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PostHeaderIcon モヌメンタルで沈没

6月8日、アルゼンチン・ブエノスアイレス市モヌメンタル・スタジアム、アルゼンチン3×ブラジル1。セレソン、撃沈。試合は開始早々からアルゼンチンの猛攻が実を結び、クレスポが2ゴール、リケルメが1ゴールを決め、前半を3-0で折り返す。後半、セレソンはなんとか立て直し、ロベカルが1点を返すが、反撃およばず敗北してしまった。アルゼンチンはこれで南米からW杯一番乗り。


とにかく前半20分までのアルゼンチンは凄かった。中盤から超ハードなマーキングでブラジルの選手たちに仕事をさせない。ボールを奪うや、見事なパスワークでセレソンのDFラインのスペースになだれ込むように入ってくる。「気迫のランで攻守ともに数的有利を作る」、これがアルゼンチン・サッカーの神髄であるが、この試合に関して言えばソリンという選手がそれを具現化していた。
前半のブラジルはどうだったか、厳しいマーキングに遭い、中盤でまったくパスが通らない。とくにロナウジーニョとホビーニョの二人はまったく試合から消えてしまった。カカだけがロング・ランでボールを運ぼうとするが、前線であずける相手がいない。ボールを奪われるとアルゼンチンの猛攻に晒されるという、悪循環になり、選手たちはパニック状態に陥っていた。観ている方も正直なところパニックった。
後半になると、さすがのアルゼンチンもハイ・ペースがたたって動きが落ち、ブラジル選手にスペースを与えはじめる、こうしてセレソンは徐々に試合を支配していったものの、3点差をひっくり返すにはいたらない。後半39分、アドリアーノの“力みシュート”がバーに嫌われていなければ、3-2が妥当な結果だったろう。もちろん、セレソンは後半に引き分け、または逆転することだってできた。
とにかく、アルゼンチン側は大満足、ブラジル側はパラグアイ戦から続いた夢見心地から叩き起こされた形だ。南米予選に関していえば、セレソンは次節のチリ戦(9月)に勝利すれば予選突破が決まるため、この敗北事態は大した問題ではない。
試合を冷静に振り返ってみれば、素晴らしい技術が凝縮した試合だった。アルゼンチン代表の気迫は世界中のチームが見習うべきスピリットだといえる。
一方、セレソンはモヌメンタルで何をしたかったのだろうか、パヘイラ監督は、ロナウジーニョは、ホビーニョは。パヘイラ監督はパラグアイ戦と同じ攻撃的な布陣を組んだが、今回ばかりは戦術に明らかな落ち度があったと思う。それはやはり、ボランチが一人足りないため、ロナウジーニョとカカが下がりすぎて前線にからめない、後半になってホビーニョをヘナトに代え、ゼ・ホベルトが上るようになると、やっと中盤底が修正でき、試合の主導権を奪い返した。ロナウジーニョは世界最高プレーヤーの称号を証明したかったのだろうが、前半すべてのパスをミスした、すべてだ。ホビーニョの最初のクラシコは、何もさせてもらえないという、ほろ苦い思い出となった。
セレソンは横綱サッカー、つまり相手に関係なく自分らのスタイルを通せると考えていたかもしれない、ただアウェーのアルゼンチン代表だけは気をつけないと、とくに前半はミスを抑え、耐えるサッカーをする必要があった。アルゼンチンは完全にブラジルに特化した戦術で挑んでいたのに。ただ戦術が均衡した後半からは、ブラジルは明らかに人材で勝っていた。何はともあれ、セレソンには大きな課題が出来た。
今月後半に両チームはドイツ・コンフェデ杯に出場し、そこでまた相見えるかもしれない。そのときは、この借りを返そうじゃないか。
W杯まで、この屈辱を忘れるべからず!!
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826 Responses to “モヌメンタルで沈没”

  • (偶然発見したのですが)素晴らしいBlogですね!!
    セレソンへの愛情をひしひしと感じる内容で、作っておられるのはブラジル関係の方ですか??私もほそぼそとBlog(&HP)を展開していますので、是非お立ち寄り下さい!(出来れば相互リンクして戴きたいのですが、どうでしょうか?)

  • サッカー・ワールドカップ南米予選ブラジル対アルゼンチン戦 アルゼンチン勝利

    サッカー・ワールドカップ南米予選ブラジル対アルゼンチン戦は、 3対1でアルゼンチ

  • フッチブログ says:

    ロベルトさん、こんにちは。
    励ましの言葉、ありがとうございます。
    ロベルトさんのブログにもコメントしておきます。
    私めについては、「サイトについて」で紹介させて頂いています。生涯ブラジル・サッカーを愛するただのシロウトです。
    相互リンクしましょう。

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