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PostHeaderIcon ブラジル選手権、最後の盛り上がり

9月のブラジル選手権レビュー以来ずっとブラジル選手権について書かなかったのは理由があった。
巷で話題になった審判八百長事件の影響でブラジル選手権についてブログで語る気持ちが萎えていたから。
事件の影響で八百長審判が主審を務めた11試合が無効試合となり、それまで首位を走っていた我がインテルが3位に突き落とされ、2位だったコリンチャンスが棚からぼた餅的に単独首位の座をゲットした。
だが、ここにきて我がインテルナショナルとコリンシャンスの一騎打ちで大会が決定する。


八百長審判事件とは、インターネット賭場で儲けようとたくらんだ闇のギャンブル組織がエジウソン・ジ・カルヴァーリョという名の審判を買収し、ブラジル選手権の試合結果を操作させた。
インテル・ファンとして、あまり細かく触れたくはない話題なので、例えばここの記事などを参照いただきたい:
http://www.brazil.ne.jp/contents/futebol/futebol000_20050929142.htm
http://www.brazil.ne.jp/contents/futebol/futebol000_20051005143.htm
ブラジルでは法律上ギャンブルは禁止されている。だが、闇の賭場というのはどこでも存在するもので、今回はインターネット賭場、例えばbetandwin.comなどの国外のギャンブル・サイトに巨額の金を賭けて、ブラジル現地で試合の結果を操作しようという、ギャンブラーの風下にもおけない輩たちの仕業であった。
八百長といっても、特定のクラブを対象とするのでなく、賭け対象となっている試合の勝敗、得点を有利なジャッジ(PKを与える、相手チームのゴールにオフサイドを適用する)を与えて操作するのが目的だった。当のエジウソンも11試合のうち、故意に結果を操作したのは2試合だけだったと言っている(サポーターに命を狙われるリスクがあるため、真意はわからないが)。試合をビデオで観ても、具体的にどのプレーにその審判の指が加わったのかが特定できない。だから、スポーツ高裁は彼が笛を吹いた11試合すべてを無効にしたのだ。
だが杓子定規とはまさにこれで、判定を下したあと、コリンチャンスだけが大きな恩恵に授かることに周囲が気づいた。コリンチンチャンスが得したのは、人気チームであることから2試合が賭け対象になっていて、いずれも負けた試合だった。インテルは1試合それも勝った試合を無効にされた。この法的措置だけで、9点の差がふっとんだ。無効試合は再び行われ、コリンチャンスは1勝1分け、インテルは1勝。いずれにしても、結果的にコリンチャンスは4点「得した」ことになった。
エジウソンという男は審判資格を剥奪されたものの、仮釈放され、シャバでのうのうと生活している。マスコミに対しインタビューには1万ドルほどで応じると通達した。ちょっとしたスター気分だ、この野郎はイカれてる。
別にコリンチャンスが首位になる資格が無いとは思わない。ポテンシャル的にはトップだと前から言ってきた。だが、1年間を通してひたむきにチーム作りに励んで、戦ってきたインテルやフルミネンセといったクラブはとんだ被害だ。なんとか、コリンチャンスの力を封じ込めようと努力してきたものの、すべてが一夜にして水の泡となった。
首位コリンチャンスとの差が一時は11点にまで開いたインテルだったが、ここにきて3点差まで迫ってきた。そして、今週末11月20日に両者の直接対決がある。勝てば、インテルは心理的な勢いを得て優勝の可能性をとうとう現実のものにできる。コリンチャンスが勝てば優勝はほぼ確実になるだろう。この試合を含めて残すは、あと3試合。
次が順位。

28/42節 29/42節 39/42節(勝ち点) 39/42節(勝ち点)
(無効試合後) 現在 八百長なしの場合
1インテルナショナル 1コリンチャンス 1コリンチャンス(77) インテル(74)
2コリンチャンス 2ゴイアス 2インテルナショナウ(74) コリンチャンス(73)
3フルミネンセ 3インテルナショナル 3ゴイアス(70) ゴイアス(70)
4ゴイアス 4パルメイラス 4フルミネンセ(68) フルミネンセ(67)

八百長試合さえなければインテルが首位でありつづけ、コリンチャンスはここまで勢いづくこともなかったかもしれない。インテルには最後のチャンスに全力でぶつかってほしい。
インテルのおかげで、大会は最後に盛り上がりをみせる。
いけーインテル!!
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845 Responses to “ブラジル選手権、最後の盛り上がり”

  • 山田 says:

