噂を知るたびに憂鬱になります。結局、リベルタドーレス杯終了の6月まで残ることになりましたが、クラブの所有分はたったの25%。悪徳代理人が50%(いまイタリアでACミランやインテル・ミラノとかを相手に“天秤”交渉中)、残りの25%はインテルのものだったけど、リ杯まで残留を条件に、どこかの投資ファンドに二束三文で売っちゃった。
    つまり半年後、インテルはもうこのプレーヤーに対する権限はほぼなし。ただ去っていくのを見るだけです。移籍金額がそこそこ上がろうとクラブはたいして儲かりもしない。
    パウロ・アウメイダ好きですか?一時はセレソンまでのし上がりましたよね。ちょっと調べてみたら、ベンフィカのBで腐ってるようです(クーマンに冷遇されて)。だから、テレビでスーペルリーガ観てもベンチにもいませんし、チームを去るのは必然。
    今月中にブラジル復帰の可能性大だそうです、ゴイアスとか。

  • デヴィド says:

    あー・・・。  代理人の悪徳さは、カカーの時もそうでしたよね。  サンパウロは約8億円程しか貰えなかったとか。(カカーは自分に貰えるはずだったお金の受け取りを拒否したとか。素晴らしい人間性ですね)
    アルメイダの情報ありがとうございます。加入したシーズンからトラパットーニ監督にあまり起用されなかった気がします・・・泣
    ゴイアスですか!?   もし実現すればリベルタドーレスで彼の姿を拝見できるのですね!

  • フッチブログ says:

    あ、よく考えてみたら、新しい情報でもないですよね。
    アウメイダはゴイアス以外にもサン・カエターノ、ポンチ・プレッタなどが欲しがってるそうです。ブラジルに復帰するには年棒がネックらしいです。Jリーグの可能性もなきしにあらず?

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