    >無効試合は再び行われ、コリンチャンスは2勝、インテルは1 勝。いずれにしても、結果的にコリンチャンスは6点「得し た」ことになった.
    コリンチャンスの無効試合の結果は、サントスには勝ちましたが、サンパウロとは引き分けたため、得したのは4点だけだと思いますけど、間違ってたらごめんなさい。
    私はインテルナショナルは別に好きじゃないですが、アンチ・コリンチャンスなんで、今回はインテルを応援します。

  • フッチブログ says:

    山田さん、
    あ、おっしゃるとおりだ。ご注意ありがとうございました。訂正しときます。
    11/20、サンパウロ、パカエンブー球場で行われる試合は、コリンチャンス・サポーター以外、みんな(サンパウロFC、パルメイラス、サントス、その他)インテル側につくらしいですからね。山田さんも同じ心境でしょうか。
    アウェーだけど、心情的にはインテル有利。勝ってほしいな、ニウマールを返してといいたい。

  • デヴィド says:

    コリンチャンスとは引き分けみたいですね。
    昨日インテルナショナルの試合を観ました!
    他のクラブと違って観客が多いですね。
    チンガ、ワグネル(個人技がスゴイですね?)がおもしろいと思いましたけど、イァルレイってどうなんですか?あまり試合には出てないのでしょうか?控えにも入っていませんでしたが・・。 ボカ時代の彼が好きだったので、是非観たかったのですが。

  • フッチブログ says:

    デヴィドさん、
    試合を観ましたか!
    あっしも結果は知ってますが、まだ見てません。
    インテルは南部特有のパワー・サッカーです。中盤の潰しが凄いでしょ。
    チンガ、ジョルジ・ヴァギネル、フェルナンドン、ヒカルジーニョ、そしてハファエウ・ソービス、ユース世代の新星です。
    イアルレイは怪我で長いことプレーできなかったです。復帰後もあまり出番がないようですね。FWには、ほかにもコロンビア人のヘンテリアが活躍してます。
    内容はともかく、引き分けは惜しかった。万事休す、かな。

  • デヴィド says:

    >南部特有のパワー・サッカー
    解説の亘さんも仰ってましたね。
    どちらかというとアルゼンチンやウルグアイに近いサッカーだと。
    ああいうサッカー好きです
    イァルレイ情報ありがとうございます
    コリンチャンス戦でベンチに入っていたみたいですから、これから頑張ってもらいたいです
    ヘンテリア・・・覚えておきますネ

  • フッチブログ says:

    デヴィドさん、
    インテルは優秀な選手育成プログラムがありますよ。
    ブラジル南部というと、ほとんど白人でドイツ系、イタリア系が多い。女性もモデルみたいな娘ばっかりで、肉も旨いし、素晴らしい環境です(といっても、あっしも住んだことはありませんが)。
    サッカーもまるでヨーロッパのようなスタイルですが(だからDF系をセレソンに多く輩出している)、でもそこは、ブラジル。ファウカンやロナウジーニョのようなテクニシャンも生れちゃうんですよね。
    いま、CSKAモスクワにいるダニエウ・カルヴァーリョはマジで注目しているインテルの生え抜きです。まだ21か22歳で、早いとこ、ヨーロッパの主要リーグに行かないかな。

  • デヴィド says:

    昨日のスダメリカーナを見たらなんと倉敷さんが実況をされてましたね!  驚きました。
    やっぱり南米のサッカーを見るなら倉敷さんだなと改めて思いました。
    昨日の試合はチンガ頑張ってましたね?  運動量がスゴイ。
    フェルナンド?ンもソービスに絶妙のヒールパスでチャンスをお膳立てするなど活躍して、最後の最後でゴールを決めて勝ちましたね!!
    倉敷さんによるとイァルレイはこの大会は未登録なので出られないそうですが、来年のリベルタドーレスまでの楽しみにしたいと思います。
    今年のバロンドール受賞候補が発表されたときに名前の無かったカルバーリョとCSKAの監督が怒りのコメントをしてた気がします。
    やはり西側のリーグでプレーしないと受賞は無理なんだと。
    FIFAの最優秀選手賞も世界中のプレイヤーが投票したという触れ込みですけど、リュングベリによれば「自分を含めて周りに投票した奴なんかいない」そうで・・・。

  • フッチブログ says:

    デヴィドさん、
    いやあ、忙しくて全然サッカー観れてないんです、トホホ。
    今年のインテルは素晴らしかったけど、どうやら一部的に解体のようですし。ブラジルのクラブをサポートするには、ほんと割り切りが必要です。
    ダニエウはいずれセレソンに呼ばれる逸材ですから、次回W杯のために温存ですよ。あっしは気長に構えるつもり。

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